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交流会と波乱の予感

理から外れたものを殺すのが役目の人がいるという衝撃から抜け出せないまま、いよいよ交流会の日。

こっちに来てから、死亡フラグだらけ、そっか、フラグ建設者に転職したんだ私は。

そうに違いない、うゎーい、スキル「フラグ建設」を覚えた・・・。


まったくもって必要ない。


「ミリアルちゃん、何一人で遠い目してるの? 交流会始まっちゃうよ?」


現実逃避はそろそろ終わりにしなきゃいけないらしいです。

ってあれ?


「ミュアさんがちゃんとした時間に起きてる?」

「それじゃ私が毎日ちゃんと起きてないみたいじゃん!!」


いや、実際その通りだと思うんだけど。


「な、なにその目は。確かに起こしてもらったりはしたけど、ほら私行事ごとが好きだからさ」


楽しみなことがあると早起きできる子らしいです。

なんだかミュアさんらしい。


「むぅ、とにかく早くいくよ」


今日は、ミュアさんに引っ張られながら集合場所に。なんだか新鮮。


「あんたたちにしては、ちゃんとした時間にやってきたわね」

「お・・おはよう・・、遅刻しなくて・・よかった・・」


やっぱり、普通の時間に来ることが珍しいですか、そうですか。

分かっていたけどさ・・。


「ちなみに、交流会のグループは宙にあるわよ、確認したら?」


相変わらず、何もないとこに文字だけある。物理を無視した世界にもなんかここまでくると慣れてきた。

慣れたいかと言われたら微妙だったんだけど・・。溜息を吐きながらグループを確認するために文字を読む。


私の名前は・・、あった。メンバーは、私とミュアさんと、リュウシュン先輩とヴァル? だれだろこの人。あと一人は・・・。


見なかったふりをしても良いですか?

残りの名前は、クラファレス。見間違いじゃなかったら図書室にいた紫髪の子でしょ!?

科学の国とばれていて、しかも私がなんか理から外れてるなんて言っている人と一緒の班。

厄介ごとが起きる予感しかしない。


たまには、平和な一日をいただけませんかね。


「ミリアルちゃん、顔が青いよ? あ、ミリアルちゃんと一緒の班だ、やった! ってすごい、リュウシュン先輩も一緒じゃん!」


まぁ、うんこんな班単位で動くイベントで何か起きるわけないか。

そうだと思いたい、というかぜひそれでお願いします。


「皆さん、交流会の時間になりました。グループは確認しましたか? グループを確認した人からグループで集まって軽く自己紹介をして先生から地図を貰ってネメジス平原に向かってください」


まだ、衝撃で固まっている私をミュアさんが引っ張ってグループの人たちがいるほうへ。


「ミリアルちゃん、大丈夫かな?」

「顔色悪いですね、先生に行ってきましょうか?」

「この前ぶりね、ミリアルさん」


順番に、リュウシュン先輩、見知らぬヴァルさん。間違いなく図書室で出会ったクラファレスさんです。

帰りたい、切実に帰りたい。


でも、まぁ具合が悪いわけじゃないからね。大丈夫ですとしか言えない。

勝手な心配のせいで行くのが遅くなっても悪いし。


「じゃあ自己紹介しようか。僕は三年のリュウシュン・ファルロワ。得意系統は炎、雷、地の三つ」

「僕は二年のヴァル・ディーベル。得意系統は緑と水」

「私は一年のミュア・クラント。得意系統は地、よろしくお願いします」

「同じく一年のミリアル・ブティラ。得意系統は風と光です」

「私も同じく一年。クラファレス・リーリャン。得意系統は秘密で」


なんでわざわざ秘密に? そこはかとなく恐怖を感じるのですが・・。


「自己紹介終わったし行こうか、杖はみんな持っているよね」

リュウシュン先輩が合図して、杖を一斉に掲げる。


「「「「「トランスフォルマスィオン・バレ!!」」」」」


杖を箒に変化させて、箒にまたがる。

そして私は重大な問題に気づいてしまった。


初フライトはこの前経験したよ? でもさまったくコントロールできなくて猫の精霊が手伝ってくれて。これ、もしかしなくても私飛べないんじゃ・・。


「ミリアルちゃん早く飛んでよ」


ええぃ、なるようになれ!!


杖にまたがり浮かぶのをイメージして魔力を込める。


ビュン!!


「ちょ、ミリアルちゃん飛びすぎだよ!? 気をしっかり、って縦横無尽に暴れてる!? 落ち着いて」


まさにジェットコースター状態。よ・・酔う・・。


「にゃあにをやってるんだにゃあ」


救世主キタァーーーーー。

ちょ、口開いたら舌噛むから声出せないけど、早く助けてぇー。


「しょうがにゃいにゃー」


ぽふんと猫が頭に。やっぱり地味に重い。


「やっぱりかえることにするにゃ」


嘘です、冗談です!! 重くないです、お願い見捨てないで!!


「しょうがないにゃあ」


溜息が聞こえると同時に、飛行運転が正常になる。やっとジェットコースター状態じゃなくなった。

助かった・・。


「あれ? 急に普通に飛び始めた?」

「ミリアルちゃんは最初の飛び上がりだけなんでできないの」

「ちゃんと飛べるようで安心したよ、怪我はしてない?」


クラファレスさんは無言です。ってあれ、精霊の姿は・・。


「お前さん以外には見えないようにしているにゃ。それとも頭の上に猫を乗っけている姿をみんなにみせたいかにゃ?」


お心遣いに心から感謝いたします。

まぁ、とにかくこれで普通に飛べるしネメジス平原まで行ける。


天使が舞い降りた地、神秘的な場所なのに私にとっては暗雲しかない場所にいよいよ。


だれか、フラグを折ってください。


「無理だにゃ」


今日も現実は非情でした。

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