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賭けの結果

舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少年に召喚され蘇る。 エルフのばあちゃんちで魔道具の修理を始めた。


|||||


「 リオ、そろそろお昼よ。 手を洗ってらっしゃい 」


「 了解 」


魔道具の組み込み式自己診断装置を走らせてから、マライアと一緒に昼食に向かう。

魔道具には油系は使用していないんで手や服が油まみれになったしないが、食事の前とトイレの後は手を洗うのが当たり前、おじさんは世間が思っているよりは綺麗好きなのだよ。


それにしてもここ数日でマライアの喋り方がマリアさんに似てきた気がする、表向きの声&喋り方だろうから突っ込まない。


「 リオ、作業は順調なの? 」


「 ママ、来てたんだね 」


倉庫の片隅に用意された昼食用のテーブルにはマリアさんも来てた、毎日の昼食はばあちゃんちが用意してくれてる、なぜか倉庫で、なぜか各氏族の長が順番で参加してる。


今日は5日目、全てのパーツを要注意のオレンジ以上にして組み立て終わったのは2日目。

最初はマリアさんが保有してる、ダメージが少ない魔道具の筐体を基本にして組み立ててたんだがやり直すことにした。


組み上がった魔道具は要注意のオレンジ部が多く、製造時間が長くなるブロック単位での製造は危険が危ないと考えた。

パーツ単位なら短時間で製造が終わるんで、被害が最小限になる。

パーツを投入 → 分解 → 製錬 → 備蓄 → 構築が通常のサイクルなんだが、備蓄 → 構築で製造した方が魔道具への負担が少ない事に気が付いた。

んで、一番素材の備蓄が多い筐体をベースに組み立て直す事に、大規模改修前の作業計画は重要だと再度認識する事になった、時間には余裕があるんで気にしないが。



「 今日はママの番だからね! 最後になっちゃったけど 」


「 順番だったみたいだね 」 どんな順番なのかは判らなかったが。


「 順番はクジで決めたのよ、ママは最後って決まってたけど 」


「 見てるだけで楽しいの? どうせなら手伝ってくれると助かるんだけど 」


用意されてる昼食のテーブルに向かって歩きながら聞いてみる、誰も触ろうとしないんだなよな魔道具に。

ブロックもパーツもそんなに重くない、でも、10台の魔道具を1か所に集めているから1号機から10号機までは距離がある。

誰でも持てるような軽いパーツ1つ運ぶのに、それなり距離を移動するのは正直面倒。


「 ごめんね~リオ。 ママはお手伝いできないわ 」


「 呪いが掛かってる訳じゃなんだけどね 」


「 何千年も前の(いにしえ)の魔道具だからね。 ママだけじゃ無くて、誰も触ろうとしないんじゃ無いかしら 」


俺がマリアさんとばあちゃんに挟まれたお誕生日席に座ると、昼食が始まる。

最初はマライア達メイド組は席に座ろうとしなかったんだが、俺がお願いして一緒に食べる様にしてもらった、食事はみんなで食べないとな。


「 主人と一緒に食べるメイドなんて、居やしないんだけどね! 」


最初に一緒に食べようって言った時にばあちゃんからクレームが入った、嬉しそうに笑いながらだ。

ばあちゃんの歳は聞いて無いけど難しい年頃なんだろう、それ以来は全員で食べるようになった。


「 それで、どうなんだい? 」


「 全部新品の部品に交換したよ、午後から最終動作確認に入る 」


「 完成したのかい?! 動くのかい!? 」


「 部品の交換は終わったよ。 って言うか、新しい部品が造れてるんだから、もう動いてるよ 」


10台の共食い整備で組み立て完了したのは作業開始から2日目だ、それから新しい部品の製造を開始した。

とは言えパーツのほとんどが要注意のオレンジ、壊れたら跡が無いんで慎重にどの部品から作るかを考えて故障率の高い順に作ることにした。


魔道具には故障率が数字で出せる機能は付いてないんで、10台の故障数を合計して代わりに用いた。

最初に造ったのは10台中赤が9でオレンジが1の部品だ、3つのパーツが該当した。

魔道具の負荷を最小にするために体積が小さい順に作っていった、造った部品は直ぐに組み込んで動作確認、緊張したがなんとかなった。。

次は10台中赤が8オレンジが2の部品、オレンジの部品が2個あるから1個壊れても交換できる、交換部品があると気が楽だ。

赤が7まで来ると交換できる部品も増えたんで気が楽になった、作業も一気に進んだし。


「 ちょっと待ちな・・・・・・どうやら本当の様だね 」


ばあちゃんが執事から受け取った羊皮紙を眺めてから俺に回してきた、奴と交わした魔法契約書のようだが、俺に対する要求事項が全部消えてた。


「 半分消えてるな 」


「 魔法の契約だからさ! 結果が出れば契約に従って、契約書が変化するのは当たり前さね! 」


「 そんなもんかね 」 今日の昼食の主食はミートボールパスタだ。


「 あいつは今頃慌ててるだろうさ! 」


ハッハッハと笑いながら、フォークでミートボールをぶっ刺してるばあちゃん。

貴族の食事マナーでそれって許されるのか?


「 それじゃあ、賭はリオの勝ちって事で良いのね? 」


「 ああそうさ。 そう言うことだから、マリオンの首はそのままだね。 安心おしマリア 」


「 良かったわ~。 リオだから大丈夫って信じてたけど、やっぱりちょっと心配だったのよ 」


マリアさんに睨まれた、あの日は帰ってからスゲー怒られたんだよ。


|||||


奴との賭は俺の勝ちが確定したが、問題になりそうなのは奴が所属する魔道具師ギルドと対立する事。

ばあちゃんが言うには対立するのはほぼ確定らしいんだが、そうすると魔石の入手が難しくなるんだと。

魔道具だけじゃなく、魔道具に使用する魔石も魔道具師ギルドが抑えてるらしい。


「 じゃあ、ダンジョンで養殖すればいいじゃん 」


俺の一言でダンジョンでの魔石の養殖が始まった、カリウス家と同じでゴブリンに魔石を与えて進化させてから倒す方法だ。

スリスターの王都周辺にある10か所のダンジョン、王家が4か所、国王派が2か所、中立派が2か所、んで反国王派が2か所割り振られてるんだと。

反国王派は1か所のダンジョンを潰したんで、今は1か所しか保有してないらしいが。


「 マリオン、魔石の養殖は上手くいってるよ。 この分なら魔道具ギルドに頼らなくても、なんとかなりそうだ 」


「 そいつは良かった。 魔道具は何とかするけど、魔石は俺じゃ用意できないからな 」


「 魔道具は動くようになったし、魔石は自前で採れるようになったし。 見通しは明るいね! 」


テーブルを見渡すとみんな笑顔で食事を楽しんでる、いい傾向だな。


「 それでばあちゃん、長い銀髪のエルフを知らない? 」


「 ・・・・・・ん? それがどうかしたのかい? 」


「 今朝魔道具の側に落ちてたんだよ、銀髪の長い髪の毛が。 ここには居ないみたいし、この屋敷でも見た事がないんだけど 」


改めて今日の昼食のメンバーを確認する、銀髪の女の子は居るんだが長さが合わない。

そう言えばばあちゃんも銀髪だが、歳のせいなのか元からなのか判らん。


「 ・・・・・・ 」


ん? 急に静かになったんだが?


気付かれた点、誤字等在りましたら、読後の感想をお待ちしています。

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