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異世界旅行譚 六人が行く!  作者: 朝宮ひとみ
旅の始まりから
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番外・大まかな歴史について

 この世界では、歴史を学ぶとき、授業が近代史とそれ以前(古代史)に分かれている。

 古代史の最初の授業で、古代の話を一気にやる。


●大戦争以前

 約一万年前に起こった『大戦争』の前の歴史は、一般的には知られていない。原生人類(現在の亜人種のいくつかの祖先)と長耳族の祖先が暮らしていた、という程度の認識を持っていればよい。


●『大戦争』について

 大戦争は1万年以上昔に長耳族とドラゴンが戦って長耳族の古代文明が滅びたという戦いである。長く伝説上の出来事とされた。古代文明が滅びたこと以外の部分、例えば世界中が戦場になったことや、被害状況などは誇張や比喩あるいはほとんど創作とされた。


 しかし、世界各地で、長く長耳族が住んだ記録のない地域からも遺跡が発見され、現代のアーシェ工作機械をもってしても不可能な破壊のされかたをしていることがある。

 よって、ドラゴンと戦ったという以外の部分は多少の誇張のみでほぼ記録通りのことが起こった可能性があると、現在では考えられている。


 現在の多口種の祖先となる『原初の十二人』が創造十二神によって生まれたのはこれ以降のことである。記録が長耳族にしかないため時間の感覚があいまいになっていて定説はないに等しい。



●「歴史」の始まる前

 原初の十二人から、最初の公的記録であるアメリアの成立までの記録は数少ない。しかし、わずかに残る個人的な記録や完全に検証がすんていない記録からかんがみて、徐々に広がりながら、転々と集落を残していったと思われる。


 現在の文明の始まりは四つに分けられる。


・現在のアルネアメリアなどにできた集落を起源とする、西方文明

・現在のシュエ南部を起源とする、東方文明

・西方から広がった人々とドワーフ族の風習が融合した北方文明

・長耳族由来の文明(他に合わせ「南方文明」と呼ぶこともあるが南大陸と混同しやすく正式な名称ではない。)


以上四つである。砂漠の民の風習は系統は不明であるが複数の要素が時間をおいて伝わり独自に変化していったものとされている。また、中央高地の文化は原住民の独自のものと北方の文明・文化が混ざり合ってつくられたものであることと、その原住民に関する研究がほぼないため、数えられない。


 西方以外の特徴は、

東方……土やレンガ、焼き物を用いた建造物。動物をモチーフにした紋様。赤い屋根瓦。

北方……厳しい自然や野生動物に耐えるため窓が少ない。例えば風に耐えるために丸いドーム状であったり、他の地方のような家であっても雪の重みに耐えるために屋根の構造や形に工夫がみられる。

長耳……木や自然の構造物を生かす。また木材の加工に独特のしきたりがあるが、たわみなどの木材の性質を生かす工夫が変化したもののようだ。



●『歴史』の始まり

 最古の公的な記録は紀元前一〇八九年のものである(現在は紀元五XX年)。先に述べた通りアメリアの成立である。現在のアメリア市(アルネアミンツの一部含む)に相当する地域を、一人の王が治めるようになったという内容が記録されており、その初代国王アルメリウスと記録係数名の署名が残されている。


 以降すべて発見された記録や書籍、書類など、歴史はアメリア国の公的記録を参照して確認される。途中からは精密な記録を残したルプシア国(分裂後はロムシリア国)の記録も併用される。東方の場合はアメリア建国から数百年以降に誕生したデグ国の記録を利用するが、元号との互換が一致しない国々が数多く、東方は東方史としてまた別の科目に分けられ、中級以上の学校で学ぶ。

次回は四~五日(月~火曜日)のあいだに投下します。

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