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調査と相談

舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。

色々あったディスタンドへの道中でラナに再会した。 白川さんの予言では、俺とラナが世界をどうにかしなくちゃならないらしい。 


|||||


指令室の6客の椅子に座っている5人のメイドさんズ、5氏族から派遣されてきた5人だ。

マライア姉さんも居たりする。

各人が通信管理、衛星管理、衛星監視所管理、エネルギー管理、施設管理を担当してもらってるオペレータだ。

残りの1ヵ所は防衛施設の管理用で、今は誰も座っていない。


ちなみに通信管理なんだが、ここと直接通信できる所はそれほどない。

ここと通信できる通信機を持ってるのは、俺とラナとクロエさん、アリアさんの家と5氏族の本家。

後は女王様の個人持ちの1台で、合計10か所だ。


ここに居るメイドさんズも通信機を持ってるけど、ここに居るから直接話した方が早い。

んじゃ、なんでコンソールの前で待機してるのかって話なんだが、そうしないと1人だけ仲間外れになるから。

1人だけ仕事が無いと、泣きそうになるんだもの。



コーヒーを一口飲んで気分転換、指揮官席のパネルを操作して昨日仕込んでおいたシミュレーションの結果を見る。

指揮官席に表示されるシミュレーションの結果は、想像以上に最低だ。


「 19062Cか。 意味が無い数字だな 」 ため息も出やしない。


25mmの魔石で、魔素融合反応を発生させるために必要な速度をシミュレートしてみた。

結果は光速の19062倍、通常空間でだ。

計算は間違っていないし数学的にはこれが正解らしい、現実世界では全く意味が無いんだが。

現実では意味のない数字が正解だそうで、だから俺は数学が嫌いだ。


「 波乱様? 」


うなだれた俺を見たラナが、心配そうな顔で覗き込んで来た。

ラナは今日もカワイイな。


「 大丈夫だ、問題無い 」


「 これは、何のシミュレーションなのですか? 」


「 ちょっと武器を作っておこうと思ってね。 作れそうもないから、やり直しだけど 」


「 波乱様は私が御守りします、武器は必要ありません 」


「 ありがとうラナ。 これは防衛用じゃなくて、争いを無くすためのものだから 」


覗き込んだ姿勢のまま止まってるラナの頭を撫でる。

良く判っていないみたいだけど、やっておいた方が良さそうだしな。

んなことしてる間も、コンソールに付いてるメイドさん達が衛星転移の手順を進めてくれてる。

もう8回目だから慣れたもんだ。



『 8号機の転移まで 3・2・1・エンゲージ。 転移魔法陣から衛星の消失を確認 』


衛星監視所管理の担当メイドさんが報告する。

レフトモニターに映ってた衛星が消えた、モニターは衛星管理所の映像だ。


「 衛星1号機と7号機から映像が入りました。 8号機が視認できます 」


衛星管理を担当してるメイドさんが報告してくれる。

メインモニターには、ソルをバックにした8号機が写ってる。

外観上に破損は見られない。


「 見た感じ、異常は無さそうだな。 軌道へ投入しろ 」


『 軌道変更を開始、スラスター始動します 』


衛星のコントロールはAI任せで見てるだけ、手動でコントロールなんか出来ないし。

んで、1号機と6~8は静止軌道、2~5号機はソルの周回軌道に投入してある。

2~5号機は地上監視用専用、残りは、まぁあれだ。



『 衛星8号機、予定された軌道に投入完了しました 』


「 全衛星の軌道を最終確認、衛星ネットワークを起動、観測を開始しろ 」


『 軌道の確認完了、誤差は許容範囲内です。 観測を開始します 』



衛星監視所の存在を確認してから3ヶ月が過ぎた。

テシ山のゴーレムから回収した魔星の欠片を使用して、魔素炉を作成、衛星監視所に設置した。

再稼働にも成功、もろもろのセキュリティは俺が解除した、魔道具改造があるから楽なもんだ。


衛星監視所は、クロエさんと一緒にやって来た黒エルフ達に管理を任せた。

クロエさんは出発から1ヶ月と少しで戻ってきて、長老を含んだ200人位の黒エルフを連れて来た。


「 衛星監視所の管理を任せたいんだが、受けてもらえるか? 女王には許可をとってあるから、ディスタンドからも援助は在る 」


「 お任せください。 施設を中心にして村を作り、守り抜いてみせましょう! 」


「 んじゃ、よろしく 」


ってことで、黒エルフの長老に、金貨と10台の作業用ゴーレムを付けて送り出した。

ゴーレムは魔素が無くなると衛星監視所に戻って補充するタイプで、土木作業や建築、村の防衛にも使えるマルチ仕様。

施設経由からデータを送って、アップデート出来るから本当にマルチだ。 


金貨は、施設で造った魔道具を売ってるから充分にある。

今は手に入る魔石が小型化してるんで、昔に設計した魔道具はそのままじゃ使えない。

魔石の取り付け部を交換しても、魔石の出力が足りなくて動作しない。

新しく売り出してる魔道具は、出力を俺のスキルで改造した新型だ。

順調に、って言うか爆売れしてるんで、金貨には困ってない。



村の運営は順調で、黒エルフもそれ以外の人種も少しづつ増えてるらしい。

王都の中では小さなトラブルも在るらしいけど、大事にはなっていないって訊いてる。

女王も繰り返し御触れを出してるし、後は時間が解決してくれるだろうって感じだな。

長年にわたる誤解はユックリ時間を掛けて解決しないと、シコリが残るし。


「 波乱様、そろそろ定時です 」


「 よし。 今日はこれまでにしよう、全員片づけを始めて 」


ここの勤務時間は09:00~16:00、昼飯とおやつの時間も在るから実働時間は4時間~5時間。

日によって違ってるのは、気分次第ってことで。


「「「 はい、波乱様 」」」


各コンソールに、魔力パターンでロックを掛けていくメイドさんズ。

おやつやコップを手際よく回収して、壁際のサーブワゴンに収納して退出していく。

最後にラナが、部屋の扉に魔力パターンでロックを掛けて完了だ。


エレベータに向かって歩いて行く。

食堂区では、女王が手配してくれたメイドさん達が帰り支度を済ませて待っていた。

彼女たちの仕事はデータ入力、過去に作られた住民票や財務記録を入力している。


光学読み取り装置を使ってるから、彼女たちの仕事はページをめくるだけ。

単純作業だが量が多い、まだまだ時間が掛かるな。


「 お待たせ、帰ろうか 」


2列になって廊下を進んでいくメイドさん達、最後尾はラナ、俺はその前、俺の前には5氏族のメイドさん。

この人数だと一回じゃ乗り切れないんでエレベータは3往復だ。



最初の衛星を打ち上げて判ったんだが、現在のソルの地形は過去のデータと違ってた。

数千年経過してるから、当たり前と言えば当たり前なんだが。

昔のデータは役に立たないんで、再調査することにした。


最初の1機に3機を追加して、4機を周回軌道に投入、ソルのマップを作成した。

光学観測で、ソルには3つの大陸があることが判った。

俺達が居るのは一番大きな大陸で仮称A大陸、A大陸の2/3の大きさのB大陸、ほぼ1/2のC大陸。

あとは小さな島や諸島だな。


各大陸で、街や城壁の”跡”は何カ所か在ったが、”活きてる” 街は見つかっていない。

地下に潜ったか洞窟に隠れているか、その辺は詳細に調査しないと判らんが。


他の大陸に活きた街が見つからないと、最盛期60億を超えた人口が激減したことになる。

人類として、最小存続可能個体数より減ってる可能性も考慮しないと。

人口が多いように見えるけど、人族とエルフ族と獣人が混ざってる。

個別に数えたら、そんなに余裕はないと思うんだよ。


白川さんの予言は、このことだったのか?

多産を推奨するとか、クローンとか考えないとダメだろうか。

それとも・・・・・・。


「 ラナ。 なにをしてるんだ? 」


気が付くと、ラナが俺の頬をフニフニしていた。

階段の段差を利用してるところが、なにげに知能犯だったりする。


「 また、難しい顔をしていました。 そんなに悪い状態なのですか? 」


「 良くはないな 」


「 ・・・・・・ 」


「 そろそろ、止めてくれるか? 」 


無言でフニフニされ続けるとちょっと怖い、おまけに痛いし。

俺とラナが止まってるせいで、神殿の階段が渋滞してるし。


「 お一人で悩む必要はありません。 相談して頂ければ、私達がお手伝い致します 」


『 人口が減っちゃったんで、とにかく沢山子供を産んでね 』 って言うの?

何か変だろそれって。


「 波乱様、また胃に穴が開いちゃいますよ? 」


「 よし! 帰ったら、みんなで相談しよう! 」


胃に穴が開くのはノーサンキューだ。


誤字脱字の報告、読後の感想などお待ちしています。

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