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古代文字

初投稿となります。 よろしくお願いします。


舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ色々あって一度死んだんだが、少年に召喚され蘇る。 ダンジョン美容法へ参加中に、ダンジョンの異変に遭遇したが生還。


|||||


拠点で一泊、ダンジョンの入口と拠点周辺は夜の間ずっと厳戒態勢だったらしい。

王都へ戻る案も在ったらしいが、2時間掛かる移動中を狙われるより、拠点に籠もって増援を待つのを選択したんだとか。

ちなみに拠点の中にいた俺たちは平常運転、ゲストだからな。



朝食後に増援部隊500人と一緒に王都に向かう、昼食前には帰宅だ。

と思ったら、そのまま侯爵家に拉致された、ダンジョンの件で話を聞きたいらしい。


「 2人とも、今回の活躍は見事だった 」


「 お役にたてて何よりです 」


侯爵がクロエさんに話し掛けたのは初めてだな、やっとAランク冒険者の実力が認められたか。

あの後、拠点に残った騎士と兵士がダンジョンに突入して中を確認したら、魔物で一杯だったと。

地下1階と2階のお掃除は済んでたけど、3階から下を掃除中なんだと。


「 ありがとうございます。 それで、今回の騒動の原因はなんなんですかね? 」


「 不明だ 」 おいおい不明かよ。


「 マリオン、ダンジョンには時々異変が起きるのよ。 原因は判っていないんだけど 」


「 原因不明の異変ねぇ 」


「 ダンジョンの途中で眩暈がしたって言ってたでしょ? 眩暈って感じたり、地震みたいに揺れたって感じたり、それぞれ違うのよ。 ダンジョンの中で揺れを感じたら撤退、高ランク冒険者の鉄則よ 」



「 関係あるか判らないのだが・・・ 」


カリウス侯爵によると、俺達が潜ったダンジョンのお隣のダンジョンで、別の貴族様がやらかしたらしい。

カリウス家の成功を黙って見ていられなかった別の貴族が(対立してる貴族だって)真似をした。

それで、誤ってダンジョンコアを破壊してダンジョンを潰した、けが人は出なかったらしいが王都周辺にある10階層の小規模ダンジョンが1つ無くなったと。


「 ダンジョンが潰れた時間なんだが、異変の起きた1時間前だそうだ 」


「 ・・・・・・微妙 」 潰れて直ぐなら判るけど 


「 その通りだ、潰れて直ぐなら慰謝料が請求できるのだがな。 とにかくだ、ダンジョンで異変が在ったのに死者が0、これで今後も続けられる。 ホントに助かった 」


まだ続ける気だよこの人、って言うか予約のキャンセルは出てないのか?


「 そう言えば、マリオン君の魔道具が壊れたそうだね 」


「 そうなんです。 途中で壊れました 」 ライトアロー改良版だった物をテーブルに置く。


「 かなり古い物ですし、直せればよいのですが 」


「 かなり古い物だね。 最新版なら手に入れられるが、これは難しいな・・・・・・ 」


最新版はクロエさんが持ってるけど、ゴブリンさえ貫通できないのは要らない。


「 替りの物を用意しようと思っていたのだが。 さて、どうするか 」


「 替りの物? 頂けるのですか? 」


「 勿論だ! ゲストを守ったうえに、騎士と兵士も救ってくれたんだ。 それ位はやらせて貰おう 」


「 ありがとうございます。 ですが、これはかなり旧式ですが? 」


「 そこなのだ。 あの魔道具が動けば良いのだが・・・・・・ 」


ため息をつく侯爵。

よっ! ナイスミドルって心の中で褒めておこう、替りをくれるならな。

それより。


「 あの魔道具とは、なんの魔道具なんですか? 」



|||||



カリウス侯爵に案内されたのは3階にある広い部屋だった、王族の失った足を癒した褒美にって貰った魔道具なんだと。

癒したのはマリアさんの創った特製ポーションなんだが、仲介したのはカリウス侯爵だから褒美もカリウス侯爵が貰う。

おかしくないか?



経年劣化で表面の色が変わってる、あちこち色が違ってるのは修理した痕だろう、でも重要なのはそこじゃない。

懐かしい、ただただ懐かしい。


「 これは、魔石を使って魔道具を創る魔道具なんだよ 」 知ってる、設計したのは俺だ。


古ぼけた魔石タイプの魔道具製造魔道具が、部屋の真ん中に置いてあった。

これが動けばライトアロー改良版が作れる。


「 国王様の話では、3000~4000年前に造られたとか。 魔石の魔力が無くなったので今は動かないがね 」


「 ちょっと見てもいいですか? 」


「 構わないよ、壊さなければね 」


魔道具の周りをグルッと一周見て回る、細かい所が違ってるみたいだが初期製造ロットだろうか。

パネルを操作するが反応は無い、カバーを外して魔石を確認したら魔石が無かった。


「 カリウス侯爵。 魔石が無いようですが 」


「 ・・・・・・ああ。 魔力が無くなったんで取り外して、別に保管している 」


「 なるほど 」


魔石が無いと何もできない、魔石タイプの欠点だ。

まぁ、どうせ壊れた魔道具だし、ライトアロー改良版の魔石を嵌めてみるか、なにも作れないだろうが魔道具の状態を確認することはできる。


「 工具をお借りしても? 」


「 用意させよう 」


部屋にいた派手な服の男に手を振る侯爵、執事じゃないよな、服が派手すぎるし。



さっきの男が戻って来て、使用人が持ってきた箱を俺の前に置くように指示した。

工具を使ってライトアローの魔石を外して魔道具製造魔道具にセットする、パネルを操作すると今度は起動した。

組み込み式の自己診断装置が起動する、壊れてないと良いんだが。



「 診断終了。 損傷なし 」


パネルの歯車をタッチして初期設定画面を表示、デザインを歯車にしたのは俺の趣味だ、設定っていったら歯車だ。


魔石タイプの魔道具製造魔道具を設計してる時、魔石の魔力が無くなったら動きませんってのが気に入らなかった。

魔力を補充する回路も組み込んだんだが、満タンまで待たないと動かないってのが面倒だった。


んで、スペアの魔石を3つ用意しておくことにした、空になった魔石と交換して魔道具を動かす。

空になった魔石はスペアが在ったとこに戻せばそのうち満タンになる、全部の魔石の魔力が無くなるまでは連続して使えるってコンセプトだ、おじさんの設計はエンドユーザーには優しいのだよ。


パネルには黒丸が2つと白丸が1つ並んでた。


「 スペアは2つか 」 1つ足りないがまあいいだろ


スペア保管庫のパネルを開けて魔石を取り出し、ライトアローの魔石と交換、これで動く。


「 再起動完了。 魔力は充分だな 」


魔力残量は%表示じゃなくバー表示だから細かい数値は判らないが、バーゲージはほぼ満タンを示してる。

スペアの魔石が1つしかないから稼働時間は設計値の半分だが、俺の魔道具を直すには十分だ。


「 カリウス侯爵、これで私の魔道具が直せると思います 」


振り向いて侯爵に話し掛けたんだが固まってた、よく見ると部屋にいた全員が固まってるな。

クロエさんの目がまん丸だし。



「 驚いたな! 君は魔道具も扱えるのか! 」


「 だれでも使えるから、魔道具なのでは? 」




   名 前:マリオン

   年 齢:10

   称 号:なし

   職 業:調剤師見習い

   レベル:18

   H P:50/50

   M P:90/90

   筋 力:24/24

   知 力:67/67

   素早さ:29/29

   器用さ:66/66

   技 術:薬鑑定3   創薬3


俺が表示したステータスを覗き込むクロエさんと侯爵、侯爵が見せろって言ったから見せてる、結構レベルが上がってるな。


「 魔道具や錬金術に関する技術は持っていないようだが・・・・・・不思議なものだ 」


「 魔道具に関する技術が無くても、この(・・)魔道具は扱えると思いますよ? 」 使えるように設計したからな、俺が。


「 魔道具を直すのは、魔道具師の技術が必要なはずだ 」

「 錬金術の技術も必要よ 」


魔力を持ってれば扱えるように設計したんだから、動いて当たり前なんだがな。

それにやったのは魔石の交換だけだ、電池を交換するのに技術やスキルは必要ない。


「 誰でも使えるから魔道具だと思いますが 」


「 う~む 」 何か考えてるみたいだが。



「 魔道具の修理を始めてもよろしいですか? 」


「 かまわん 」


「 それでは 」


パネルを操作してライトアロー改良版を選択、製造を実行、材料が足りないって表示されたんで壊れたライトアローの魔道具を入れる。

壊れた魔道具を分解して材料にする、そこから再構築するから材料は足りるはず、なんだが。


「 侯爵。 いくつか足りない素材があるようです 」


「 カリウスでよい。 それで何が足りないのだ? 」


「 カリウス様。 魔石の粉とインクです、魔法陣を描くために使います。 出来るだけ品質が高い物が良いのですが 」


魔法陣を描くためのインクが無いんだと、インク切れだよ。


「 ・・・・・・ 」


手を振る侯爵、貴族ってのは声に出さないで指示するものなのか。



完成したライトアローを左手にはめる、試し撃ちが必要だ。


「 カリウス様、試し撃ちが必要なのですが。 窓から撃ってもよろしいですか? もちろん空に向かって撃ちます 」


「 かまわん 」


「 では 」


メイドさんが開けてくれた窓から空へ向かって撃つ、動作不良はない。


「 ありがとう御座います、問題無いようです 」


「 完成したのかな? 」


「 はい、完成しました 」


「 他には何か作れるの物は在るのかな? 」


「 そうですね・・・・・・色々作れるようですが。 何がよろしいでしょうか? 」



「「「 !!! 」」」


また全員止まってるな。


「 マリオン、君は古代文字が読めるのかね? 」


「 古代文字? 」


「 その魔道具に使われているのは、数千年前に使われていた古代文字だ 」


「 読めますね 」


5000年前の文字だと古代文字になるんだな。

気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。

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