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精霊持ち

朝が来る。いつもと変わらない朝、だったらよかったのになぁ。

今日は、休日。そしてドラゴン討伐だったりするんです。


私、帰ったら結婚するんだ。


しないんだけどさ、なんとなく死亡フラグを立ててみる。

一度ドラゴンに勝ったからって、別に余裕とかないんです。


「むにゃむにゃ」


そして元凶は毎度ながら朝に弱く寝ている。気楽だな!!


「別に休日ならもう少しのんびりしていても良いんだにゃあ。ドラゴンのいる洞窟はそう遠くは無いんだにゃ。飛んでしまえばあっという間なのにゃ」


「なんで毎度さりげなくいるの」


猫らしき精霊は、ミュアさんの起こし方を教えてくれて以来、度々この部屋に現れる。

精霊ってもっと珍しい存在だったんじゃ、何故日常的に存在しているんだ。


「そりゃ、おみゃーさんに興味があるからなんだにゃあ」


どうやら私は精霊に興味を持たれたようです!!

嬉しくないっ!


何ゆえに精霊が私なんぞに興味を持っているんだ、あれか私がかが・・・ストップストップ、そういえば精霊は私の脳内会話が聞こえているんだった!!


「にゃにか聞かれてまずい事があるのかにゃあ?」

「イイエ、マッタク、コレッポチモ」

「怪しすぎるにゃ」


脳内会話わかるとか、気をつけないと一人つっこみも駄々漏れなのか、寂しい奴みたいでやだ。


「寂しい奴だにゃあ」


やめて! 心が痛いからっ!!

朝から精霊は辛口のようです。


「あぁ、そうだにゃドラゴンと戦う気ならついていくにゃ。こんな姿でも精霊だから一応役に立つんだにゃあ」


精霊と一緒にいるところを他の生徒に見られたら大騒ぎになりそうなのでご遠慮したいのですが。


「大丈夫にゃ、精霊持ちにしか私の姿は見えないんだにゃあ」


ん? 精霊餅?? 新手の餅か!!


「漢字違いだにゃあ、わざとボケてるにゃね」


つっこみばかりしていると、たまにボケたくなるものなんです。

まぁ、冗談はさておきその精霊持ちって何だ、ここにきてから新単語ばかり。


「精霊持ちは、精霊と契約している人を指すんだにゃあ。精霊持ちになったら普通に精霊の姿が見えたり精霊の力を借りれたりするんだにゃあ、まぁ精霊魔法というやつだにゃ。最近精霊は人を嫌って滅多に姿を出さなくにゃったから、精霊持ちの数は減っているんだけどにゃあ。お前さんも精霊持ちだから私が普通に見えているだけにゃ」


私は精霊と会った事なかったし、契約した記憶もないのですが。


「記憶が無いだけにゃ。お前さんの精霊がなんでお前さんの近くにいにゃいのか不思議でたまらにゃいけど、精霊持ちににゃのは間違えないにゃ」


いつまに精霊と契約なんて。まさかあのひよこと? いやないない、ひよこの精霊と契約とか、それよりもひよこの精霊も精霊の匂いがどうたらこうたら言っていたなぁ。


「ところでそろそろ起こさにゃいと、出かける前に陽が沈むにゃよ?」


わすれてたあぁぁぁぁああああ!!!???

気が付いたら結構な時間が経っている、会話のパワー恐るべし。


そのあと、普段と変わらないミュアさんの超高速準備が見れたのは言うまでもない。


「よし! 明かりオケ、薬草オケ、杖オケ、行くよ!!」


杖? 松葉杖、じゃないよね。なんかゲームとかで見る如何にも魔女っぽい杖だけど。


「杖持ってないの?杖があると魔力のコントロールがしやすいんだよ。杖に限らずだけどね、魔力を直接体から放出するよりは、物を媒介して魔力を放出する方がいいんだ」


新しい知識を得た、知力が3上がった、疲労感が8上がった、常識がマイナス3された。

なんか最近ふざけておかないと、ファンタジーに呑みこまれそうだよ、恐るべし魔法の国。


「って、話してる場合じゃない! ほらミリアルちゃん、早く早く!!」


それでも、魔法の国に住む人を少しでも知りたいから。

だから今日も一歩を踏み出す。


出来ればドラゴンなんて御免だけどね。

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