伝言ゲーム
初投稿となります。 よろしくお願いします。
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
・変なことに巻き込まれ色々あって一度死んだんだが、少年に召喚され蘇る。 侯爵家の奥様主催のお茶会に出席してまったり中。
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「 マリオン様 」
トイレから出た俺を待っていたのはロングスカートのメイドさん、眼鏡を掛けてるし、お肌が曲がってるから歳もそれなりだろう。
「 なんでしょう? 」
差し出されたタオルを断って、持参したタオルで手を拭きながら廊下の壁を背にするように移動。
侯爵家の使用人が独走して、トラブルの基だからって俺を排除する可能性も捨てきれない、油断は禁物だ。
『 狙われてる 』 って聞かされてから神経質気味なんだよ、俺の後ろに立たないで欲しい。
「 私は当家でメイド長をしております、お見知りおきを 」
ゆったりとお辞儀する彼女の後方には2人のメイドさん、こっちは20歳台だな。
スカートの長さは歳に比例するのか、それとも侯爵家の内部での地位に比例するのか。
「 マリオン様にお願いが御座います 」
「 僕にですか? 」 この世から消えてくれって言うなよ。
「 はい。 大変心苦しいのですが・・・・・・ 」
「 お待たせしました 」
「 どうリオ、これ似合うかしら? 」
魔道具製造魔道具の前で、下着姿のマリアさんがポージングしてる、すぐ側にはマライアとマルセラも各々ポージングしてる、クレマチスさんも居るけど服は着てるしポーズも無しだ。
マリアさんはハイエルフで肌は白い、俺としては白を推してみた、クロエさんは黒エルフだから黒と黒で目立たなかったけど。
「 僕は似合ってると思うよ 」
「 そう? じゃあ、これにするわ! 」
「 リオ! 私はどうかしら 」
「 兄様、私は? 」
お茶会での悪巧みが一段落すると、俺の予想通り魔道具の部屋へ移動となった、目的は自分用の下着の製作、まぁ予想通りだ。
3人分だから昨日の3倍時間が掛かると俺の脚が持たない、早めに終わることを祈ろう。
「 ママ、作業着があるよ。 ツナギだけど抗菌・防臭・防汚だって 」
「 こうきん? ぼうしゅう? 」
マリアさんがモニタを見てる俺の後ろに歩いてくる。
「 これ、カビなんかの雑菌が付きにくいし、匂い移りも抑えて汚れが落ちやすいって。 ポーション作る時に着れば品質が上がると思うよ 」
「 フォリア、良いかしら? 」
「 良いわよ。 マリオン君、まだ作れるのよね? 」
「 はい、作成可能数は ”999+” のままです 」
頷くフォリア様、作っても良さそうだ。
作ったのはマリアさんとマライアは下着10セットと作業着3着、マルセラは10枚と1着だ。
マルセラが10枚なのはセットの上が物理的に装着不可能だったから、本人は悔しがってたけど俺に出来る事は無い。
クレマチスさんは1セットだけで良いんだと、遠慮してるのか?
「 ありがとうフォリア、大切にするわ 」
「 どう致しまして 」
モニタを確認する、作成可能数はまだ ”999+” のままだ、どれだけ貯め込んでたんだろ。
それより気になるのは魔力の残り、バーゲージだから詳細は判らないが昨日から殆ど回復してない、このままじゃ素材より先に魔力が底をつく。
「 リオ、どうしたの? 」
「 ママ、とりあえず服を着たら? 」
『 あら、そうね! 』って服を取りに行くマリアさん、この部屋に居るのは全員女性(俺はここに居るけど)だからって油断しすぎだ。
「 何か気になるの? 」
マリアさん達が着替えてる隙にフォリア様が来た。
「 この魔道具には魔素収集装置が付いてて、自動的に魔力を補充できるはずなんですが・・・・・・。
魔力が昨日から殆ど回復していないんです 」
「 魔道具に魔力を補充? 魔石を交換するんじゃ無くて? 」
「 魔力を補充ですね 」
「 ? 」
「 え~っと。 フォリア様、魔道具に魔力を補充しないと、魔力が切れたら使えなくなりますよね 」
「 そうね、だから魔石を交換するのよね? 」
「 魔石を交換するのもいいんですが、手間が掛かりますし交換が大変な場所も在ります 」
天井に設置してある照明用の魔道具を指さす、あれはセントラルライティングのハズ、魔力の補充もしているはずだ。
「 あれの魔石を交換するのは大変です 」
まだ納得してないなフォリア様、助けてメイド長。
「 奥様。 灯りの魔道具は、毎日我々が魔力を補充しております 」
「 そうなの? 」
「 はい。 夜番の業務になっております 」
優雅に一礼するメイド長。
「 知らなかったわ 」
「 主に気付かれない心遣いこそ、メイドの神髄で御座います 」
なんだろう、偉そうでちょっとイタズラしたくなった。
「 つまり、魔道具の魔力は補充できるのね? 」
「 ええ、そうです。 だから魔石を山ほど用意するより、この魔道具にも魔力を補充してして欲しいなって 」
「 ・・・・・・そうね。 大きな魔石は金貨を積んだだけじゃ手に入らないし、魔力を補充した方が良さそうね 」
「 灯りの魔道具と違って沢山の魔力が必要になります、それなりの対価を用意した方がいいかも 」
「 魔力はどのくらい必要なのかしら? 」
「 それを今から試してみたいんですが 」
試験も出来るし、メイド長のお願いも達成できそうだ。
魔道具に魔力を補充できるのを知らないとはな、貴族流の無駄遣いってやつなのか、それとも5000年の伝言ゲームに失敗したのか。
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お茶会が合わった午後、1人残って魔道具の試験を実施。
カリウス家のメイドさん(女性だけだ)32名、その内の昼番の25名を部屋に呼んでもらって試験開始、男は知らん。
今持ってる魔力の半分を魔道具に補充して貰う、対価は下着セットを3つ、スポーティータイプだ。
2名はノーマルタイプになった、標準より大き過ぎてスポーティーの上がサイズが合わなかったから。
「 試験完了です。 いい感じですね 」
「 良かったわ、それで? 」 フォリア様、俺の頭に乗せるのは止めてくれ。
「 メイドさん25名に3セットずつ75セット作りました、でも魔力は少しですが回復してます。 これなら毎日魔力を補充するようにすれば、そのうち魔道具の魔力を満タンに出来ます 」
「 あらステキ 」
「 今、魔石は2個しかセットされていませんから、あと2個もセットしておきましょう。 それも満タンに出来るはずです。 製作可能数は ”982”になっちゃいましたけど、足りますか? 」
「 そこは要検討ね。 それで、支給した物が破れたりしたら、作り直せるのよね? 」
「 はい。 素材に分解して再利用するから素材は殆んど消費しません、魔力は必要ですけど 」
「 ・・・・・・サイズが合わなくなっても、造り直せるのよね? 」
「 はい、造り直せばいいだけです。 だから少しだけ用意して、定期的に作り直した方が良いでしょうね 」 サイズもピッタリ、いつでも新品ってね。
「 全員に言っておいてね 」
「 畏まりました 」
背後に居るメイド長に指示するフォリア様、どこかしら優雅じゃないお辞儀をするメイド長。
「 それにも早く慣れなさい 」 フォリア様は楽しそうだ。
「 ・・・・・・はい、奥様 」
作業服の欄にメイド服が在った、抗菌・防臭・防汚でオマケに耐刀性能も在ったんでメイド長専用で作ってみた。
スカート部分がちょっと短めで膝上10cm、デザインはフォリア様も承認したからな、俺は悪くない。
気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。