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day 12   実験開始

初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。 ※投稿方法を勘違いしていましたので、修正しました。


・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 何とか出所してドクターと看護婦さんに再会。 遅れて、救急隊員の1人も合流。 最後の1人は犯罪者になった。 技術が無いと何も出来ないと判明。 紹介された魔道具師は、元第1王女 アリウムだった。



|||||



《 05:45 》 不意に目が覚めた。 体が重い、アリウムに遅効性の毒でも盛られたか。 それとも、メイドの独断か。



ラナがお腹の上で寝てる、重いはずだ。 んでも珍しいから、もう少し寝かせてやろう。


ラナを見ていると、家で飼っていた2匹の犬、チロとアンを思い出す。 目を覚ますと、2匹がベッドのど真ん中で寝ていて、私は端っこで寝てたりしたな。

おじさんは、子供と動物には好かれるが、できる上司と若いお姉ちゃんには嫌われるんだ。



そっと抜け出し、ベランダで一服。 今日も晴れだ。



|||||



食堂にはいつもの3人、とプラスでアリウムが居るんだが。


「 おいーっす。 遅くなりました。 で、アリウム様どうしてここに? 」


「 おはよう波乱。 もちろん、昨日話した試験のことに決まってるでしょ。 食事が済んだら始めるわよ 」



「 随分気が早いですね。 もう少し、準備に時間が掛かると思ってました 」


「 今日までに、準備すると言ったわよね? 」


まぁ、確かに。 元とは言えさすがは王族、力技か。



「 波乱さん、今日の訓練は休みということで 」


「 それでお願いします、ドクター 」


自己紹介は、終わっているんだと。 状況説明もね。



食事後、アリウムと移動。 初めての廊下だ。 お、外だ、娑婆の空気は旨いな、旨いのか?


「 今日は、騎士団の練習を取り止めて、そこで実験するわよ 」


何か、ムフムフ言いそうなほど、張り切ってるな。 残念な子だ。



「 では、他の人の前では、アリウム様とお呼びすれば? 」


「 そうしてくれる? 」


判ってるじゃない、って感心しない。 おじさんは、TPOには気をつかうんだ。



騎士団の練習場は、サッカー場が幾つも入るほど広い。 端の方に木の板が並べられ、例の棒が板の上に乗っている。 100mだと、さすがに大掛かりだ。 


棒の手前側の端に、20人程が集まっている。 試験の助手か?、ちと多いんじゃ無いか。

ふと見ると、建物の側でこちらを見ている、派手な服も10人ほど居る。 大げさだな。


「 待たせたわね。 始めましょうか 」



アリウムの一声で、人々が散っていく。 何処行くんだ、始点と終点だけで良いじゃん。


「 準備出来ました~ 」 向こうの端から声がした。


「 行くわよ~ 」


棒の端に手を置いて、灯りを付けようとしているアリウム。 多分、魔力を流しているんだろうけど、全く感じないね。 魔法を使えないと、こう見えるのか。


「 点きませ~ん 」  向こうの端から声がした。


「 もう一度行くわよ 」  「 点きませ~ん 」


「 もう一度行くわよ 」  「 点きませ~ん 」


「 もう一度行くわよ 」  「 点きませ~ん 」



これ、何時まで見ていればいいんだ?



|||||



「 だから、無理だと申し上げたのです。大体・・・・・・ 」


待機していた人の中で、1番派手な服がアリウムに何か言ってる。 こいつのドヤ顔が気に入らん、アリウムは顔色が悪いのに。


繰り返す度に、顔色が徐々に青白くなっていったアリウム。 こいつは、だんだん上機嫌になっていった。

全く気に入らん、奴がイケメンなのは関係無い。


用意されている100mの棒は、5mほどが20本繋がっているようだ。 メイドさんが普段使っているのは、最長で10mを越えると聞いている。


最低でも10m、2本ほどは届くはず。 



まだ、言い争ってる2人は放置で良いだろ。 正確には、派手男が一方的に喋っているんだが。



近くに居たエルフに、端で用意されていた灯具を、持って来て欲しいと伝える。 勝手に検証を始めよう。 ダメ出しとお叱りでは、開発は進まない。


灯具は点いた。 灯具に問題無し。



1本目と2本目の接合部で試す、点いた。 2本目と3本目の接合部で試すと、点かない。 棒の材質か、接合不良か。


1本目と2本目の、接合部を確認。 強度を見ようと、棒を持ち上げたら接合部で取れた、弱すぎる。 断面を見ると、綺麗ですな。 こりゃダメだ、表面だけ溶かしてくっ付けたな。


「 何をやっているんだ! せっかく準備したのに! 」 


派手男が、ターゲットを私に変えたらしい。 怒鳴ってるけど、勝手に言わせておく。

無視だ無視。



「 アリウム様、ここで、これを溶かせるような、熱源を用意出来ますか 」


「 部屋に在るわ、用意させるけど? 」


「 お願いします。 あと桶に水を、要らない布もいくらか、ヤスリもお願いします 」



|||||



用意が整うまで、3本目、4本目と接合強度を確認していく。 弱い、断面も同じ。

全部、同じ工法で作業してるな、となると、全部弱いと見た方が良さそうだ。


パキパキ折っていく、アリウムがおろおろ、派手男がガミガミ、私は無視無視。

折った棒で、灯具を点灯する。 材質は、全部問題無い。 接合不良で確定かな。


熱源が届いたんで、棒の先端の断面を炙る、2本同時に。 棒は濡らした布で持っている、熱伝導率が判らないから、念のための火傷防止だ。 暇つぶしに、炙りながら熱源を魔道具鑑定してみる。


コンロ:発熱 


それだけかい!



「 台所で使うコンロと同じ物よ 」


アリウムが教えてくれる。 うん、知ってる。 



コンロ用の火で溶けるのか、融点低そうだ、鉛並みか?

布から水蒸気が上がり始める、まだ大丈夫だ。 ラナはオロオロしてるけど。


しばし炙って、断面が変形し始めたんで、板の上で炙った面を軽く押しつける。 固定して冷えるのを待つ。 力を抜いても、接合部は変形しなくなったんで、手を離して先端に移動、灯具を用意して待つ。


アイコンタクトが利かない! アリウムは動かない!  替わりにラナが動いてくれた。


「 点けま~す 」


そりゃ点くよね。 あと、18回繰り返すのか、ちと面倒だな。

昼飯が、遅くなりそうだ。

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