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聖女の予言

初投稿となります。 よろしくお願いします。


舞台設定を簡単に、出来る限り狭い範囲で進める予定です。 戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくしていきます。


・変なことに巻き込まれ、気が付いたら牢みたいな部屋の中。 異世界で、魔道具を改造出来る技術を手に入れる。 地下施設を利用して魔星迎撃の計画中に、暗黒邪神教の襲撃を受けた。



|||||



城内の会議室で打ち合わせ中。

会議、打ち合わせ、ミーティング、懐かしいな。

もう出席する事なんか無いと思ってた。


召喚者の今後の活動を決める会議は、召喚者も参加して定期的に開かれるのが通例らしい。

今回の召喚はイレギュラーで、魔物も少ないんで今日まで開かれなかったんだと。

だから1回目の会議だそうだ、参加してるのは国のお偉いさんと召喚者。


「 昨日の暗黒邪神教の襲撃について報告します。 邪神教信者の死者8611人、ケガ人はおりません 」


王都の住民の4~5%が教徒だったって事か、多いな。


「 ケガ人が居ないとはどう言う事かね? 」


衛士長の報告に、宮廷魔術師筆頭のツッコミが入る。



「 邪教徒どもは逃げませんでした。 「 御神体をこの手に 」と叫びつつ最後まで抵抗しましたので、やむを得ず処理致しました 」


だな、俺も最後まで撃ってた。

武器を持たない住民を何人倒したのか判らないが、罪悪感は無い。


武器も持たずに特攻って、あり得ない。

だから宗教が好きになれんのだよ、おじさんは。



「 それで背後関係の調査が出来るのかね? 」


「 昨夜の内に元宰相の屋敷を調査、屋敷内に居た者は使用人も含め、全員を牢に入れてあります。 また、屋敷の隠し部屋から教団の名簿が見つかりましたので、これを元に関係者の調査を進めております 」


「 それならば問題は在るまい 」


「 名簿によりますと、元宰相は教皇と名乗っていたようです。 資金源となっていた商人は全て死亡、家財は没収致済みです。 また今回の襲撃により、教団全体の上位3/4は死亡しています。 我が国に限れば末端を除いてほぼ壊滅です 」



「 充分な成果でしょう。 召喚者様に感謝を 」


俺をムリヤリ最前線に引っ張った女王様が何か言ってるけど、無視だ無視。

どうも女王様は、防護服を着た俺を餌にした感じがするんだよな。

上手く利用して立ち回ったけど、何か気に入らん。



「 なお御神体についてですが、その後の行方は判りません 」  ここに居るけどな。


「 衛兵と兵士の被害ですが、聖女様と治療所の働きで死亡した者はおりません。 衛兵にも信者が紛れ込んでおりましたので、全員の身元を再調査しましたが教団の者はおりませんでした 」


黙って頷く女王様。


女王様の席は最上位のお誕生日席、白川さんと河原君はその近くに座ってる。

俺は1番下座の角、場所を変れと言ってきた奴を睨み返して確保した。

おじさんはここが落ち着くんだよ、壁際のオブザーバー席ならもっと良かったんだが。



「 他国の貴族の名前も在りましたね? 」


「 今朝、早馬を出しました。 2週間以内には、全ての国に連絡が届くと思います 」


早くも新しい宰相が居る、変わりは幾らでも居ると言う事だ。

組織ってそんなもんだ、社長が居なくなっても、係長が居なくなっても会社は回る。

自分がその立場だったらチョット寂しいけど、それが組織だしな。




「 嵐が来ます! 」


突然白川さんが立ち上がって叫んだ。


「 大きな嵐が来ます! 」


「 聖女様、どういう事なのですか? 」  女王様、棒読みになってるぞ。


「 世界に混乱をもたらしている魔星は、間もなく滅ぶでしょう。 しかし魔星は最後の呪いを掛けました、強力な呪いです 」


会議の参加者がざわめく。


「 守護の壁は消え、魔物と直接対決しなければなりません。 強い魔物が現れるでしょう 」


両手を胸の前で組み45度上を向く、頬が少し赤くなってる。

天に祈りを捧げる聖女様。


目線と、顎、胸から腰と足のラインが素晴らしい、完璧だ。

拍手したら睨まれるかな。



「 備えましょう。 そしてこの困難を皆で乗り越えるのです 」


「 聖女様。 魔星の呪いとは? 嵐はいつ来るのですか? 」


「 女王様。 大きな魔力の嵐です、遅くとも2月(ふたつき)と半の(のち)に魔物の氾濫が起こるでしょう 」


「 判りました。 皆の者、剣を研ぎ盾を磨くのです。 そして備えるのです、魔物の氾濫に 」



|||||



会議も終わって地下に移動、俺の部屋にみんな集まって昼食中。

集まってるのは、俺とラナとメイドさんズ、白川さんとリナ、河原君、オマケで女王様。

女王様はオマケなんだよ。


会議はさっくり午前中に終了した、今までは2~3日やってたらしいけど。

前もって根回しはしておいたからな。




暗黒邪神教の襲撃があった日の夕方、宮廷魔術師に魔道書大全を持ってった。

火,水,風,光,地の5属性を1セットにした物を10セット。


バリバリの広範囲攻撃魔法から、農作物の育成促進魔法まで入ってる優れもの。

施設のメモリーに保存されてたんで、本にしてみた。



「 こ、これは、失われた魔道書!? 」


「 聖女様の命により復元しました、近いうちに必要になるだろうと。 ぜひ役立てて頂きたい 」


「 ・・・・・・しかし復元とは。 どうやったのですかな? 」


「 全ての魔法が使える様になった時、お教えしましょう 」


「 これを使いこなせと仰る・・・・・・ 」


爺ちゃんが、テーブルの上にある魔道書大全に目を落とす。

泣いてるのか、泣くなよ。


「 聖女様の御期待に答えましょう、見事使いこなしてみせましょうぞ! 」


ハイハイ、無理しない程度にね。





その後、衛兵の詰め所に寄って、ライトシールドの魔道具を200個置いてきた。

全員分は無くても良いだろうと判断、他にも作る魔道具一杯在るし。


「 聖女様の命により作成した魔道具です、近いうちに必要になるだろうと。 ぜひ役立てて頂きたい 」


「 ありがたく頂戴致します。 聖女様によしなにお伝え下さい 」


深々とお辞儀されてしまったが、俺じゃ無くて聖女様へのお辞儀だからな。

気にしない。




「 聖女様の予言が在ったと城内で話題になっています。 皆、準備を始めているようですね 」


準備と言っても、480年周期の氾濫に備える準備のようだが。

それを魔道具と魔道書大全で底上げする。


食事中の女王様は、何時も何か顔に付けているんだが。

これは俺に取れと言う事か? 水洗いで良ければ、バケツで水をぶっ掛けてやるが。



「 あれは見事だった 」


「 はい波乱様。 宮廷画家が、絵を書きを始めたと聞いています 」 題名は予言の聖女かな?


「 あれは凄かったっす。 聖女って感じがビンビンしたっすね! 」


あ。 白川さんが真っ赤になって、オーバーヒートした。

テーブルに突っ伏してるし、当分戻って来られないな、これは。




魔星破壊後に来る魔物の氾濫に備え、俺たちは幾つかの準備を始めた。

施設に保管されてたデータで、魔道書を作成した。

魔術師の数が少ないから、早めに育成しないとな。


んでも、魔道書が在って呪文が判っても、白川さんも河原君もレベルが低くて使えなかった。

レベル上げすれば使えるみたいだが、半年くらい掛かりそうなんで間に合わない。


最初の氾濫は、剣と魔道具で戦うしかないと判明。

レベルが上がれば魔法も戦力になるんで、それまでは他の手段で耐えるしか無い。




防御力の改善

ライトシールドの量産を始めた。

個人レベルになるが、防御力を上げるには簡単で効果も高いと判断。

通信用魔道具の生産。



攻撃力の改善

ライトアロー(改良板)とライトアローの魔道具量産

魔石を使用するタイプと魔力を使用するタイプを、使い分けて頂こうかと。


ファイヤアローの魔道具量産

火に弱い魔物用だな。


アースアローの量産

ライトアローもファイアアローも、雨と雪で大きく減衰して有効射程と威力が落ちるから、その対策用。

雨と雪に弱いって火縄銃並みなんだが。


質量兵器枠。


ライトアロー6、ファイヤアロー2、アースアロー2の割合で造ってる。



継戦能力の向上

魔道具製造用の魔道具の魔石タイプを製造中

施設外でも造れるようにしておかないと、この施設が止まったら魔道具が作れませんじゃ困る。


最低でも2台、出来れば3台をワンセットにして、3セットは用意する予定。

1台が壊れたら、残った方で修理用部品を造れるようにしておく。

修理しながら使えば、長く使えるからな。



聖女様の予言

急に魔星が無くなったら皆が動揺するんで、前もって知らせておきたい。

でも、”なんで魔星が無くなる事が事前に判ったんだ” と聞かれると返答に困る。

ここの施設については秘密にしておきたいし。


で、聖女様の予言にしておけば、何とかなるんじゃないかと。

完全に人任せだが。


白川さんが嫌がったけど、人々のためになるよって説得した。

会議の席上で ”予言” する事になったんだが、ポージングは女王様とラナ達が考えたらしい。

似合ってたから文句は無い。



「 今の所上手くいってるから、これなら何とかなるだろ 」


「 はい、波乱様 」


「 後は例の後始末なんだが 」


鮟鱇邪神教じゃなくて暗黒邪神教が騒ぎを起こしたのは、王都に出回りはじめた新商品(施設から持ち出した品々)の独占を狙った犯行、って事で女王様が噂を流した。

女王様はクイッてやっただけなんだが。



「 反国王派の勢力がかなり弱くなっていますから、計画通り進むでしょう。 それより、例の新商品はもっと作れないのですか? 褒美として下賜するのに、ちょうど良いんですが 」


「 調べておきますよ。 足りない材料が在れば連絡します 」



何だろう、蹴りたい。

アリウムを見るとグリグリしたくなったし、これが相性なんだろうか。


気付かれた点などが在りましたら、読後の感想をお待ちしています。

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