day 8-2 最後の召喚者
初投稿となりますが、よろしくお願いします。 舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。※投稿方法を勘違いしていましたので、修正しました。
・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 何とか出所してドクターと看護婦さんに再会。 遅れて、救急隊員の一人も合流。
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ラナと一緒に、食堂に向かう。 残り一人について聞いてみるも、知らないとのこと。 首輪は光らないんで、本当に知らないのだろう。
「 波乱さん。 一緒に来て頂けませんか? 」
ドクターはいつも時間に正確だ。
「 どうしました? 先に昼飯を済ませてからでは? 」
「 自信があるなら、食事後でも結構ですが? 」
何故か冷たいクリスさんの視線。 あと、何処へ連れて行くつもりなんだ。
ドクターの表情が暗いのが気になる。 行き先は、聞かない方が良さそうだ。
「 何の自信か判りませんが、昼飯前に済ませましょうか。 」
クリスさんに連れられて、ドクターとラナの4人で食堂を出る。
気が付くと、渡り廊下を歩いていた。 どうやら我々は、城から離れた塔に居たらしい。 来たことの無い廊下を歩き、階段を降りる。 下へ下へと向かっているようだ。
見たことが無い人? エルフ?が居るな。 大勢居たんだね、この城。
物珍しさで、歩くのが遅くなっていたのだろう、ラナが袖を引っ張った。
「 そんなに引っ張らなくても・・・・・・ 」
言い掛けたんだが、やめた。 ラナが歯を食いしばっていた。 こっちは、来ちゃいけない方向なのか?
ドクターは、目的地が判っているようだな。 拷問部屋か? だったら、一か八か逃げるけど。
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暫く歩いて、扉の前で止まった。 クリスさんがノックをすると、内側から扉が開いた。
中には、兵士っぽい人が3人。 部屋には、椅子が4つ在るテーブルが置いてあり、その奥に下りの階段が見える。
「 賢者様をお連れしました。 罪人との面会を希望します。 」
「 連絡は来ています。 どうぞ。 」
クリスさんに答えつつ、兵士っぽい人は剣を手に、先導して階段を降り始める。 地下牢だよねここ。
拷問部屋では無いので一安心だが、これってあれだ。
ラナを兵士部屋でお留守番させ、ドクターに続いて階段を降りる。 暗いし、だんだん嫌な匂いがして来た、マスクが欲しい。
「 こちらです。 」
兵士が指し示す檻の向こうには、薄汚れたオレンジ色が見える。
「 賢者様。 御確認を。 」
クリスさんに促され、檻の中を伺うドクター。
「 ・・・さん。 ・・・さん。 」
誰だって? 聞こえなかったんだが。 何度目かの呼びかけで、オレンジ色が動き出す。
「 誰だ。 」
「 田村です。 話せますか? 」
うん、そうだね。 全身汚れているし、手は血だらけだ。 他の場所にも血が付いている。
足首に太い鎖が付いていて、壁に繋がれている。 大丈夫では無い、一目で判る。
「 ここから出せ。 早くしろ。 」
「 ・・・・・・・・・ 」
どしたのドクター。
「 貴方が、殺人を犯したと聞いています。 本当ですか? 」
「 それがどうした。 俺は聖騎士だぞ。 メイドの1人や2人何だってんだ。 早く出せ! 」
これダメなやつだ。
「 波乱さん。 確認を。 」
はいはい。 魔道具での、洗脳系を考慮したんだよな。 それで、同行させたのか。
んでも、黙って首を振る、横にだ。
「 そうですか。 残念ですが・・・・・・ 」
「 賢者様。 それでは、戻りましょう。 」
クリスさんが、真っ先に階段を上っていく。 少し遅れてドクターが続き、私は兵士と一緒に上がっていく。
渡り廊下に差し掛かってから、気になったことを聞いておく。
「 クリスさん。 彼の罪と罰はどうなります。 」
「 メイドを2人手にかけました。 試練の部屋を出て、任命されないと聖騎士とは認められません。 それまでは、平民扱いとなります。 」
なるほど。 で、罰は?
「 彼は召喚者ですので、少し複雑になります。 後ほど、連絡があると思います。 」
「 了解です。 」
あの部屋、試練の部屋って言うんだ、牢じゃ無くて。
過去に似たようなことが在って、それで試練の部屋作ったって、ドクターから聞いてたけど。 直ぐに、処分決まらないんだ。
匂いが気になるから、入浴して着替えて、それから食堂で昼飯だな。
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遅めの昼飯、今日は4人になってる。 白川さんと河原くんも、食べずに待っていてくれたらしい。
全員揃った所で、ドクターの報告だ。
「 もう、聞いていると思いますが、これで全員揃ったことになります。 もう1人は、メイドさん2人を手に掛けた罪で、地下牢で監禁されています。 」
「「「 ・・・・・・ 」」」
「 私が鑑定して、称号が殺人者になっていることを確認しました。 」
おい、こっち見るな。 判ってるけど。
「 牢の内には、行動と能力を制限する鎖、それ以外は無し。 洗脳や強制は、認められませんでした。 牢の中には、ですけど。 」
ドクターを見返してやる。 ほれ、まとめておくれ。
「 我々は、誰も現場を見ていません。 ですが本人が認めていますし、反省もしていませんでした。 罰は後日連絡が在るようです。 」
「 そんな人には見えませんでした・・・・・・ 」
白川さんが悲しそうなんで、一応をフォローしておこう。 おじさんになったら、気配りは大切だ。
「 罪を犯せば、罰が付いてくる。 それは、何処でも同じじゃないですかね。 」
「 召喚者特権とかは無いんすか。 知らない世界に連れてこられたんすよ? ストレスで一時的に変になっただけかも。 」
「 河原さん、それが命を奪っても、許される理由になりますか? 後ろから刺されそうなんで、私は一緒に居たく在りません。 」
「「「 ・・・・・・ 」」」
え、違うの?
「 この4人で頑張っていきましょう。 手柄を上げれば、彼の恩赦も期待できます。 」
恩赦ね~、断言して大丈夫かドクター。
結局、ドクターと私の2人で昼食となった。 同僚が殺人を犯しても、食事できるぞおじさんは。
昼食後に、明日から教育を始めると連絡が在ったって、クリスさんが言ってた。 〔 09:00 〕 図書室集合だって。
お休みは、今日までですな。
気が付かれた点など在りましたら、読後の感想をお待ちしています。