day 11-2 灯具にスイッチを付けよう、表向きはね
初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。 ※投稿方法を勘違いしていましたので、修正しました。
・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 何とか出所してドクターと看護婦さんに再会。 遅れて、救急隊員の1人も合流。 最後の1人は犯罪者になった。 技術が無いと何も出来ないと判明、魔道具師にコンタクトを取った。
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「 魔道具は、それなりに高価なの。 本当なら、簡単には見せられないのよ 」
なるほど。
「 私は、魔道具を自分で作っているの。 だから、その分については見せてあげるわ 」
なるほど、王族がそれなりにって言うほど、魔道具は高価だと。
予想はしていたが、いきなり武器になる魔道具の入手は難しそうだ。 金とコネが必要だな。
コネは後で考えるにしても、お金。 どうやって集めようか。
ただ今、絶賛無職なのだが。
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アリウムの魔道具部屋は、リビング?の奥にあった。 私の部屋より広い。 ある1面の壁には材料が、別の壁には作品が飾ってある。 中央の作業台には、懐中魔石灯か、ちと大きいけど。
「 ああ、それね。 あなたの提案を採用することにしたの 」
ほー。
「 王座の照明に使うらしいわよ 」
ほー、なるほど。 これは使えそうじゃないか?
「 周りの照明は、そのままですか? 多少でも暗くすれば、効果倍増ですよ 」
オマケを付けたら、買ってくれるか?
「 ん~、そうでしょうけど、謁見中に点けたり消したりは、無理よ? 」
アリウムは、例の棒でオンオフすることを、想像したのだろう。 ならば、だ。
「 ここに、魔力を通し易い金属は在りますか? 出来れば、細い方が良いのですが 」
壁の素材置き場から、金属?の棒を持って来た。
「 はい。 これは、メイドが使っている物と同じ素材よ。 あれより細いと思うわ 」
直径5mm位の棒か、長さは2mほど。 真ん中を持つと、両端が大きくしなった。
先端を、床に置いた灯りの魔道具につけて、棒の先端を持って離れた場所から点灯する。 遠隔操作を、発動しないように注意。 これで、気が付くかな。
「 メイドが、いつもやっているわよね。 でも、それでは曲がってしまって、高い所は届かないわよ? 」
「 継ぎ足せば良いでしょ、10mでも20mでも。 それを、天井から壁へ伝わせれば? 」
ん、どう?
「 壁の裏なら、どうとでも固定できるし、固定できるなら曲がらない。 最後だけ壁から出しておけば、 『 目立たないで、謁見中でも操作出来るわね! 』 、ですね。 魔石への魔力の補充も、格段にやり易くなります 」
「 ・・・・・・ 」
おい、どした。 今なら、割引も付いてくるぞ。
「 勇者の出てくる、おとぎ話を知ってる? こちらの世界のよ 」
「 存じ上げませんが? 」
図書室には無かったぞ。
「 勇者のおとぎ話にね、『 家に帰った勇者が壁に触れると、家中の灯りが点いて勇者を迎えた 』 って書かれている所が在るの! 」
へ~。
「 他にも、1年中快適な温度に出来るのよ、家の中全部よ! 魔石も消費しないの! 」
へ~、セントラルヒーティングかな。 電気だから、魔石使わないね。 むしろ、魔石が無いし。
「 あなたの案が実現できれば、きっと凄いことになるわ! 」
無理じゃ無いかな。 一軒家なら出来ても、お城全部は無理だと思う。
それに、おとぎ話って言っているけど、前に来た召喚者で決定だな。
それよりだ、アリウムの手首をつかんで引き留める、どこ行くんだ。
今だけの特典が在るんだよ。。
「 今の灯りは、点灯か消灯だけですよね。 ちょっと暗くとか出来ないんですか? 」
「 明るさは、魔石と魔法陣で決まるのよ、そんなのは出来ないわ~~~ 」
出来るよね。 目の前で、灯具の明るさを徐々に暗くしていく。 随分大きく開く口だな、閉じないと涎が垂れるぞ。
「 あなた、どうやってるの! 」
おじさんの肩を掴んでガクガクするな、これ流行しているのか。
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「 つまり、波乱さんの技術なのね」
やっと名前で呼んでもらえたよ。
「 ええ、そうです。 これを魔法陣に書き込めれば、明るさを調整出来るでしょうね 」
「 明るく、暗く、凄いわね。 次は、どうやって魔法陣に書き込むか、よね 」
「 そこはアリウム様の、お力添えを頂ければ 」
何mまで魔力が届くか、分岐は可能か、操作に必要な魔力は変わるのか。 一応確認する事を提案。 承認された。
できれば、棒の太さで魔力抵抗が変化するか、確認もしたい。 明日までに、素材を用意してくれるそうだ。
金属の組成? 興味無し。 明るさの調整は、後日魔方陣を検討する事になった。
「 実用化には、最低でも50m、出来れば100mは繋げたいですね 」
「 長過ぎる気がしますが? 部屋でしたら、数10mで十分でしょう 」
そう、部屋ならね。
「 まず、廊下の灯りで試します。 全部繋げて、一斉に消すと真っ暗ですから。 幾つかに分けて、操作出来る様にしたいですね 」
「 今は、2つか3つ残して、残りは消してるわね 」
「 付けておく灯りと、消す灯りを分けます。 1つの階で上手くいけば、全ての階を繋げたいですね。 最終的に、全館の廊下の灯りを、1箇所で全て操作出来ればと 」
「 凄いわね。 それが出来れば、専売権が取れそう。 利益も期待出来るわ 」
お金は大事だよね。
「 メイドさんが楽になります、空いた時間で他の作業が出来ますし。 あと、非常時は一斉に明るく出来ますから、安心ですよね」
「 そう、メイドのためにね。 好きなの? メイド? 」
そうじゃ無い、通報とジト目は止めてくれ。
「 無駄が嫌いなんですよ 」
これが採用されれば、色々出来る。 アイディア料が取れるか不明だが。
素材を買い占めて儲けたいが、元手が無い。 ここは、アリウムに儲けさせて、コネを創っておくべき。
図書室の灯具に、盗聴用の風魔法が在ったのは見せてもらった。 同じ事が出来れば、灯具ネットワークで、城内の盗聴ネットワークを構築出来る。 今は無理だが、そのうち出来る様になれば、利用させてもらう。
情報戦だよ、情報戦。
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メイドさんが、お茶を運んできた。 どうやら、客として認められたらしい。 いつの間にか、膝の上に居たラナが、最初にお菓子を食べてる。 毒見役だから問題無い、と説明しておく。
「 アリウム、奴隷の首輪を用意して頂けませんか 」
「 あら、奴隷が欲しいのかしら。 私が用意致しましょうか 」
「 いえいえ、奴隷は要りません。 何故はめた人しか外せないのか、機能を調べたいんです 」
「 それは、当然でしょう。 誰でも解除出来たら、奴隷の首輪にならないじゃない 」
「 そうですかね。 出来ない事に挑戦する、面白いと思いませんか? 」
「 いいわ。 1つか2つ用意しておきましょう 」
「 ありがとうございます、アリウム様 」
「 アリウムと呼んで下さい 」
「 ・・・・・・ 」
嫌な予感がする。 あとから不敬罪で投獄とか、無いよね。
「 アリウムと呼んでくれる 」
「 了解。 アリウム 」
気が付かれた点など在りましたら、読後の感想と評価をお願いします。