モグラ叩かれ
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少歳に召喚され蘇る。 待ち伏せされ戦闘中に鉱山の地下に落ちた、何とか地上に戻ろうとしてるんだが。
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地下に埋まった建物の中を移動して別の出口に到着した、クロエさんがシールドを上げたまま坑道の出口から外を伺う。
「 逃げて! 」
「 ここもか! 」
床の穴を飛び降りて下の階へ移動する、クロエさんが飛び降りると上の階を爆風が通り過ぎる。
穴の下に避難してても頭は土だらけだ、聞こえてきた爆発音は3回。
「 イヤになるほど、正確に待ち伏せてるな 」
「 ここで6回目よ 」
クロエさんのライトソードで天井に穴を開けて上の階へ上がり、廊下を利用して水平方向へ移動してきた。
判りにくい様に動いたつもりなんだが、出口から顔を出すたびに爆発物が降ってくる。
爆発物は大砲用の魔薬のようで、爆発はするが破片は飛んできてはいない。
単純に魔薬を爆発させてるだけみたいなんで、近距離で爆発しない限り致命傷にはならないだろう。
かと言って爆発に近づきたいとは思わないが。
「 なぜこちらの動きがバレるんだ、発信機か? 」 カメラは無さそうだし。
「 ここは地上に近すぎるは、もう少し奥に戻りましょ 」
「 了解 」
3人で来た道を戻る、落ちてる天井や壁を利用して穴を偽装するのも忘れていないから、追跡はそれほど心配してはいない。
落ちた階の1階上で休憩する、一日中動き回ったんで外は夕方だ。
食事休憩なんだが携帯食の残りは2つだ、封を開けて3人分に分ける、2人には多目に俺は少な目に。
「 ほとんどスタート地点に戻ったわけだ。 湿気が無いから下よりは過ごし易いけど 」
別けた携帯食をクロエさんとアベリアに渡そうとしたんだが、クロエさんが受け取らない。
「 リオ! ちゃんと食べなきゃダメよ 」
「 子供の身体が必要とするカロリーは大人より少ないから、これでちょうど良いんだよ 」 無理やり押し付ける。
「 公平に分けてるから食べて。 クロエさんが一番動いてるでしょ、食べないと保たないよ 」
「 そうなの? 」
「 それより、クロエさんに渡してあった分はどうなったの? 」
話の流れを変えて強行突破する、話と一緒に押し付ければ何とかなるもんだ。
急にクロエさんのの目が泳ぎ始める、渡した携帯食を食べ始めたんだが横向いてるし。
「 また食べちゃったんでしょ 」
「 ・・・・・・おやつにちょうど好いのよ。 甘いし 」
「 太るよ 」
クロエさんのお腹を突く、以前よりプニプニしてる気がする。
「 あれで一日分だからね。 おやつに食べたら確実に太るからね 」
クロエさんが携帯食を食べちゃうのはこれが初めてじゃ無い、携帯しておくのが基本だからクロエさんの分も補充しておくんだが、必ず違う物を入れて誤魔化してる。
「 今回は何を入れてあるの? 」
「 ・・・・・・干し肉よ 」
携帯食のかわりにケース一杯の干し肉が出てきた、元々携帯食は小さいから干し肉の量も少なめだ、ちょっと湿ってるし。
「 ほら、落ちた時にね。 ケースに水が入っちゃったの 」
見ずに落ちたのは誰のせいでもないしな、カビが出る前に食べちゃう方が良いだろう。
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「 どうしてこっちの動きが読まれてるか、なんだけど。 クロエさんは何か思い当たらない? 」
「 あるには在るんだけど・・・・・・ 」
クロエさんが言うには、ダンジョンなんかで魔道具を探すための魔道具が在るらしい。
他にも地下に埋まってる者を探す為の魔道具も在るらしい、探知機だな。
「 地面に埋まってるのを探す魔道具ね。 それなら見た事があるわ 」
アベリアは見た事があるらしい、地下に埋まってる物を探す時は魔道具を地面に置いて使うんだと。
「 埋まってる魔道具が判るんだ 」
「 そうそう、ちょうどこんな感じになるのよ 」
俺とクロエさんのシールドベルトの魔道具がうっすら光った、ベルトに引っかけてある魔道具も光ってる。
「 魔道具を使うと、魔法陣がそれに反応して光るそうよ 」
アベリアが実際に使ってるところを見たんで、詳細を教えてもらった。
地面において使うと、魔道具が在るところが平面な板に光の点になって表示されるらしい。
自分を中心にして前後左右どの位離れているかが判るんだと、光の中心と魔道具の中心を重なねるように移動すると、そこに魔道具があるんだと。
もっとも上にあるのか下にあるのかは判らないし、1m下なのか50m下なのかも判らないと。
だから、光の中心まで来たら後はひたすら掘るんだと。
1回使うと魔石の交換が必要になるんで、数分間のインターバルがあるんだとか。
「 捜し物が真下に在るのは判るけど、それ以上は判らなかったわ 」
それほど使えないってのがアベリアの感想なんだが、いくつか同時に使って角度から計算すれば大体の位置は判るハズなんだが。
「 どうするリオ? このままだとここから動けないわ、食料も無いし 」
今でも時々坑道の外で爆発音がする、ここに居るのは判ってるみたいだが積極的には攻めて来てない。
ゴーレムも頑張ってるけど効果が出てるようには見えないし、水は作れるけど食料はもう無い。
敵の狙いは食料不足で弱らせるか事か、あるいは餓死させたいのか。
クロエさんもアベリアもそれが判ってるっぽい、2人の表情が暗い。
「 上がれないなら、潜るしかないね 」
「 潜る? 」
「 そう、潜る 」 敵の手の内が判れば対処は可能だ。
クロエさんのシールドベルトを外す、バックパックから魔道具用の工具袋を取り出す、床に広げたら作業開始だ。
「 何を始めるのリオ? 」
「 良いことだよ 」
一瞬動きを止めたクロエさんが、今度はモジモジし始めた。
『 まだ早いわ~ 』 『 こんな所で~ 』 って言ってる、どうやら妄想の世界へ旅行に出かけてるらしい。
放置で良いだろう。
アベリアは真っ赤な顔で、コッチを睨んでるけど無視だ。
上がろうとすれば頭上から爆弾、敵が持ってるのは精度の悪いアクティブソナー、だったら俺達は潜水艦だな。
偏温層もマスカーも無いけれど、脱出するだけなら何とかなる。
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