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小屋で監禁

初投稿となります、よろしくお願いします。


舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少年に召喚され蘇る。 エルフが管理する森へお出かけして勇者に近い存在の転生者とバレたら、5氏族代表者が来て森へ行くことになった。


|||||


結界の森の中を先頭で歩いてる、左にはスミティ氏、右側にはマリアさん、マライアとミーシャがすぐ後ろを歩いてる。

俺達の後ろには4氏族の当主と次期当主候補が歩いてて、一番後ろには騎士が一杯居るが人数は不明、マリアさんも5氏族の長の1人だった。


「 この森に入るとね、ちょっと変だなって感じがするんだよ 」


スミティ氏が森の結界に付いて説明してくれた。


「 変ですか・・・・・・ 」


「 そう、この先に進んじゃいけないって程度の異変だね、それでほとんど引き返すのさ。 それでも進むと方向感覚が狂って迷うようになる、迷いの森って呼ばれてるのはそのせいだね。 そして、もっと進むと眩暈がして立っていられなくなる 」


「 なるほど 」


「 奥に進むほど結界の効果は強くなるからね、結界を破らない限り前にも後ろにも進めなくなるんだ 」


「 前にも後ろにも進めない・・・・・・ 」


方角が判らなくなってその場から動けなくなるって事はだ、その場で飢えて命を落とす事にならないか?

結構、凶悪な結界なんじゃなかろうか。


「 方向感覚の喪失と立っていられない程の目眩、三半規管に影響する結界なんですね? 」


「 三半機関? ・・・・・・それは何をやる機関なのかね? 」


「 いえ、機関じゃなくて規管ですよ。 耳の内側にあるもので、引力や加速度を感知する身体の・・・・・・ 」


説明しながらふと疑問が沸いてくる。

スミティ氏もカリウス家の御令嬢も上級階級だ、望めばそれなりの教育を受けられるはずだ。

それにしては身体構造に関して知識が少なすぎる、胃潰瘍の治療で胃袋の表面を治そうとする位だし、命に関する知識でこれなら自然科学関連の知識は壊滅的じゃなかろうか。


「 なるほど。 君はその知識を何処で学んだのかな? 」


「 学校ですね。 6才から15才までは働かないで、学校で皆が同じ様な教育を受けます 」


俺の視界の端っこでマリアさんは片手で頬を抑えてる、おじさんの視界は広いのだよ。


「 学校ね、皆が同じ教育を受ける場所になるのか。 働かないでとなると、費用が掛かりそうだな 」


「 社会全体で費用を負担してましたね。 親が費用を負担すれば、更に高度な教育も受けられますよ 」


動物が居ないのは結界のせいか、んで、渡り鳥も見かけないから地磁気にも影響してる可能性も在る、虫が居ない説明にはならないけど。

マリアさん達と昼飯を食べた場所を通り過ぎる、今日の目的はピクニックじゃ無いし、目的地は沢を下って行けばすぐに着くし。


「 ・・・・・・ 」


スミティ氏が後ろに手を振る、振り返ると騎士がみんな立ち止まってた。


「 ここから先は、我々だけで進みます。 なに、結界が在るから安全ですよ 」


前回来たからな、それは知ってる。


|||||


ジャンプして石を伝って沢を渡る、そのまま小屋に入ろうとしたら止められた。


「 コンロとお風呂用の魔石だ、持って行きなさい。 それと、もう少しだけ待ってもらえないかね? 」


スミティ氏が指さす方を見ると、ばあちゃんエルフが沢を渡ろうと苦労してる、周りのエルフが手伝ってるんだが大変そうだ。

無理に来なくても良かったんじゃ無いかと尋ねたら、おばあちゃんが最長老だそうで。


「 彼女が認めないと、何も始まらないからね 」


5氏族の長はスミティ氏だが最長老が認めないと何も始まらないと、何のための『 長 』なんだと思う。

親族経営の会社で、取締役より権限のある課長(親族)が居たりするのをおじさんは知ってるから、驚きはしない。

そんな会社がほとんど倒産したり分裂したりしてるのも知ってるから、チョット微妙だが。


タップリ時間を掛けてやっと11人が渡りきる、5氏族の長と次期長+俺だ。


「 じゃあ、行きますね 」


扉の左右に分かれて整列してるエルフに言ってから小屋に向かう、扉の前って言うより渡りきった沢に近いんだが。

扉に触れて魔力を流す、魔道具だからほんのチョッピリだ、背後で『 おお! 』って声がしたけど気にしない。


扉が開いたんで中に入る、気配はするんだが見渡してもやっぱり誰も居ない。

テーブルに鞄をおいてからキッチンに向かう、背後で玄関のドアが閉まった、2泊3日だからコンロの魔道具に魔石をセットしないとな、お風呂にもセットしないと。

鞄の中身は具だくさんのサンドイッチが3個、食い延ばせば3日は持つってくらいのボリュームだ、後は2つ目の水筒と飴、着替えにタオル。


『 3度の食事はこちらで用意します。 時間になったらお届けしますので、外まで取りに来て下さい 』


って、スミティ氏は言ってたけど怪しい。

今日は護衛も含めれば50人は越えてるけど、馬車は5台だけで物資運搬用の馬車が居なかった。

護衛の騎士は携帯食料で良いんだろうけど、5氏族の方々はそれなりの食事が必要だろう、風呂とか寝る場所はどうするつもりなのか。


キッチンに移動して水を出したら、そのまま出しっ放しにしておく、何年も使っていないらしいんでそのまま使うのは衛生的にアレだ。

コンロは魔石をセットしなくてもそのまま使えた、鍋もあるからお湯は手に入る、風呂場でもお湯が出たんで魔石はポケットにしまっておく。

30mm位の魔石だったからそれなりに貴重品だ、カリウス家では伯爵と奥さん以外は触れない豪華な箱に入ってたし。


テーブルの椅子に座ってバッグから水筒を取り出す、腰の水筒は最後まで手を付けないでおくことにする。

2泊3日過ごせと言われただけで何もすることが無い、室内はホコリも無いくらい綺麗だから掃除もしなくていいし。


水筒にはマリアさんが入れてくれたコーヒー、1口飲んで。


「 甘い・・・・・・ 」


砂糖は高級品なんだが、だからといって沢山入れれば良いってもんじゃない、無くては困るが。

文字通りのさじ加減が重要だ、嗜好品だから人それぞれだし体調でも変わるから絶対は無いけど。


しばらく待っても何も起きない、仕掛けてくるのはもう少し後かそれとも明日か。

緊張しっぱなしじゃ身体が保たない、本でも読んでユックリすることにしよう。

本棚に在る本を適当に一掴み、10才の手じゃ2冊しか取れなかったんでもう一掴みしてテーブルへ戻る。



『 魔法:威力と射程と魔力量の関係について 』 俺は魔法を使えないんで関係無い。


『 ガーメル戦記 』 知らん。


『 100年戦争 』 1年戦争なら知ってる、白い人と赤い人が戦ったやつな。


文字は読めるが中身に全然興味が無い、読んだら疲れそうなんでディスタンドの歴史を読むことにする。

昔々、美しく賢く強いエルフが居た、そんな書き出しだ。

中身が透けて見えそうな書き出しにため息をつく、他に読めそうなものも無い。

寝てるだけよりはマシなんで本を読むことにする、おじさんに残された時間は少ないのだよ。



気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。

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