トイレ革命
【トイレの中で思いついた、こんなことにならないかなーっていう妄想です。】
トイレが、医療の一部となってもう随分と経つ。
ドアを開けると、自動でその日の皮膚の状態や体温を測定する。
座ると、痛みのない針で血液検査を行い血圧を測定する。
流し終わる頃には、その日の排便の量や色や成分から内蔵の健康状態を予測する。
その結果は、国民の健康を管理する企業に送られ、データが分析される。分析されたデータは薬局に送られ、その人にあった薬が届けられる。
裏でそのデータは、食品会社や衣料品店・スポーツクラブなどなどの店舗に送られ、各家庭にはそれぞれの店から広告が届くようになる。
こうして、個人で健康を管理しなくても良くなり様々な会社の中から自分の好きなサービスを利用できるようになった。
のちにこの転換期をトイレ革命と呼ぶようになる。
このトイレのデータを利用し、政府は各都道府県・年代・性別・業種ごとに健康データランキングを作成。様々な組織が、健康ランキング上位になるべく対策を行い、人々は健康になった。
だが、健康を押し付けられ、タバコやお酒などといった不健康なものを取り上げられた人々は、だんだんそれがストレスとなって行った。
体には良いことでも、強制されれば大きなストレスとなる。
更に、健康でない者は社会の中で差別され生活しにくくなるという社会現象まで起きた。
体の健康に重点が置かれていたが、これ以降はバランスのとれた総合的健康の判断基準が使用されるようになった。