表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/47

新たな危険

日が暮れた丘に生徒の姿が多数。というか多分、私たち以外の全員がいるような。

地面に降り立った瞬間、ビアンカさんと、ルリアルさんが駆け寄ってくる。

ルリアルさんは泣きそうな顔でかなり心配させてしまったのだと罪悪感が・・。

ビアンカさんは、怖い、あれはめちゃくちゃ怒っている。


「まにあった! まだ焼肉始まってないよ!」

「まだ焼肉始まってない、っじゃないわよ、ミュア。あんたたち来るの遅すぎ、なにやってんの。教員が総出で探し回ってんだけど」


集合場所に無事ついたものの、どうやら大騒ぎになってしまっているようで。

とりあえず、近くを探し回っていた教師が他の教師に、魔法で連絡して騒ぎが収まりまったけど。


「それで、なんであんたたちはそんなに遅れたわけ? っていうか、ミリアル。あんたから血の匂いがするんだけど?」

「あ、あわ・・あの・・・ど、どこか、怪我・・してる・・・?」


血の匂いがするって、う、地味にショック。消臭の魔法とかないのかな。

ええと、猫精霊にきいてみ・・っていないし。


「先輩方、どういうことでしょうか? 後輩が危なくないように監視、援護するのが先輩方の役割ですよね? ミュアが怪我したならわかります。あれは野生児ですから。でもミリアルは、常識はないけど突飛な行動をしたりすることはないし、そこそこ魔法の才もあります。なのにどうしてこんなに濃い血の匂いがするぐらいの怪我をしているんですか」

「ちょっと待って、さりげなく私のこと野生児扱いした!?」


ちょ、ビアンカさんミュアさんが野生児なのは全面的に同意するけれども、先輩たち悪くないしそんなに睨み付けたら。ってなんで、リュウシュン先輩はにこにこしているの! ヴァル先輩はおろおろしているし。うわぁぁ、ど、どうしよう。ビアンカさんがますますイラついている。


「そうですよね、ごめんなさい。途中でミリアルさんたちとはぐれてしまって。合流した時には怪我を。魔物に襲われたみたいで」

「なんではぐれるんですか。ミリアルが勝手に離れていくようなこと考えられないんですけど」


あぁ、それは。って本当のことを話したらクラファレスさんどうなるんだろう。


「それはね、クラファレスさんがミリアルさんと二人になりたかったみたいで、幻惑の魔法で見事に分断されたんだよ」


いっちゃったよ。リュウシュン先輩そんなあっさりと。いや、まぁそれでビアンカさんやほかの人に何か言われちゃうのは自業自得な気もするけど。私も怖い思いをしたし。

あぁ、案の定ビアンカさんの目がこれでもかってぐらい吊り上がって、クラファレスさんをにらんで、クラファレスさん青い顔をしているよ。ご、ご愁傷様。


「クラファレスさん、ちょっとお話があるんだけど? 向こうで話をしましょう」


眉間をぴくぴくさせながらひきつった愛想笑いで、声を淡々とさせながら有無を言わせずにクラファレスさんを引きずって、教師に許可を貰って近くにある森のほうへ。怖い、怖すぎる。


「み、ミリアルちゃん、私たちはビアンカさんを本気で怒らせないようにしようね」


ミュアさんの言葉に全力でうなずくしかなかった。

でも、なんだかんだビアンカさん心配してくれていたんだなぁ。


「う・・かえって・・くれて・・よかった。・・・辺り、一帯・・焼き払って・・・探そうとして・・・・ビアンカさん・・・止めるの・・大変・・」


心配しすぎだから!? 焼き払うとかビアンカさんならできちゃうから洒落にならない、ってか洒落じゃなくて本気だから質が悪いよ。


「あの・・ミリアルちゃん・・・。本当に・・・魔物に襲われた・・・?」


本当にって言われても、あのでかい熊が野生の熊じゃないなら魔物以外はあり得ない気が。


「魔物だったよ。野生の熊じゃない。あれは魔力を纏っていた。さすがに野生の熊と魔物の熊の区別はつくよ。おっと、上級生は先に集まらないといけないみたいでね。じゃあね、ミリアルちゃん、ルリアルさん」


先輩がそう言っているから、やっぱり魔物であっているんじゃ・・。


「・・野生と・・・魔物・・・じゃなくて・・その・・・だって、ありえない・・・。だって・・ここは・・・。ミリアルさん・・・あの・・・。魔物は・・創造召喚魔法で・・誕生するから・・・。どこかに・・・印がつくの。・・普通の生物じゃないって・・証に。何か・・印・・ついていた・・?」


そんなの見る余裕がなかったというか、ほとんど気を失っていたといいますか。


「なかったよ。印から魔力を探ればなんでこんなあり得ない場所に魔物がいるのかわかると思って探したけどなかった」


んん、ミュアさんが確認してなかったって、じゃああれは? ってかそんなにここに魔物がいるのはあり得ないの?


「ミリアルちゃん、なんできょとんとして。あぁ、そっか。あのねミリアルちゃん、ここは天使が舞い降りた地で、それで天使の加護がこの地にはあって、魔物が出てきたことなんてどんな歴史を探してもないんだよ」


ミュアさん、本当に情報に強い。詳しい、いや私が何も知らないのか。


「魔物じゃ・・・ない・・。魔族・・多分・・・魔族だよ・・。魔族に攫われたから・・わかる・・・。魔族の気配が・・・。気を付けて・・・狙われているのかも・・・もしかしたら・・・・。・・・きっとこの学園に・・魔族・・・紛れてる・・・。ミリアルちゃん狙われてる。気を付けて」


毎度のことながらなぜ、そんなに私は狙われて。

いや、警告はありがたいんだけど。ってか敵国の人が紛れていちゃダメじゃん!?

大丈夫なんだろうかこの国は。


とりあえず、今日も新しい死亡フラグが立ちました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ