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骨は折れる

初投稿となります、よろしくお願いします。


舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって命を落としたんだが、少年に召喚され蘇る。 エルフが管理する森へお出かけして勇者に近い存在の転生者とバレたら、隣に引っ越してきたエルフの親子が挨拶に来た。


|||||


昼食後もスミティ氏とのお話が続けられた、話の中に過去に関する事例を入れて嘘とホントを混ぜた質問を投げてきているんで、”歓談” 形式の取り調べだろう。

俺が本物か偽物か確認に来たということらしい。


俺の返答は概ね良好みたいで次は最終確認だそうだ、森を護る5氏族の当主が立ち会って、結界の中の小屋で2泊3日して最終判断するんだと。

何で2泊3日なのか聞いたら、『 熱い風呂でも少しなら耐えられるけど、長時間は無理 』だそうで、結界も同じようなものだそうだ。


面倒だからほっといて欲しいんだが、俺の事が耳に入っちゃたんでスミティ氏としては放置出来無いそうだ、俺もあの小屋には興味があるし異論はない。

ちなみにスミティ氏は森を護る5氏族の長、んで、俺の事は内緒にするハズだったんだが誰がスミティ氏に話したのかは判る、マリアさんが俺の視線を避け続けてるからな。


「 過去にも自称生まれ変わりがおりましてな。 まぁ、確認のためですよ 」


ハッハッハと笑うスミティ氏、生まれ変わりと確認出来れば、彼らの出来る最大限の便宜をはかってくれるそうだ。

断れば不敬罪を適用するし、偽物ってなったら命の安全は保証出来ないんだと。

今の俺の存在意義はマリアさん達の安全確保だから、この話しに乗っかっても良いと考えてる、失うものは無いしな。


「 では、明日の朝お迎えに参りますので 」


立ち上がり、お辞儀をして帰ろうとするスミティ氏、それを見送る俺達ともう1人(・・・・)

マリアさん達の顔を見るが誰も何も言わないんで、俺が言うべきだろうと判断。


「 スミティさん、娘さんは? 」


「 ミーシャは理解しておりますので。 そうだね、ミーシャ 」

「 はい、お父様 」


「 では 」


回れ右をして去って行くスミティ氏と、バイバイと手を振るミーシャ。


|||||


「 お茶会? タダのお茶会なのですか!? 信じられません・・・・・・ 」


自分の震える両手を見つめるミーシャ、前にも似たようなシーンを見た気がする。

『 信じられない 』 も最近よく聞くセリフだな。


「 そう言われても、みんなでお茶を飲んで話してただけだからな。 お茶会だぞ 」


「 『 波乱万丈様は、毎晩、幼い・・・・・・幼女を集めてあんな事やこんな事をした 』と聞きています 」 


「 私もそう聞いているわよ 」


クロエさんまでそう聞いてるのか、それとミーシャは言い直せてないからな。


「 昔はエルフの中で差別が酷くてね、半エルフやハーフエルフはひどい扱いだったんだよ。 腕や足は細くて、胸もアバラ骨が見えるくらい痩せてたんだ 」


「 胸が足りないのは、女性として成長する前だっただけでは? 」

「 違うわミーシャ、彼は幼い子が好みだっただけよ 」


俺を膝に抱いたままクロエさんが反論する、2人を相手にしてたら話が進まないからスルーだ。


「 最初にあった時、ラナは酷く痩せていたんだ。 だから何とかして食事で栄養を取らせたかったんだけど、城では召喚者とメイドは一緒に食事は出来ない。 仕方ないんで、ちょっと量の多い毒見をしてもらったんだよな 」


「 それは知っています! 幼女を毒見役として犠牲にしたんですよね 」 ミーシャのことは無視無視。


「 ラナの後に6人のメイドさんが追加されたけど、その子達も痩せててね。 全員に毒見して貰うわけにはいかないから、食後にお茶会をする事にしたんだよ。 だから、お茶会って言うより栄養補給がメインだったな 」


「 幼女を集めたのは否定しないのね? 」 


クロエさんが俺を抱きしめる力が強くなったが、苦しくなるほどじゃない、クロエさんと交わしたエルフの契約は有効らしい。

契約の内容は単純で、黒エルフの肌の色が変わった原因が俺だった場合、俺の首はクロエさんの物になるそうだ。

俺の首を確実に自分のものにするため、その時までは護衛してくれるんだと、ちなみにクロエさんの物になるのは首だけでその下は必要ないって言われてる。


契約魔法は簡単だった、モゴモゴ言って俺のうなじにキスをして完了。


「 リオには判らない古代エルフ語よ 」


って、クロエさんは言ってたけど、俺はエルフの古代語も判るみたいだな。

なんでも、古の盟約に基づき2度命を助けた貴方に忠誠を誓うみたいな内容だった、俺には2度も命を助けた記憶が無いんだが。



「 私はハズレの召喚者とされていてね、扱いは城の中でも最低で下男と同じだったらしい。 それでもラナ達より優遇はされてたけど 」


「 最低だったのはあなたの幼女趣味ではないの? 」 エルフの契約はイヤミには無効なのか。


「 最低扱いの召喚者が、好みの(・・・)女性を選べるわけないだろ。 追加の6人は、その・・・・・・なんちゃらって言う王女様が手配したんだよ、王女様の名前は忘れたけど 」


「「「「「 ・・・・・・ 」」」」」


「 俺が選んだんじゃなくて送り込まれて来たんだよ、監視の役目もあったかもな 」


「「「「 ・・・・・・ 」」」」

「 私はお兄様を信じます! 」


信じてくれるのはマライアだけなのか、ちょっとさみしい。


「 それに魔素のせいで身体が弱ってたからな。 重いものが持てなくなるし、骨は簡単に折れるし、そんな体調であんな事やこんな事が出来わけないだろ 」


どうして誰も何も喋らないんだ、あと誰だ俺の変な伝説残したやつ。


「 それは置いておくとして、もう遅いわ。 明日は森へ行くんだから、早くお風呂に入って寝なさい 」


「 ・・・・・・はい、ママ 」


マリアさん、ハッキリ誤魔化したな。

5000年前の話だ、証拠が無いとどうにもならないか。


「 お風呂に行きましょうかマリ 」

「 兄様参りましょう 」


今日はマライアとマルセラが俺と一緒に入る様だ、順番は女性陣が決めていて俺に決定権は無い。

昔と同じだな。


|||||


「 お風呂をご一緒されているんですね・・・・・・ 」


3人が去って行くのを目で追おうミーシャ。


「 ミーシャ、貴方はお母様から何か聞いているかしら? 」


「 はいマリア様。 『 波乱様はお体が弱くて骨が折れやすいから、身体を洗う時は力を入れないように 』 と言われました 」


「 そうよね、私もお母様からそう聞いているわ 」


「 ちょっと待って、それは何なのマリア。 じゃあ、リオが言っているのはホントのことなの? 」


「 言いつたえが正しければそうなるわ、リオが知っているハズが無いことだし。 でも・・・・・・ 」


「 はい。 でもそうなると、私達はここに居ないことになります。 私達は、波乱様と5人のメイドの子孫なのですから 」


「 ちょっと待って2人とも、どう言う事なの!? 」


「 5氏族の女性にだけ伝えられる、波乱様に関しての言いつたえがあるのよ。 5氏族の女性だけのね。 だからクロエは聞かなかった、良いわね? 」


「 ・・・・・・誰かに喋ったら? 」


「 黒エルフ族は、5氏族を敵にすることになるわね。 何人生き残れるかしら? 」


「 怖いわね。 判った。 私は何も聞かなかったし、誰にも話さない 」


「 誰にも話さないように、クロエさんの命を対価として契約をしておきましょう 」


「 ミーシャも知ってるの? まだ若いのに 」


「 波乱様は若いエルフが好みと、伝わっていますからね 」


この後クロエは、自らの命と黒エルフ族の命運に関わる守秘の契約を結んだ。

気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。

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