のんびり、ゆっくり
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
・色々あったディスタンドへの道中でラナに再会した、停滞場フィールドで寿命を延ばしていたらしい。 白川さんと河原君のメッセージを皆で鑑賞した。
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「 あなたは、伝説の通りの方ですね 」
女王が俺を見て呆れてるんだが、俺は女王に何もしていないと思う。
ここは女王様が施設内に確保している部屋、レベル9用の部屋の中。
2人の遺した記録を見終わったんで解散して、俺とラナとクロエさん、あと女王の4人だけで白川さんの予言を見た。
「 どんな伝説なのか気になりますが、幼女好きってのは誤解ですから。 それと、暴れまくったってのも嘘ですからね? 黒エルフも騙していないですし、真面目に生きてましたし 」
「 ・・・・・・そう言うところですよ? 」
「 理屈っぽかったですかね? 」 少しだけ反省しよう。
「 女王の扱いが雑であると聞いています。 神官を敬う気持ちも、全く無かったとも聞いています 」
「 そうですかね? 」
俺は女王の正面のソファーで、ふんぞり返って座ってる。
ソファが大き過ぎて、背もたれに寄り掛かろうとすると靴でソファを汚しちゃうんだよ。
靴を脱いで座ればいいんだがそれはやりたくない、子供じゃないんだから。
良いんだよ、女王に対してはこの程度の対応で。
「 それで、世界を滅ぼすと言う異変については、心当たりがあるのですか? 」
「 気になったことは幾つかありますが、それで世界がどうこうってのはハッキリしません 」
ラナとクロエさんが、俺の背中に手を回してきて俺の上体を起こした。
2人を見ると、ラナは優しく微笑んでるけどクロエさんは笑顔が引きつってる。
ちゃんとしなさいって事なんだろうけど、女王に対してはこの程度の対応で良いのに。
「 1つは魔素の減少ですね? 」
「 そうですね 」
この女王はバカではないらしい、ちょっとだけ安心した。
「 ・・・・・・それで? 」
「 そうですね。 あと2つほど気になることが在りますが、それは調べてみないとハッキリとは申し上げられません 」
テーブルのコーヒーに手を伸ばしたんだが、ブラックだ。
ラナ、砂糖とミルクを入れてくれ、俺じゃ手が届かない、砂糖もミルクも少しで良い。
「 ・・・・・・ 」
「 ありがとう、ラナ 」
苦く感じるのは子供舌のせいだろう、次からはもう少しミルクを増やしてもいいかも。
砂糖はこれ位でちょうど良い。
「 ・・・・・・それで? 」
「 そうですね。 しばらくここに留まって、調べてみようと考えてます 」
「 ・・・・・・では、滞在許可を出しましょう 」
「 そうですね 」
何か女王がプルプルし始めたな、そろそろ失礼して部屋に帰ることにしよう。
コーヒーが飲みかけだけど、部屋でも飲めるしな。
「 おじい様!! 」
「 おじい様!? 」
「 そうです! おじい様! ホントに伝説の通りの方なのですね! せっかくお会いできたのに、冷たすぎると思います!! 」
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俺はソファに立ち上がって女王様の頭を撫でている、もちろん靴は脱いだ。
いい歳して泣き止まないんだもの、女王様。
「 ラナ。 この女王は、俺とアリウムの子孫てことで間違いない? 」
「 はい、波乱様 」
アリウムは廃嫡になったはずなんだが、色んな魔道具を開発した功績で返り咲き、結局女王になったんだと。
んで、この女王はその子孫と。
「 で、俺のことはなんて聞いてるの? 」
「 幼女好きで、果物好きで、コーヒーも好き。 いつもタバコを吸っていて・・・ 」
女王が泣きながら答えてくれた、侍女さんが居ないんで顔が色々と残念なことになってる。
「 ・・・骨は弱くてすぐに骨折するし、熱を出してばかりいる、幼子のようだと 」
俺についての残念な伝説が伝わっているようだ。
「 剣も槍も使えず、持つことさえ出来ないと 」
「 それは正しいな、剣は重くて持てなかった。 で、俺が病気だったことは聞いて無い? 」
「 早くに亡くなったと伺っておりますが、6人のお子を成したのですから 」
ひょっとして、ハーレムのせいで早死にしたって伝わってるのか?
「 色々と間違った情報が伝わってるな 」
少しづつでも、改善していかないとな。
でだ、見た目30代のエルフの頭を撫でる10歳って、第三者が見たらどうなんだろ。
「 武芸は下手でも、静かな、強い意志をお持ちだったと。 魔星を落としたのは、おじい様だと聞いております 」
中には正しい情報も在るようで、チョットだけ安心した。
泣き止むまでは頭を撫でててやろう。
翌日の朝。
俺とラナはエレベータを出て白川像の足元まで来てる、クロエさんを見送るためだ。
「 それでは行ってまいります、波乱様、ラナ様 」
「 道中は気を付けてね 」
「 元パーティーメンバーを集めましたので、ご心配なく。 必ず、波乱様の悪名を晴らしてみせます 」
「 それも在るけどね、メインはエルフと黒エルフの確執を取り除く事だからね? 間違えないように。 それと無理もしないように 」
俺とラナの前で跪くクロエさんに、金貨が入った袋を渡す。 道中の旅費だ。
『 俺は黒エルフを騙していない 』 『 黒エルフは裏切り者じゃなかった 』 って事を、黒エルフの族長たちに伝えに行きたいってのは、クロエさんが言い出したことだ。
俺の事はどうでもいいんだが、黒エルフは裏切り者って風評は何とかしたい。
何やら、世界が危険が危ない事になりそうなんで、お手伝いの人数は多いと助かる。
出来ればラナと一緒に護衛をして欲しかったんだが、本人の強い希望で行くことになった。
んでも、「 言葉だけじゃ誰も信じてくれないだろう 」って話になった。
んで、キューブに当時の女王様のお言葉、今の女王のお言葉を記録して、クロエさんに持たせることに。
女王のお言葉は、『 今後ディスタンドで、黒エルフを迫害することを禁じますから 』って内容になってる、女王が身分を保証するってことだな。
ラナが追加で何か記録してたけど、記録する時クロエさんの顔色が青くなってた。
『 波乱様の悪評は、私が取り除きます 』って言ってたから、何かやらかしてる。
「 それでは行って参ります 」
「 気を付けてね 」
ラナと手を振ってお見送り、パーティーが神殿を出発していった。
この後、神殿長とパネルを設置する場所を調整してたら、女王様も欲しいって言ってきた。
パネルは固定式なんで無線タイプをプレゼントする、って言ったらスゲー喜んだ。
まるで子供だな。
「 世界の危機だってさ 」
「 どうしましょう、波乱様 」
「 ぼちぼち、やってくよ。 明日滅びるって訳じゃなさそうだし 」
「 では? 」
「 今日は映画でも見て過ごそうか? パネルの設置は、夜にならないと出来ないし 」
夜になったらゴーレムに工事を命令すればいい。
昼間、信者がたくさん居る時に、神殿内をゴーレムが動き回ってたら不味そうだ。
今回はまだ時間がある、ユックリ進めるとしよう。
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