海と魔素
初投稿となります、よろしくお願いします。
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
天候不順が続いていまんで、みなさんも偏頭痛に注意して下さい。
・変なことに巻き込まれ色々あって一度死んだんだが、少年に召喚され蘇る。 カリウス家のお茶会で使用する素材を集めるため、エルフが管理する森へお出かけ。
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「 晴れて良かったわ! ピクニックには最高の日ね! 」
マリアさんはニコニコだ、マライアもマルセラも久しぶりの森へのお出かけなんでニコニコだ。
俺は少々複雑だ。
「 リオ。 もう気にしないの 」
マリアさんが頭をナデナデしてくるけど、俺の視線は馬車の外に釘付けだ。
そこには騎士20と兵士50人に守られてる馬車がある、乗っているのはアンナ様でカリウス様の次女だ。
「 魔道具のモニタだけ貸してくれれば、こんなに護衛は必要ないんだけどね 」
「 カリウス様も心配なのよ、子供を2人とも失う訳にはいかないんだから 」
「 それは理解できるけど。 アンナ様が着いてこなければ良かったんじゃないかな 」
俺はマリアさん達と一緒の馬車に乗って森に向かってる、王都を出て1時間ほどのところにある初級冒険者が採取依頼で来るような森だ、それほど危険は無いらしい。
んでも、カリウス様は馬車についてる直接援護だけでなく冒険者を雇って現地に待機させてるんだと、人数は知らん。
冒険者には植物採取(薬草じゃ無い)の仕事がメインだからまだ判るんだが、護衛が多すぎだと思うんだよな。
それにだ、モニターを貸し出せば済むのに、わざわざアンナ様に持たせて同行させたって事はだ。
「 カリウス侯爵に信用されてないってことかな 」
「 ん~そうね~。 それより、アンナ様がお茶会のお手伝いをしたって言う事実が欲しかったんじゃ無い? 」
今回カリウス家が開催する予定のお茶会はかなり注目されているんだと、古代の魔道具から作り出される品々が主な理由らしい。
その品々を作れる魔道具を使えるのは俺だけなんだから、もう少し信用して欲しいものだが。
これはアレか、マリアさんの薬で治ったのに王様からの褒美はカリウス様が貰った事が前にあったし、それと同じ事になりそうな気がする。
カリウス様は家族以外を信用しない人なのかもな、注意しておいたほうが良さそうだ。
森の手前で馬車を降りる、テントが張られているのはアンナ様用の待機場所だろう、俺達は案内されなかった。
予定では騎士が守るテントの中でアンナ様が待機して、冒険者がもってくる植物をモニタと比較することになってる。
似ている植物は鑑定で種類を確定し、現在の名前と生育場所を記録することになってる。
冒険者は完全出来高制で似てない植物だとお金は貰えないんだと、日当としての参加費は出るらしいけど。
「 リオ、こっちよ 」
マライアと手を繋いだマリアさんに先導されて、冒険者とは別の方角へと森の中を進んでる。
マルセラは1人で、俺はクロエさんと手を繋いで最後尾を歩く。
弱いとは言え魔物が出る森の中で油断しすぎだろって思ったけど、森の中に入ったエルフは強いから心配ないそうだ、森が色々と教えてくれるんだと。
「 歩きやすい、あんまり疲れない 」
30分歩いたんだがほとんど疲れていない、俺のステータスはダンジョンでレベルアップしてるお陰で並みの大人以上だ。
それでも初級者用とは言っても森は森だ、舗装されてる訳じゃないしアップダウンもあるし、歩き難いハズなんだが。
「 ハイエルフが3人と、黒エルフもいるんだから当たり前よ? 」
「 魔法的な何かで歩きやすいの? 」
クロエさんに聞いてみる、魔法的なものかそれとも加護的なもので歩き易いんだろうか。
「 そうよ。 ここの森にはエルフの結界魔法が掛かっているからね 」
森に入って直ぐの所は弱くて奥に向かうとだんだん強くなり、最悪の場合は迷い続けて飢えで命を落とすそうだ、認識阻害とかの結界なんだろう。
「 リオは大丈夫よ。 みんなで順番に保護の魔法を掛けてるから 」
「 みんなで? マライアも魔法を使ってるの? 」
「 そうですよ! 私もお兄様に魔法を掛けてるんですから! 」
振り返ったマライアがニコニコ話し掛けてくる、森の中でよそ見しても転ばないのはエルフだからだろうか。
木の枝とか石とか色々落ちてるんだけどな、木の根っこも出てるんだが。
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マリアさんが足を止めたのは小川のほとりのちょっと開けた場所、小川の水深は歩いてわたれるほど浅いし川幅は2mくらい。
流れも穏やかだしスゲー綺麗な水にみえる、生では飲まないけどな。
狭い所を選んでジャンプすれば飛び越せそうだし、大きな石を選んで上を歩いても渡れそうだ。
「 ここでお昼にしましょうか 」 渡らないんだと。
マリアさんとクロエさんとマルセラが、持って来た荷物を下ろしてシートを広げてお昼の準備。
俺はマライアと一緒に小川の観察だ。
小川には魚の姿は無い、石をひっくり返してもヒルも昆虫もいない川だ。
周りの木々は高く、低いところには枝が無い、そういう品種の木なのか誰かが手を入れてるのか。
木が茂ってるのに明るいから嫌な感じはしないし、魔物の気配も無い。
「 リオ! マルセラ! お昼よ! 」
「 ママ、いま行くよ! 」
手はよく洗っておく、マリアさんとクロエさんがこっちを見てるけど気のせいだ。
生物が居ない川だから水筒の水で手を洗いたいが、飲み水を減らすのは良くない、何が有るか判らないんだから水は大切にしないと。
「 リオ! その川の水は飲めるわよ! 」 心配し過ぎたようだ。
お昼ご飯はサンドイッチ、肉とハムと野菜がたっぷりだ。
ハイエルフも黒エルフも肉だって普通に食べる、元は同じ人間でミューティションしただけだからな。
「 今日のサンドイッチは、私も作ったんですよ! 」
「 ママと姉さんを手伝ったんだね? 偉いぞマルセラ 」 頭を撫でてあげよう。
今日のマルセラは元気だな、家からずっとニコニコしてる。
クロエさんは顔を背けているけどツッコんじゃいけない、誰にでも苦手な事は在る。
「 ママ、ここは不思議な感じのする場所だね。 見たことの無い植物も生えてるし 」
「 結界が在るからかしらね。 そうそう、あのあたりの草でもポーションを作れるかもね 」
「 え? そうなの? 」
「 大変だけど作れないことは無いのよ? 」
マリアさんが話では、ほとんどの植物には魔素が含まれてるから、それを抽出して原液とすると。
そのままだと単なる魔素入りの水だから、魔法を掛けて魔素の方向性を決めてやると回復ポーションになるんだと。
だったら、水に魔素を混ぜただけでもポーションの原液になりそうなんだが。
「 薬草から採った原液は魔素もタップリ入ってるし、魔素が抜けにくいの。 回復ポーションにも変えやすいしね! 」
「 普通の水だと魔素が抜けちゃうんだね? 」
「 直ぐには無くなるんじゃないけど、それでもポーションにはならないわね 」
「 難しいんだね 」
魔素が水に溶けてそのまま保持出来るんなら、全部の魔素が雨で流れて海に貯まるか。
最近魔素は減ってるのに海は関係なさそうだ。
気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。