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精霊の存在

「食堂についた! お腹ぺこぺこ、うーん何を食べよう」


人は食事を取る時無防備になる。話を聞くなら食事の時がいいだろう。


ぼんやりとメニューを眺め話に集中するために食べやすそうなサンドウィッチを選ぶ。食文化が科学の国とあまり違わないのは助かるな。


「サンドウィッチにしたんだ! じゃあね、私はハンバーグ! あ、向こうの席空いてるよ座ろう!」


腕を引かれて椅子に座る。お互いいただきますと言って食べ始める。全ての生徒が食堂を利用するからかなり賑わっている。


ちなみに食事をするのにお金がかからないなかった。どうやって食堂の人は利益を得ているんだろう。この学園に入るのもお金がかからなかったし。


魔法の国にはお金が無い? そんな馬鹿な。


「考え込んでどうしたの、授業の時からなんか変だよ。なにかあったの?」


「授業で気になる事があって。図書室で調べたいんだけど、何処にあるかわかる?」


図書室で本に値段が記載されているか見てみないと。科学の国だったら、本の後ろに値段が書いてあった。


「図書室? 自分たちの教室の真下だよ。自分たちの教室が1棟2階にあるでしょ。1棟3階が上級生の教室があって、1棟1階に、図書室や職員室とか教室以外の部屋があるんだよ。もしかしてあまり校舎把握してない? ちなみに2棟は、選択授業で使う教室があって、3棟が食堂とか研究室とか。あとの棟は立ち入り禁止だったりさびれていたりするんだよね。使わないなら何で取り壊さないんだろ」


入学したてとは思えない詳しさだけどまぁいいや。迷わない自信はないけど、とりあえず覚えた。よし。


それにしても立ち入り禁止か、そこも調べてみよう。もしかしたら何か隠しているかもしれないし。


「食べ終わったね、ごちそうさま。授業始まっちゃうし教室に戻ろうか」

「そうだね」


一緒に歩いて戻って行く。帰り道に図書室の前を通ってくれた、これで場所は覚えた。


「教室についたね。じゃあ、また放課後! って、放課後は図書室で調べものするんだったね。今度一緒に帰ろうね、約束だからね!」


曖昧に返事を返す。普通に話したら絆されてしまいそうで怖いから。


絆されたらきっと、科学の国を救う事も出来ないし、自分が科学の国の人とばれないか不安に思いながら過ごし続けないといけなくなる。


だから、仲良くなっちゃ駄目だ。ミュアと顔を合わせないようにして前を向く。


少ししてからフルリ先生が教室に入ってくる。


「はい、では午後の授業を始めます。魔法学基礎5ページを開いてください」


5ページには魔法の種類、攻撃魔法、回復魔法、支援魔法といった家で見た魔法と、それとは別に精霊魔法というのが書かれている。精霊魔法?


「大昔の本にはこの精霊魔法は載っていません。精霊魔法は、最近出てきた魔法とされています。精霊は大昔からいたとされているのに、何故精霊魔法が大昔存在していなかったのはまだ解明されていません。魔法は奥が深いですね。全てが解き明かされたらどうなるのか、凄くロマンを感じます。精霊魔法は皆さんにとって関係ない人が多いかもしれませんが、もしかしたら、精霊魔法には深い意味があるかもしれません。他の魔法と同様興味を持って学んでもらえるとうれしいです」


大昔の本には載っていない? じゃあ、家にあった本ってかなり古い本だったんじゃ、というか貴重な本だったのかな、やばいやばい花になっちゃったよ。元に戻す魔法無いのかな。


「精霊とは、自然から生まれた存在とされており、人々の清い心の結晶と言われております。それは人の目では見えない物なので、人に姿を見せるときは、自分の気に入った姿に変化して人の目に見えるようにして姿を見せています。とはいっても最近、精霊は徐々にその姿を見せなくなっています。精霊は争いを嫌う存在なので、魔族や科学の国と対立がある事が原因だと言われています」


争いを嫌う存在か。何とかして味方につけたり出来ないかな。精霊には良く会うし。今度精霊に会ったら積極的に話してみよう。


「精霊魔法とは、精霊と人間が意思疎通することで扱うことのできる魔法です。具体的には皆さんが使えない系統の魔法を使いたいとき、自分の思いを精霊に共有させることで、精霊が皆さんの望んだ魔法を使ってくれます。精霊と意思疎通するには精霊に気にいられ、精霊とお互いに助け合うといった内容の契約をする必要があります。契約が済めば話さずとも心で会話ができ、感情の共有もされるそうです」


もし、精霊魔法が使えたら? もっと沢山の系統の魔法が使える。そしたら科学の国に魔族が攻め込んでも助けられるかもしれない。そんなことを考えていたらチャイムが鳴る。


調べなきゃいけない事がまた増えた。息を吐き立ち上がり図書室に向かって歩く。

調べれる限り、時間の許す限り調べてみよう、いまできることはそれだけ。

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