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未遂

舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少歳に召喚され蘇る。 サリナさんの回復のお祝いパーティで、魔法契約の精算をすることに。 んで、時は過ぎ。


|||||


3か月が経過し病院の経営は順調に黒字を出してる、順調すぎて間もなく2号店が開店(・・)する、2号店の開店に伴って最初の店舗を1号病院、次を2号病院と呼称することになった。


ゴルドさんはスラムで無償に近い形で病院を開きたかったらしいが、5氏族から”待った”が掛かった。

王様が管理する王都で無償で医療を提供するのは、”王様が何もしていない”と言ってるのと同じなんで、得策では無いんだと。


んで、あくまでも利益を得ることを目的とした医療()とする事でこれを回避した、貴族からはガッポリ、平民は懐具合を見て、スラムの住人は労働を対価として受け取ってると報告が在った。

現在スラムには、治療を受けたスラムの住人の手で、手作りの下水用の側溝が設置されつつある、浄化用のスライムは冒険者からの寄付だ。

薬草と言うか、原料の植物と言うか悩ましいが、各種薬品の基となる植物も、スラムを中心として栽培が始まった。


ちなみに、病院の出入り口は2か所で、感染性の疑いが在るか否かで入り口が変わる、感染性が疑われる場合は入ってすぐに素っ裸にされて洗浄からの消毒漕行きとなる、着ていた服は全部焼却。

替りに古着は貰えるみたいだけど、これも労働の一環として作成された手作り品だから大した物じゃ無い。


「 貴族に胃潰瘍が多いのは驚いたな。 貴族って奴は、もっとお気楽なんだと思ってたよ 」


って、定例会議の席でゴルドさんが言ってた。

香辛料バリバリ、酒飲み放題、色んな心配で痛めた胃でも、治療の魔道具の数分の治療で直ぐに完治、感謝されるし儲かるし言うこと無し、虫垂炎の施術数も3ケタになったんだと。


俺は5氏族を集めて魔道具製造魔道具の操作方法を教えつつ、マニュアルの作成を完了した。

エラーメッセージだけは全部網羅できなかったんで、エラーが出たら記録してもらって別途相談としてある。

マニュアル作成の隙間時間を利用して家庭教師的な事も依頼された、身近に接することのある物理を主体として教えた、引力や燃焼、音や光なんかだ。



んな事してたら、スリスターの王様からお呼び出しが在った、王家が保有してる製造の魔道具10台を修理しろって。

必要経費と食事、送り迎えは王家が持ってくれるんだと、断るのは不味いって言われたんで一応請けた。

事前に2台分の全ブロックを製作しておいてマルッと差し替え、2台をフル稼働してソッコー終わらせるつもり。


だった。


|||||


初日の10時のおやつに出てきた紅茶を飲んだら血を吐いた、直ぐにマリアさんがくれた解毒ポーションを飲んだんでセーフ、これが1回目。

2日目の3時のおやつに出てきた紅茶を飲んだら全身が動かなくなった、これじゃ解毒ポーションが飲めない、上手い方法だなって感心してたら呼吸も止まりそうになった。

護衛についてたクロエさんが気付いてくれて解毒ポーションを服用、呼吸は何とかなったけどまだ動けない、これが2回目。



3回目は今。

動けない俺を乗せた馬車は、城から1号病院に向かう途中で襲撃を受けてる、周りは貴族の家が一杯ある貴族街っぽい。


「 囲まれてるわね。 御者は逃げたみたい、あいつらの仲間だったようね 」


クロエさんは左手で座席に座った俺をかばいつつ、右手にライトアロー(改良版)を持って周囲を観察中、見えてる範囲で50人は居るんだと、まだ焦点が固定されたままで視界がボケてるんで俺にはよく判らん。

次の瞬間、連続した衝撃が馬車を襲ってバラバラに吹き飛んだ、俺の周りを除いて。


クロエさんと俺は、馬車の座席の一部と一緒に地面に落ちた、まだ衝撃は続いてる。


「 凄いねリオ、魔法を全部無効化してる 」


正確には無効化じゃ無くてベルトに仕込んだライトシールドを起動しただけ、魔法が当たったところはボンヤリ光るけど貫通はされてない、ベルトのバックルに魔力を流せば一斉に起動するようにしておいて正解だった。


ベルトの4か所に仕込んだ魔道具を起動すれば4枚のシールドが俺を囲む、真上から見ると菱形になるように位置と角度を調整してある。

菱形の4つの頂点は正面と後ろと左右になってる、もう真正面から魔法を受ける歳でもないんで、前後左右どこから攻撃を受けても大丈夫なようにキッチリ避弾経始を考慮済み。

上と下が開いてるけど、下は靴に仕込んだ魔道具で、上は肩に仕込んだ奴でカバーしてる。


「 リオ、ちょっと貸りるね 」


「 ・・・・・・ 」 返事は出来ん、まだ痺れてる。


クロエさんは俺を支えてたソッと腕を引き抜くと、左右の手にはめたライトアロー(改良版)を撃ち始める。

襲撃してきた奴らを貫通して周りの家まで破壊してるけど知らん、助けにも来ないんだから奴らの仲間か奴らに近い立場の奴だろうし。


「 城の方角から騎影、30位かしら 」


クロエさんの停止命令に命令に従わずに接近を継続したらしい、今度は両手で前後を攻撃し始めた。

襲撃者もライトアローを使ってるっぽいけど俺のシールドはあっちの攻撃を全部弾いている、あっちもシールドっぽい魔法を使ってるみたいだけど、こっちのライトアロー(改良版)は全部貫通してる。


シールドは60分位しか持たないからそれまでには決着がつくだろう、俺は動けないから最後に立ってるのはクロエさんで在る事を祈るだけだ。


|||||


眼を開けると見慣れた天井が見えた。


「 気が付いたのねリオ! 」

「 リオ、大丈夫なの! 」

「 兄様! 兄様! 」


マリアさんとマライアとマルセラが居る、ここはマリアさん家の俺の部屋だ。

どうやら帰ってこられたようだ、身体中の各部の動作確認を実施、手も足も指も欠損は無い、ユックリ体を起こすが痺れも無い。


「 ・・・・・・大丈夫そうだ 」


「 兄様! 」


マルセラが飛びついてくるけど受け止められた、身体は大丈夫だな。

もう夕方なのだろう、薄暗い部屋にはクロエさんも居た、彼女も大丈夫だったようだ。


「 クロエさんも無事だったんだ、安心したよ。 それで、何がどうなったの? 」


「 魔道具ギルドと一部の貴族、それと商人の一部も絡んでいたようね。 係わった者は全てとらえて在るんだって 」


クロエさんはベッドに近寄り、俺の頭を撫で始める。


「 無事で良かった 」


「 お蔭さまで助かった、ありがとう 」


「 私はリオの護衛だからね、自分の仕事をしただけよ 」


「 それでもですよ。 ケガは在りませんよね? 」


「 もちろんケガは無いわ。 在っても、もうマリアのポーションで治してるわよ 」 そりゃそうか。


王城内で発生した2回の毒殺未遂に、メンツとプライドを潰された王様は、その日のうちに本気で犯人を捜したんだと。

最終的には、直接襲撃に係わった者とその家族は全員捕え、貴族は家を取り潰しにしたそうだ。

合計で2500人ちょっとの人数が処刑され、魔道具ギルドは取り潰しとなったらしい。


誤字脱字の報告、読後の感想などお待ちしています。

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