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ラジオ体操第1

舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少歳に召喚され蘇る。 ディスタンド国内に入った途端、待ち伏せされ撃退中に地下に落ちた。


|||||


「 やっぱり待ってたわね 」


「 いたね 」 


大き目の石が真上から落ちてきてクロエさんの足元に転がる、どうやら出口の真上にも敵がいるようだ。

出口の先の広場っぽい場所は地上まで続く竪穴だった、そ~っと覗いてみたらアチラコチラから飛翔物が殺到した、石、矢、あと各種魔法なんかも飛んできた。

竪穴の直径はおよそ50mだから正面に、穴の対岸からも魔法が飛んで来てる、上からは石も落とされるし待ち伏せされてたな。


「 なんで居るの? あれだけ損害与えたのに! 」


「 損害受けたから、何としてでも目標を達成したいんじゃない 」


アベリアは俺の背中にくっ付いてる、彼女の分のシールドは無いから俺にくっ付いてる、クロエさんと一緒だとシールドから確実にはみ出す。


「 どうするイオ、切り札いっとく? 」


出口は完全に包囲されてる、んでも敵も坑道とキャットウォークからの攻撃になってるんで陣形は薄い、

一か所に固まっててくれたら楽だったんだが。


「 やめておこう、敵が散らばり過ぎてて効果が薄そうだ。 それより、あいつらがゴーレムにも攻撃してるのが気になるんだけど 」


「 それは判らないわ 」


広場の中央に在ったのは柱じゃ無くてゴーレムだった、座ってる? んで正確には判らないが5mはありそう。

でだ、あのゴーレム見た事があるような無いような。


「 リオ、一回下がろうか 」


「 了解 」


敵が広く広がっていると、貫通力をアップして数が打てない分こちらが不利だ、貫通させてまとめて処理しないと効率が悪い。

このままでは、こちらが先に魔力切れになるんで作戦の立て直しが必要だ。

タイミングを合わせてユックリバック、転んだりしたらシールドが無い部分を見せることになるからな、注意して下がらないと。


「 マリオン君! ゴーレムが動いた! 」


おじさんの嫌な予感が良く当たるのは、呪われてるからじゃない。

経験に基づいて予測を修正するんで、歳をとると経験値が増え予測するときの誤差が小さくなる、それで結果的に予測が当たる可能性が高くなる訳だ。

呪われてるからじゃない。


ゴーレムは腕を上げそのまま魔法を打った。


「 ファイアか? 」


ゴーレムの魔法は対岸のキャットウォークに命中して、魔法を放ってた数人を巻き込んで爆発、閃光と衝撃波が広がる、飛んできた小石と風はシールドで防げたんで俺達に被害は無い。


「 リオ、今のは・・・・・・ 」


「 切り札と同じ100倍タイプだ 」 誰にでも作れるもんじゃ無いんだが。


ゴーレムが2発目の魔法を発射した。


「 連発するのか 」


魔石をエネルギー源とした場合、撃つ度に魔石を交換する必要がある、魔力を充填する方法も在るんだがこんな短時間では無理だ、多分。

土埃が晴れると対岸の壁には2つのクレーターが出来てた、見えてる範囲のキャットウォークは全部落ちてるし、坑道もほぼ潰れてる。


「 あれなら正面の敵は全滅でしょ 」 クロエさんの観測は正しいだろう。


ゴーレムは少しずつにこちらに向きを変えつつある、脚部が不良らしく腕だけで方向を変えてる。

向きを変えている間もゴーレムの表面では矢と魔法が弾かれてる、攻撃してるのは俺達じゃない、俺達の上に居る奴らだ。

ゴーレムに対する攻撃は少しづつ減ってるが止まる気配は無い。

あ、ゴーレムの腕が片方落ちた。


「 クロエさん、逃げた方が良さそうだ 」


ゴーレムが向きを変え終わると、上から降り注いでいた攻撃が止んだ。

片手だけでバランスを取り、残った腕を上に向けようとしていたゴーレムの動きが止まる。


「 止まったの? 」


俺の背中に隠れてたアベリアが囁いた。

ゴーレムが俺達の方に移動を始める、片腕だけの匍匐前進になってるんで移動速度は遅い。


「 どうしようリオ。 奥に逃げても、あの魔法を撃たれたら蒸し焼きになっちゃう! 」


クロエさんの蒸し焼きか。

お皿の上に乗ったクロエさんね、煮たり焼いたり料理したりする必要は全く無いけど、皿の上のクロエさんね。

お願いしたらやってくれるかな、その前に皿を探さないと。


|||||


パスワードと言うものがある、ほとんどの場合は文字や数字の組み合わせになってる。

文字数を増やせばセキュリティの強度が増すが、長過ぎると忘れやすくなるリスクも増える。


んで、俺は文字数を増やす代わりに文字を上下と左右に振ることにした、上下=音階、左右=長さ、単純に表記すれば音符だ。

歌にすればかなりの長さのパスワードでも忘れにくくなるし、見ただけでパスワードを盗まれる事も無い、替え歌にすれば異世界の知識があっても解除は無理だろう。


更に悪のりしてモーションもつけてみた、歌+ダンス、歌って踊れるアイドルを目指してみた。



んで、今。


「 リオ! 早く下がって! 危ないわ! 」

「 何してるの! 下がりなさいマリオン君! 」


ゴーレムの前でラジオ体操をやる羽目になっちまった。


ディスタンドの地下施設、施設を管理するレベル10と9は常に埋まっている必要がある、生存してなくちゃいけないのは当然だな。

ラナと白川さんと河原君、彼らの次の世代に施設を受け継ぐために色々やった。


1番の問題だったのは俺のスキル、魔道具改造が無いとレベルに関係無く登録すら出来無かったことだ。

システムのセキュリティ上、メンバーとして登録できる者の規定が決まってた、ナンチャラ庁部長級以上で勤務何年以上とか、ナンチャラ臣(多分、政府の大臣だろう)以上とか。

防衛ナンチャラ准将以上は判った、判ったけど組織どころか国ごと無くなってるから意味が無い。


登録できる条件を改造して書き直そうとしてぶっ倒れた、魔力が足りなすぎた。

セキュリティの根幹部分だから、改造が厳しかったんだろう。


んで、条件の書き直しを諦めて追加(・・)することにした、”レベル10が必要と認めた者” これだけを条件に書き足した。

更にレベル9の反対票があれば、レベル10の決定もキャンセル出来るっていう所を、サブルーチンとして繋げて完了、上手くいった。


んでも、心配が残った。

人質を取られてりして脅されたらどうなるか、脅された内の何人かはレベル10を明け渡すんじゃなかろうかと。

だからバックドアを用意した、もちろんパスワードもだ。

歌と踊りのパスワード、時間が無かったんでラナと白川さんと河原君が知ってるラジオ体操になったけど、ホントに時間が無かったんだよあの時は。


誤字脱字の報告、読後の感想などお待ちしています。

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