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責任

舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少歳に召喚され蘇る。 ばあちゃんの娘さんの治療に有用な人材を確保した。


|||||


スラムの治療師ゴルドをばあちゃんちに拉致してきて5日目の夕方、明日の手術のための最終確認会を開催中。


「 アーガイルさん、治験の報告をお願いします 」


「 痛み止め、局所麻酔、全身麻酔は有効であると確認出来ました。 血止めに関しても・・・ 」


アーガイルさんは主治医だったハイエルフ、一度は主治医を辞退したが何故か戻ってきた、裏でばあちゃんが何かやったらしい。

んで、麻酔とバイタルサインの監視と、呼吸の管理の担当になってもらった、あと、昔の薬が今でも効果があるのか確認を依頼した。

アーガイルさんがやってた治療は、ポーションの投与と魔法による毒物除去だったんで適任だろう


薬の効果の確認には、ばあちゃんちやゴルドさんちのメイドさんや執事なんかが実験台になってくれた、らしい。

強制じゃ無かったみたいだがその辺の真偽は不明だ、当主のためだからって言って立候補をお願いしたらほぼ強制だと思うんだよな。


「 ・・・その他の薬は確認出来ていません。 栄養剤は効果がありました。 健康ですが疲れている者に与えてみました、疲れが取れたと言っています 」


「 判りました 」


その他の薬、解熱剤とか抗ウイルス薬なんかは症状が無いと確認出来ないからやむを得ない。


「 バイタルサインについてですが、教えて頂いた数値より10~20%低い値になっています。 数値は30人の平均値です 」


「 やっぱり違いましたか 」


ブレスレット式のバイタルサイン確認用の魔道具は数値しか表示されない、その数値がハイエルフにとって正しい数値なのかは誰かが判断するしかない。

俺がアーガイルさんに伝えたのは記憶していた人類の数値だ、エルフ族のバイタルサインは人族より若干低めらしい。


「 んじゃ、ゴルドさん 」


スラムの医者は簡単に釣れた、そりゃもう入れ食い。

使って見せた治療の魔道具を報酬に付けるって言ったら速攻で釣れた、汎用注射器と痛み止めについては要相談とした、薬の安定供給に不安があったからな。

報酬の前渡しとして、スラムでの炊き出しと魔道具での治療も実施してる、俺じゃなくてばあちゃんちがだ。


「 おう! サリナさんの症状は安定してる、痛み止めも効いてるみたいだしな。 あと手術した3人の容体だが今んとこ異常無しだ、もう仕事に復帰してるぞ! 」


「 そうですか 」 そうですか、としか言えん。


ゴルドさんの縫合経験は豊富で太い血管の縫合もやったことがあるようだ、貴族の馬車にはねられて内蔵が飛び出したケースの治療もしたことが在るんだと、非常に心強い。

但し、エルフの手術はやったことが無かったのも本当だと判明。


でだ、俺が知らないところでばあちゃんとアーガイルさんと結託して、健康なエルフに対して予防処置的に虫垂除去手術をやりやがった。

エルフと人族は別種族なんだから身体の構造が違うって信じてて、前もって確認して手術の成功率を上げたいってことらしんだが。

前もって俺が聞いてたら確実に反対したな、終わってからの報告だったから急いで色々薬を持ってったけど無事で良かったよ。



会議終了後に手術予定の部屋を確認する、メイドさん達が消毒液で徹底的に綺麗にした部屋だから、今夜はドアの前で騎士の見張がいて俺も部屋に入れない。

その前を通り過ぎてサリナさんの部屋へ、体調確認とお見舞いだ。


「 では、明日の09:00から手術になるんで、今夜はユックリ休んで下さいね 」


「 判りました、色々迷惑を掛けますね 」


サリナさんは返事もしっかりしてるし顔色もそんなに悪くない、痛みが無くなったのが大きいだろう。

メイドさんが俺の事を睨まなくなったのもありがたい、いちいち気を遣うのが面倒なんだよ。

本人から手術の同意は得た、そのままでも希望は無いし、これ以上は周りに迷惑を掛けたくないんだと。

俺としては 『 あなたを信用してお任せします 』 って言って欲しかった、おじさんの希望的観測はかなりの割合でハズレる。


「 気にしないで下さい。 まずは元気になりましょうか 」


「 ええ、そうですね 」


失礼しますと言って早めにサリナさんの部屋を後にする、今のままの体調で明日まで保って欲しい。


『 奥様、私も手術したんですよ! でも、痛くありませんでした 』

『 あらそうなの? 』

『 それに、身体中の毛を剃るんですよ 』


ドアに向かう俺の後ろでサリナさんとメイドの声がしてる、無事に手術が終われば良いんだが。



手術当日、朝食を食べてるとマリアさんがやってきた。


「 リオ、おはよう 」


「 おはようママ 」


俺はここのところずっと急変に備えてばあちゃんちで寝泊まりしてる、ゴルドさんもアーガイルさんも同じだ。


「 はいこれ、ポーションよ 」


「 ありがとママ。 できたら使いたくないんだけどね 」


マリアさんには特製ポーションをお願いしておいた、手術中緊急事態が発生したら使うつもりだ、想定してる最悪のケースじゃ、内蔵を丸ごと除去して特製ポーションを使用することになってる。

クロエさんの腕も再生できたんだから内蔵も再生出来るはずだ、というのが俺とアーガイルさんとゴルドさんの考え、特製ポーションが貴重すぎて事前確認は出来なかったんでぶっつけ本番になる。

んでも、丸ごと除去して再生って想像しただけで鳥肌だ。


「 リオなら大丈夫よ 」


「 執刀はアーガイルさんなんだけど? 」 俺は血は見る予定は無い。


「 思いついたのはリオでしょ? 」


「 そうなんだけどね 」


食堂に居るメイドさんが全員頷いてる、つまり失敗したら俺の責任っていうのがみんなの認識なのか。

前にも、プロジェクトが失敗したら俺の責任で、成功したら上司と上司のお気に入りの部下の手柄ってことがまれによくあった、ほぼ全部そうだったな、それで俺はず~っと係長だったんだよ。

イヤなこと思い出しちまった。



それよりだ、客人の会話を堂々と盗み聞きしてるメイドって、それで良いのか?


誤字脱字の報告、読後の感想などお待ちしています。

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