調査の準備
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
色々あったディスタンドへの道中でラナに再会した。 白川さんの予言では、俺とラナが世界をどうにかしなくちゃならないらしい。 女王に依頼していた調査が終わったらしい。
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マライア姉さんは、5氏族の代表の1人としてメイドさんズに参加してる。
そんな姉さんの朝は早くない、俺がユックリしてるからな。
一緒に朝食を食べてからメイド服に着替え、家の外にある待機所に移動していく。
待機所は、俺をお迎えに来たメイドさんズが待ってる場所、屋根はあるから雨でも大丈夫だんだが。
『 部屋の中で待てばいいのに 』 って言ったら、メイド業界にもルールがあるんだと。
プチ女子会でもやってるんだろう、多分。
「 毎日ありがとう、世話掛けるね 」
俺は10才だし、通算年齢ではそれなりだし、大抵のことは自分で出来る。
それでも、家の中ではラナが面倒を見てくれる。
「 波乱様のお世話をするのは、私の生きがいです 」
ニコニコしながら、俺の支度をしてる。
この家に引っ越してきた時、ラナが言ってた。
『 孫の家に行くとお客様扱いになって、ユックリ出来ないんです 』
何でも、ひ孫から後に生まれた子孫の家に行くと、おばあちゃん扱いされるんだと。
ついでに神話級の勇者なんで、恐れ多いって何もさせてくれないそうだ。
神話級のばあちゃんが家に来たら、俺でもそうするけどな。
ラナが優秀なメイドかは判らないが、細かな所まで気が付く娘だって感じてる。
子供とも孫とも決定的に離れてるんだし、お世話したくてもできないんだし、ストレスかな?
俺の世話をすることで、ラナのストレスが減るんだったらそれも在りだ。
「 お待たせ。 出勤しようか 」
「「「 はい、波乱様、ラナ様 」」」
ラナと腕を組んで出勤する、最近はメイドさんズも全員シールド装備だ。
初代メイドさんズと違って、今のメイドさんスの戦闘力は低い。
王都の大掃除は済んでるらしいけど、ちょこちょこ何かあるらしい。
俺達を狙ってくる奴がどこでどうなろうと、俺は知らん。
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「 こちらが調査結果になります 」
施設の自室で、女王から資料を受け取る。
かなり分厚いけど、3000人の1ヶ月ぶんならこんなもんか。
「 それで・・・・・・ここ100年の間に、人族が減っているのは御存じですか? 」
「 知っているわ。 でも、不審な点は無かったと聞いているわよ? 」
「 そうですね。 おかしな所は在りません、かなり減ってはいますけどね 」
元の世界じゃ、住人全てが後期高齢者の限界集落では、人口が30年で60%減るって言う試算があった。
30年後には殆どの住人が100歳近いから、墓に入ってる可能性が方が高い。
60%減っても、むしろそれが当たり前だ。
それに比べれば、100年間で30%減っても別に変ではない。
「 ご協力ありがとうございました。 早速、データの解析を始めます 」
人口が減ってもおかしくは無いんだが。
「 ラナ。 人族が減ってることに、女王は関係してると思うか? 」
「 波乱様。 女王様は無関係だと思います 」 そうだよな。
「 俺もそう思う 」
王城を出て神殿に在るエレベータに乗る、神殿は今日も参拝客で賑わってる。
あの女王は悪い奴ではないと思う、少々天然のドジだけど悪い奴ではないだろう。
「 とりあえず注意はしておいてくれるか? 女王の取り巻きがやってる可能性も在るから 」
「 はい、波乱様 」
ラナは元工作員だからな、こういう事は任せておけば大丈夫だ。
受け取った資料を光学読み取り機で入力、早速解析してみた。
「 さっぱり判らんな 」
してみたんだが、さっぱりだ。
「 地形は無視していい。 ソルの引力を考慮して再演算、恒星シオの引力も考慮しろ 」
『 再演算が完了しました 』
モニタに表示されてる魔素の流れは、少しだけ変わったような、変わらないような?
「 若干マシになったか? 」
「 波乱様、変わらないような気がします 」
ラナの突ツッコミが入る。
データーの量が少ないのが原因だ、俺は悪くない。
「 だよな。 ソルの時点と公転も考慮して再演算 」
『 再演算が完了しました 』
全く変化無しだな、魔素に影響を与えそうなファクターが思いつかない。
さてどうしよう。
「 波乱様。 王都とダンジョンに、魔素が流れているように見えます 」
「 そうだな、王都には施設の魔素収集装置が在るから。 でだ。 ラナはダンジョンが何か所あるか知ってる? 」
「 小さい物も含めれば、数百でしょうか? 正確には判りません。 誰も数えた事がないと思います 」
「 他の大陸にもありそうだしな。 て調べる方法を考えないと 」
「 そうですね、波乱様。 でもその前に、お昼ご飯にしましょう 」
ラナの顔を見る、んで時計をみる。
「 もうそんな時間か 」 11:46分を過ぎてる。
「 そうだな。 後はお昼を食べてから考えよう 」
ダンジョンが在るのはこの大陸だけじゃないだろうし、他の大陸の魔素も調べる必要がある。
んでも、直接調査員を送るのは無しだ。
どんな魔物がいるのか判ったもんじゃないし、全部を調べるのは時間が掛かり過ぎる。
結局、施設の記録されてるプローブを1/10に小型化して、エネルギー源を魔石に変更した新型を設計した。
大きさは1/10だが体積は1/100位だ。
性能がガタ落ちで、そのままじゃ探知範囲も送信範囲も狭いんで、俺の技術で改造した。
稼働時間が短くなって想定では約1週間だが、まぁ大丈夫だろう。
山ほどあるゴブリンの魔石を利用するんで、魔石が不足する心配はない。
主な材料は都市鉱山から採掘して再利用するんで、資材にも問題無い。
問題は必要な数だ。
2500kmに付1台で、約3000台のプローブが必要だ。
「 大陸は2つあるから5000台か、予備も含めると6000台は必要だな。 それを全部俺が改造するのか。 何日掛かるんだ? 」
「 波乱様、私もお手伝いします 」
「 そうだな、頼む 」
やる前から心が折れそうだ、時々ラナに癒してもらうとしよう。
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