ばあちゃんの家で
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少年に召喚され蘇る。 マリアさんが他の家に預けてた、魔道具製造魔道具を修理することにした。
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マリウス家のお茶会で崩した体調を戻し、お茶会の2日後にフォートレス家を訪問した。
んでも、マリアさんが預けてた魔道具は見事に壊れてた、フォートレス家の魔道具に比べればまだマシだったけど4台の共食い整備でも動かなかった。
仕方がないんで、5氏族が保有してる10台全部を集めて共食い整備したいって、ばあちゃんにお願いした。
カリウス家の魔道具を使えば早くて確実なんだが、『 貸してくれ 』って頼むと貸しだの借りだの色々と面倒なことになるんだと、貴族の派閥って厄介だ。
ばあちゃんにお願いしてから3日後に『 10台揃ったよ 』 って連絡とお迎えが来た。
「 行ってきます 」
「 行ってらっしゃい、リオ。 よろしくねクロエ 」
「 大丈夫よ、任せて 」
マリアさんが魔道具を預けていたのは長老のばあちゃんの家だった、ばあちゃんのフルネームはローザ・フォートレス。
「 森の妖精ですからの、フォートレスなんですじゃ 」
ばあちゃん! フォートレスって要塞だから、森の妖精じゃ無くって護りの妖精になるから、って突っ込みそうになったけど我慢した。
おじさんになると、あちこちに気を遣う必要が出てくるからな、条件反射や脊髄反応を抑えるスキルが身につくんだよ。
話を聞いたら、”フォートレス”ってのは、貴族になる時に河原君に考えてもらったんだと、今さら訂正は出来無いだろうけどホントのこと話した方が良いんだろうか。
「 それで、何とかなりそうなの? 」
「 カリウス家で用意しておいた、予備のパーツ使えば簡単なんだけどね 」
ばあちゃんの家に向かう馬車の中で、ぼーっと外を見てたらクロエさんが訊いてきた。
カリウス家のお茶会には各派閥の主要な女性が参加してた、つまりそれなりのお年の方が多く、だから美容系に興味もあるんだろうが、とにかく香水の匂いが凄かった。
俺はマスクと鼻栓をして耐えたんだが体調を崩した、不思議なことに俺以外は何ともなかったんだよな、そのうち超嗅覚のスキルが身につくんじゃなかろうか。
「 マリアは言えば使わせてくれるって言ってたけど、どうなのかしらね。 貴族ってホントに面倒ね 」
「 それは同感だね 」
ばあちゃんちの倉庫で待っていたのは10台の魔道具と、ひらひらピカピカの服を着た4人の中年男。
「 お前がマリウスか 」
「 ・・・・・・ 」 誰だお前。
倉庫まで入って来てるんだからばあちゃんの知り合いだとは思うんだが、この格好はカリウス家で見た魔道具師の管理人に似てる、あいつより服のヒラヒラが多い。
「 質問に答えろ! お前がマリオンだな! 」
「 最近誘拐されたんで、知らない人と話してはいけないと言われています 」
と言う事で早速作業に入ろう。
まず追加の6台の現状を確認して使えるブロックを特定しよう、ブロック単位で使えないならパーツに分解してから使えるパーツを選び出そう、なんとかカリウス家に頼らないで動作するようにしたい。
「 私の事を知らないだと! 」 まだ居たのか。
「 おい! 説明してやれ! 」
「 はい! この方は・・・ 」
ヒラヒラの後ろに居た奴が長々と説明していたが、コイツの数百年前の祖先が魔道具製造魔道具で何かを造ったらしい、何でも星の動きを読んでそれを魔道具に反映して製造に成功したんだと。
奴は、足を肩幅に開いて両手は腰に置いてふんぞり返ってる、屈んで近づけば気付かれないで股間に蹴りを入られそうだが、コイネさんから止めておけとのハンドサイン。
チャンスだと思うんだがな。
省略すると、祖先の手柄だけで威張ってる自分じゃ何もできない奴と言う事だな、勘違い野郎ってどこの世界にも居いるもんだ。
「 そうですか、凄いですね。 では、失礼します 」 何か言ってるけど無視。
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「 何かご用でしょうか? 」
倉庫の中まで着いて来てなんか言ってるけど、彼らの話が理解出来ないのは俺の理解力が足りないからじゃないと思う。
あと、俺の後ろに立つな。
「 カリウス家のみならず、ハイエルフ5氏族にも手を出そうとしているのを、黙って見ているはずなかろう? この魔道具に触れて良いのは、我々の様な選ばれた者だけだ。 お前の様な技術も資格もない者が・・・ 」
口数は多いが中身が無い、魔道具は壊れたままだし成果が出てないよな、根拠や実績が伴わないその自信はどこから来るのか。
さて、どうしたもんか。
「 1ヶ月の猶予をやろう、その間に魔道具で何かを創って見せるがいい。 出来無ければ、相応の罰を受けてもらう 」
「 随分と急な話ですね 」 まぁ余裕だが、なぜにやる前提なのか。
ヒラヒラ男の後ろでばあちゃんが笑ってる、コレは想定内なのかね。
ばあちゃんからは悪意は感じないからイタズラしてるつもりなのかもな、でなけりゃ自宅にこんな奴入れないだろうし。
「 その魔道具で作るんだぞ! 出来なかったら解っているな! 」
俺が受けること前提で、どんどん話が進んでるな。
「 金貨が欲しいんですか? 」
「 それだけでは足りんな! 」
実力も実績も無いお坊ちゃまが偉そうにしとる、ウルサイし、うっとうしい。
「 ・・・・・・判りました。 それでは私の首も掛けましょう、それでどうですか? 」
「 ほう? マリオンとやら、口から出た言葉は取り消せんぞ! 」
「 問題ありませんよ 」
ニヤッと笑った勘違い野郎が、隣の男から何かを受け取った。
「 いいだろう。 では、これに署名して貰おうか、血を垂らすのも忘れずにな 」
男が広げた羊皮紙は魔法の契約書になっていた、準備万端だな。
古の魔道具で1ヶ月以内に何か造れ、出来無かった時は。
1.金貨10万枚をなんちゃらって言う奴に俺が支払う
2.マリアさん特製のハイポーションを1本渡す
3.俺はスリスターから追放になるらしい(多分、暗殺者も付いてくるんだろうな)
んで、3については何チャラって奴がその場で書き直して、
3.マリオンの首を何チャラに差し出す
に書き直した、クロエさんもばあちゃんも黙ってみてる。
俺が魔道具を直して、使ってるところをクロエさんは何度も見てるし、ばあちゃんももカリウス家で見てたしな。
『 やってみろ! 出来ないのか! 』って言いておいて、やらなきゃヤイヤイ言うし、やったらやったでヤイヤイ言う奴がいる。
子供の時のイジメで使われる手法らしいんだが、大人になってもそれが通用するって思ってるまれによくいる。
煽られても無視するか、やり遂げてドヤ顔してもいいんだが、それだけじゃ面白くない。
「 どうした? 今さら取り消しは出来んぞ、さっさとサインして血をつけろ! 」
「 貴方の掛け金が無いようですが? 」
「 なに?! 」
「 私は命と金貨を賭けました。 貴方も賭けて頂かないと、勝負は始まりませんよ? 」
お前のチップをテーブルに置けってことだ。
気付かれた点、誤字等在りましたら、読後の感想をお待ちしています。