ゲームと現実
科学の国にはゲームという素晴らしいものがあった。
プログラム、曲選びや作成、デザイン、ストーリー、販売、まだまだ多くの事をしており多くの人が携わり出来上がる努力の結晶。
ゲームに対して否定的な意見は今だ多い。それでも私は思う。
こんなにワクワクするものが他にあるだろうかと。こんなにやりこめるものが他にあるだろうかと。
沢山の大人が、頭を寄せ合いアイデアを集め作ったゲームが面白くないわけがないのだ。
そして面白さというのは、人生を豊かにしてくれる。
ゲームというのは、本当に素晴らしいものだと。
だからこそ、ゲームの世界に入ってみたいと思った事は多々ある。操作するだけでこんな楽しいのなら、主人公に実際になったらもっと楽しいに違いないと。
でも今はこう思うんですよ。主人公メンタル強すぎでしょ。実際に無茶ぶりされてみたらわかる。
ある日いきなり伝説の存在だから魔王倒してこいなんて言われて、よし倒しに行くぞってなる勇者、あんた凄いよ。
私は無理だ。偉大なる魔法使いの血が流れていても、いきなりドラゴンを倒せて言われてよし倒しに行くかなんて言えない。
しかもさ序盤だぜ、装備品が私服と精霊だよ。さらに空さえまともに飛べないし。
そう飛べないし。
「魔力が尽きるの速すぎだにゃあ」
精霊驚きの魔力の尽きる速さ。私って沢山魔力があると言われていたのに不思議だ。
魔力がすっからかんで魔法の羽が消えて森に墜落してしまった、一人と一匹で。ミュアさんも魔力が尽きて墜落していたけど、私と全然違う場所に墜落だったからはぐれてしまった。
とにもかくにも、初フライトは墜落という結果に終わりました。
墜落してから森を彷徨い歩くこと数時間、もう森はすっかり暗くなっている。
そろそろ状況を打開しなくちゃまずい。空腹、眠気、獣たちの気配。
ここはゲームでなく現実なんです。
普通、ゲームならここから主人公が弱い序盤の敵を倒しながら、目的がある場所に向かって行くんだよね。
あるいは、小屋を発見してそこで休んだら仲間が増えるとか。装備ゲットとか。
でもさ、ゲームじゃないからそんな都合よくないんです。
ゲームみたいな世界観でゲームの主人公のような設定をしているけど、ゲームじゃないんです。
ゲームだった場合は、ただの無理ゲー。
魔法使いが魔法を使えない状態で、大蛇が出現するとかね。あはは。
これどうすんの。森に開けた場所が!って思ったら大蛇が住んでいたのですが。
小屋を丸のみ出来そうなほど巨大なのですが。
「すぐ逃げるにゃあ! 魔法使えないお前さんじゃ勝てないにゃ」
言われなくっても逃げるよぉぉおぉぉ!!!
戦うとか無理無理絶対無理!死んじゃう死んじゃう。
ってなにこいつ、蛇の癖ににょろにょろって動かず、ズドドドドドドド!!!!! って感じに早い動きで追いかけて来るのですが。
そしてベタな展開、木の根っこに躓いて逃げている人はこけて大ピンチとかね。
私の事だよ!!
ぐわぁ! っと大きな蛇の口が開かれる。これ私が今から丸のみされるパターンですよね。
何でこっちに来てから死亡フラグが永遠に立ち続けるの。
もうメンタルボロボロだよ、涙目だよ!
焦りすぎて、状況に怒り始めたけど状況が良くなるはずがなく、大蛇の口が近づいてくる。
「あんた、死にたいの? それか馬鹿なの? とりあえず伏せて!! エクスプロジオン」
声に反射的に伏せた瞬間、頭上で大爆発が。
ちょ、これ伏せなかったら私爆発巻き込まれていたんですが。というか森で爆発って、火事が!!
起きていない!?綺麗に大蛇だけ倒して、炎が消えてる。
「何驚いた顔してんのよ。私が目標物以外を巻き込むとでも? 甘く見られたものね。周りに被害を出す魔法使いなんて三流よ」
煙が無くなった視界で声がするほうを確かめれば、まぁ、声ときついしゃべりで予想通りではありましたが、いつもと変わらず睨んでくるビアンカさんがいました。
何故ここにいるし。




