表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/192

会議は仕事じゃない、もちろん踊ったりもしない

舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。

色々あったディスタンドへの道中でラナに再会した。 白川さんの予言では、俺とラナが世界をどうにかしなくちゃならないらしい。 魔素が減少すると、魔物だけじゃ無くて人族やエルフ族なんかの命も奪う事が判った。


|||||


衛士に案内された城の会議室には、女王やお偉いさんが着席してた。

んで、会議室には全体的にヨレッとした感じが漂ってる。

俺達は遅刻してはいない、つまり来る前から会議していたんだろう。


女王に手招きされたんで、女王の隣の席に向かって歩く。

最近は、いつもラナと腕を組んで歩いてるんだが今は違う。

一応公式の場だから、ラナを右手でエスコートしてる、俺は左利きだからな。

利き手は開けておかないと。


今もラナはメイド服を着ているんだが、服装はコレで良いんだと。

勇者ラナの正式な正装? 戦闘服? は、メイド服なんだと。


それにしても、お偉いさん達は疲れ過ぎてる。

おまけに、女王の隣には席が1つしか用意されてないし。

椅子を引いてラナを座らせる、俺は・・・


「 波乱様、こちらへ 」


ラナの前に座るのか、フトモモに挟まれるんだな、なるほど。



「 では波乱様、説明をお願いします 」


「 了解した 」


女王に言われたんで、大きく腕を振ってモニタを起動する。

会議室の円卓、その中央の空間にソルが表示される。

会議室は色々改造しておいたからな。


「「「 !!! 」」」


お偉いさん達が驚いてる、効果は抜群だ。

ちなみに、モニタは俺の魔道具操作のスキルで操作してるんで、腕を振る必要はまったく無い。

モニタのオンオフするのにいちいち手を降るのはムダだ、ショーとしては在りなんだが。


「 これが君たちの住んでいる惑星、ソルだ。 ソルには3つの大陸があり、ディスタンドが在るのは一番大きな大陸になる 」


ユックリ自転するソル、その中で一番大きな大陸を指さす。


「 ディスタンドの王都は、大陸のココに 『 お待ち下さい 』 」 なに?


話を遮ったのは、白い服を着たデブなオッサン、人族っぽいな。

服装からして神殿関係者か。

白川さんが祭られてる神殿の服装は袴だったから、おっさんの神殿はそれとは別だろう。


「 これは何なのですかな? 」


モニタに表示されてるソルを指差しながら訊いてくる。


「 ソルの立体映像だな 」


「 ソルとは何なのですかな? 」


「 この惑星の名前だな 」


「 それは誰がお決めになられたのですかな? 」


誰って俺もそれは知らない、記録にソルだって記載されてただけだし。


「 何を言いたいのか判らん。 質問はその意図と目的を明確にしてから、発言してくれ 」


飲み物はコーヒーで、ラナはジュースで良いのかな?

お偉いさん達だけの会議の様だが、メイドさんズは平気で入り込んでる。

神官のおっさんが何か言ってるな。


「 ・・・世の危機だからと訊いて駆けつけてみれば、この様な世迷い言を! この世は平らだと、神が仰ったのですぞ! 」 


まだ喋ってたのか、なんか真っ赤になってるな。


「 いかにも! 私の研究でも、この地を中心にして・・・ 」


別のお兄ちゃんが立ち上がって、何やら話し始めた。

まぁ、あれだ。


「 天動説な。 それで他には? まだ何か言いたいことが在るのか? 」


神官と兄ちゃんを順番に見る。


「 なければ座ってくれ、説明の邪魔だ 」


ラナのフトモモをポンポンする。

さっきまで真っ赤になってた2人が、今は真っ青になってる。

多分ラナが何かしてる。



おっさんは神官じゃ無くてなんちゃら教の教皇様で、兄ちゃんは城のなんとかの学者先生だと。

2人ともまだ何か言いたそうで、立ったままだ。

面倒なんで2人とも退出頂いた、メイドさんズが廊下へ叩きだしてた。


教皇様には、白川さんと河原君を復活させて欲しいってお願いしておいた。

神とお話が出来るそうだから、やってもらおうかなってね。

だってな~、『 そう決めた 』 って神から聞いたらしいし。


教皇様を邪魔するやつは、バッサリやって良いよって許可しておいた。

2人を復活出来るまで、神殿への出入りも禁止したから邪魔は入らないはずだ。

時間はタップリ差し上げたから、是非とも目標を達成して欲しい。


教皇や神官の食べる物?

なんでも、清貧を良しとして、人々に施しと安寧を与える宗教らしい。

食事も家庭菜園と僅かな(・・・)喜捨で賄ってるらしいしから、大丈夫だろ。


学者先生? 知らん。


|||||


「 では、早ければ20ヶ月後には私達もああなる(・・・・)と? 」


「 そうですね 」


女王が言ってるのは、昨夜実施した4回目の試験のことだろう。

魔素が無くなれば命もなくなる、そういうことだ。

たぶん例外は無い。


「 それと無魔素エリアですか? 」


「 仮称だけどね 」


無魔素エリア。

センサーが偶然捕らえたのは、魔素が0に近い値を示した空間の存在だった。

最初はセンサーの故障だと思ったんだが、似たような数値が幾つかのセンサーで観測された。

実際に0になってるのか、ほんの少し残っているのか現状では判らない。

少なくとも、センサーの測定可能な下限値より少ないことは確実だ。


最新のシミュレートの数値が、その存在を裏付けした。

何らかの要因が重なると、局所的に発生するようだ。


「 魔素は濃い方から薄い方へ移動する性質がある。 本来なら、薄くはなっても無くなることは在りえない。 あるとしたら・・・・・・  」


コーヒーが届いた、ミルクと砂糖はラナが入れてくれる。


「 あるとしたら? 」


「 魔素が足りなくなってる 」


ソルの画像に測定した魔素の流れを表示する、シミュレートに基ずく推定値も合わせてだ。


「 矢印は魔素の流れる方向を、大きさは量を表してる。 見た通りだ 」


ディスタンドと、ディスタンドに隣接するスリスターとミラー国はまだもってる。

無魔素エリアの発生は限定的だ、その他の国は?


「 かなり出ているのですね? 」


無魔素エリアは、数mから10数mの大きさで、数秒から数分継続するとの推測値だ。

今はそれで済んでるけど、だんだん酷くなるのは判ってる。

より大きく、より長く持続するようになっていくだろう。


「 ですね。 それで、どうしましょうかね女王様 」


一通りの説明は終わった。

俺としては女王サイドから、グッドなアイディアを出して欲しいところだ。


|||||


「 ダンジョンを潰しましょう! それしか在りません! 」


誰も何も言わないんで、俺もラナも黙ってお茶してた。

俺が飲んでるのはコーヒーで、ラナはジュースだけど。


発言はシッカリ許可を取ってからだ、一応女王様もいる公式な会議だし。


「 その案を支持します 」


ダンジョンに移住するっていう手も在るが、全員が入れるわけじゃない。

入るだけなら可能だろうけど、食料と水が間違い無く不足する。

他の惑星や、異次元の世界に避難するのは無理だ、エネルギーも技術力も足りない。


女王が結論を出すまで随分時間が掛かったが、他に選択肢は無い。


「 ただ、2つ問題があります 」


「 問題ですかな? 」


女王の隣の爺ちゃんだ、ラナに訊いたら宰相なんだと。


「 まず1つ、何処にどの規模のダンジョンが、いくつあるのか把握していますかね? 」


「 大ダンジョンは、3つですな 」

「 いや、最近出来たのもありますからな、4つでしょう 」

「 小ダンジョンは無数にありますな 」


参加者が一斉に喋りだした。

ハイエルフの最近(・・)ってのは信用しちゃいけない、マリアさんの最近は100年単位だったし。


「 で? 」


急に黙りやがった。 結局誰も把握していないらしい。

あとで、地図とにらめっこして調べるらしいが、大丈夫かね。

ダンジョンに合わせて、手持ちの戦力を割り振らなくちゃいけないから、スゲー重要なんだが。


「 それで2つ目、他の大陸はどうすんの? 」


今度こそ、ホントに、全員黙りやがった。


誤字脱字の報告、読後の感想などお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ