ライトソード
初投稿となります。 よろしくお願いします。
舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。
・変なことに巻き込まれ色々あって一度死んだんだが、少年に召喚され蘇る。 ダンジョンの異変に遭遇したが生還し、魔道具の修理を試みた。
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「 他に造れるもの・・・・・・そうですね、前に頂いたシャンプーやリンス、ボディソープが作れますね。 洗顔フォームや化粧水、保湿剤なんかも作れます 」
「 他には? 」
「 美容関連が多いですね。 ハンドクリーム、リップクリームの色付きラメ入り!? 」 白川さんだろこれ追加したの。
「 そうではなくてな、武器や防具は無いのかね? 」
「 武器ですか・・・・・・ 」
メイドさんがダッシュで部屋を出てった、何かあったのか?
パネルの武器タブをタップする、剣と槍ならあるな。
「 在りますね。 剣は、炎の魔剣、氷の魔剣、ライトソードの3種類ですね 」
「 魔剣!? 魔剣が作れるのか! 」
侯爵が俺の後に移動してパネルを覗き込む。
「 これか? これが魔剣! 」 鼻息の荒いおっさんに近寄られると気持ち悪いんだが
「 ええ。 同じシリーズで槍も在ります 」
槍のタブをタップして表示する。
「 炎の魔剣と氷の魔剣は判る、ライトソードと言うのは何かね? 」
「 ライトなソードです 」
ライトソードって魔剣と違って柄の部分しか表示されてないんだよな、パッと見ただけだと短い棒にしか見えない。
「 ライトなソード? ・・・・・・明るくなるのか? 」 玩具じゃないんだから。
「 いいえ。 ライトアローのアローの部分が剣になります、ここから、こんな感じでアローの部分が出て剣になります 」
パネルの表示された柄の部分から指を滑らせる、侯爵が固まった。
ブツブツ小さな声で何か言ってるけど、勇者? ラナ? しか聞き取れん。
「 それは本当に作れるのかね? 」
作成不可能なものはグレーで表示される仕様のハズ、念のため作成手順を進めてみる、魔力タイプと魔石タイプが在ったけどちょっと悩んで魔石タイプを選択、作成可能数が5個になってるのを確認。
「 5個なら作れます 」
「 よし! 」 おっさんがガッツポーズしとる。
「 直ぐに作ってくれ! 」
「 判りました 」 数は2個でいいか。
「 作成開始しました、あと5分お待ちください 」
「 5分だな! 」
「 それと、ライトソードは魔道具になります。 魔石が必要になりますので用意して頂けますか? 」
「 魔石だな 」
「 大きさが25~35mmの魔石が必要です 」
「 25mm! いや、用意しよう、しばし待っていてくれ 」
言い終わると部屋をダッシュで出て行く侯爵、ダッシュが好きだなこの屋敷の住人は。
「 クロエさんも用意しておいてくださいね 」
「 私も? 」
「 ええ、動作確認用に2個用意しましたんで。 手持ちが在りませんかね? 」
「 在るわよ、こう見えてもAランクの冒険者なんだから 」
腰の後ろのケースから魔石を取り出すクロエさん、手の平を広げて俺に差し出す。
「 魔物から採った大きな魔石は持ち歩いているの 」
ライトソードに使えそうなのも在るが全体的に小ぶりだな、ライトソードに使えそうな魔石が4個ほどある。
1つだけ受け取り残りはお返しする、ライトソードの完成と侯爵が戻ってくるのがほぼ同時だった。
侯爵が持って来たのはゴテゴテした装飾の付いた箱で、中には1個ずつ小分けにした魔石が入っていたが、そんなに大きな物は無い。
完成したライトソードをクロエさんと侯爵に渡す、クロエさんには魔石も渡す。
魔石の交換方法を教えて、起動方法を教える。
「 この魔道具は、最初に使った者の魔力パターンを記憶します。 一度魔力パターンを記憶させると、本人以外は使えなくなりますので注意して下さい 」
「 魔力パターン? それは何かね? 」
「 魔力のパターンですが? 」 知ってるよね、クロエさん。
「 私も知らないわ 」
頭をかしげるクロエさん、そこから説明なのか。 面倒だ。
ダッシュで出てったメイドさんが戻って来たな。
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「 なるほど。 大昔は個人の識別に魔力パターンを使用していたんだな 」
「 魔力は人によって違うのね 」
「 魔力パターンの複製は不可能でしょう、だから本人確認に使われます。 って言うか、皆さんはどうやって魔道具をロックしてるんです? 」
「 魔道具にロックするのは聞いた事が無いな。 誰でも使えるのが魔道具だからな 」 それ言ったの俺。
「 では、念のためクロエさんから操作を始めて下さい 」
クロエさんに起動してもらう、異常なし、侯爵に起動してもらう、こちらも異常なし。
2人とも感触を確かめるようにソードを振っている、剣に比べると質量が0に近いし。
「 動作に問題は無いようですね 」
「 これはどの程度切れるのかね? 」
「 切れ味の説明は在りませんね 」 取説は無いんだよな。
「 何かを斬って、試して頂くしかないかと 」
「 試し斬りが必要か、では 『 あなた、楽しそうですわね 』 フォリア! 何故ここに! 」
声のした方を見ると、開いた扉の側に扇子を手にしたフォリアさんが立っていた。
扇子を手の平でペシペシしている理由は謎だ。
「 私に相談も無く、魔石をお使いになったとか? 」
「 いや、これはだな 『 大きな魔石が貴重なのはご存じでしょう? 』 ・・・・・・ 」
「 とは言え、お気持ちは判ります。 勇者様がお使いになっていた剣、ライトソードですものね? 」
「 そうなんだ! これはどうしても欲しかった剣なんだよ! 」
「 貴方、試し斬りをされるのでは? 私も欲しい物がありますので 」
「 ・・・・・・そうだな、では行ってくる 」
侯爵夫婦間でなにやら合意が形成された模様、そして30mmの魔石でもそれなりに価値があるようだ。
部屋をダッシュで出てったメイドさんは、フォリア様に知らせに行ったと確信。
「 マリオン君。 何が出来るのか見せてくれるかしら? 」
「 はい、こちらへどうぞ 」
説明するより見てもらった方が早いから、パネルの前にお招きしたんだが、なぜだが俺の後ろに立った。
まぁ、俺よりフォリア様の方が身長高いから、操作はしやすいから文句はない。
最終的な指示は、美容関連品を全種類1個ずつ(色違い含む)、製造可能数は999+だったから作れたけど、多すぎる気がする。
「 他には何か無いのかしら? ドレスとかは? 」
「 普段着や作業着はありますが、ドレスはありません 」
「 あら残念 」
「 あ~でも、肌着はありますね。 女性専用のもあります。 これですね 」
パネルを操作して表示すると、さっきより密着してきたフォリア様のが背中に当たる。
「 とりあえず1セット頂ける? 」
「 判りました・・・・・・サイズの測定が必要ですね。 床の青い丸の中に立って頂いて・・・・・・ 」
中心部に十字が在る青いマルは、パネルの前、俺の真下に光の円で表示された。
俺用を作るんじゃ無いんで、フォリア様を残して移動する、パネルは90度回して俺の正面に持ってくる。
「 ここに立てば良いのかしら? 」
「 はい、そのまましばらく・・・・・・測定完了です 」
「 どうなのかしら? 」
パネルには[ CAUTION ]と赤色で表示されてる、ホントにこのまま作って良いの?だって。
注意の詳細は、まぁあれだな。
「 このままでも作れますが。 より正確に測定するには、中の物をお脱ぎ頂く必要があります 」
「 中のを脱ぐ? 」
「 え~、服の下で締め付けてる、その~、色んなものですね 」 補正下着だよ、言わせんな。
「 あ~判ったわ。 ちょっと待っててくれる? 」
その場で脱げとは言ってない、メイドさんも手伝ってるけど、その前に目隠し用の何かを持って来て欲しい。
後ろを向いてそっとため息をつく、正直見たくない、フォリア様もメイドさん達もクスクス笑ってるけど違うからな。
さっきから当たってたけど胸の正面以外は鉄板並みに固いんだよ、胸の横とか下とか、見てても楽しく無さそうなんだよ。
「 締め付けたりしない物でしたら、身につけて頂いて結構ですので! 」
後ろを見たまま、背中越しにフォリア様にお話しする。
「 終わったわよ 」
振り返るとくびれが少なくなったフォリア様が居た、どんだけ締め付けてたんだ、アラフォーならそんなもんなのか。
とりあえず再測定、今度は注意が出なかった、次の工程なんだが。
「 デザインですが、ノーマル、フォーマル、スポーティーがあります 」
「 ノーマルとフォーマルは判るけど、スポーティーってなんなのかしら? 」
「 運動量が多い方向けですね、冒険者とかメイドさんが該当しそうです 」
「 そうなの、とりあえずフォーマルでお願い 」
「 判りました 」
色は白でいいか、上下セットでフォーマルを1セットと、何か疲れるな。
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フォリア様は肌触りに感激して10色全てをご所望なさった、サイズもホールド感もピッタリだって。
そう言えば白川さんも感激してたな、品質が全然違うって言ってたし。
追加でノーマルも10セットだと。
スポーティーに興味を示されたんで、クロエさんにモデルになってもらった。
「 これは良いわね、動きやすいわ! 」
下着姿で剣を振ってるクロエさん、Aランクの冒険者だけあって動きが速い。
俺が居ても平気で着替えるんだよなクロエさんもフォリア様も。
クロエさんは黒エルフだからン百歳だけど、見た目なら20代だし見てても苦じゃない、色は赤で正解だった。
黒エルフに黒じゃなにも着て無い様に見えるし。
「 汗をかいても直ぐに吸収するみたい、匂いも抑えるって 」
「 ・・・・・・ 」 ピタッと止まったな。
流石に女性に匂いの話は不味かったかって考えてたら、目の前にクロエさんが来てた、動きが無駄に早いな。
「 ホントに? 」
「 ホントです 」 ほら、ここに書いてある。
「 もっと欲しいわ 」
そう言われてもな、これおれの魔道具じゃ無いんだよ。
気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。