読まなくてもいい補足 ルプシア式(アメリア式)決闘
読んでも読まなくてもよい補足です。
交渉や約束事について問題が起こった場合、誰かが決闘すると宣言し、全ての相手が了承した場合に決闘が行われる。人数は二、三人が多いが、記録に残る例では十人や十二人という例が一例ずつ存在する。
初めに、参加者は見届け人を指名する。見届け人は一枚の紙を等分してそれぞれに渡す。参加者は渡された紙に決闘内容を考えて見届け人に渡す。日没前であれば当日中、日没後は翌日の日没前までに見届け人に紙を渡さなければならない。出来なければ拳闘となる。
見届け人は、紙がそろった翌日の朝に決闘を行う日時と集合場所を参加者に伝える。時間は最低でも競技内容一つが決着しても日没にならないようにする。競技内容は行うまで外部に漏らしてはならない。
逆に、道具を用意する武器屋や用具屋など、外部の者が予想がついて「~じゃないか?」などと発言するのも禁じられている時代もある。禁じられていなくても、予想を話すのは下品なことあるいは教養がないとされる。
見届け人は決闘内容によって人の手をかりることができる。彼らは立会人と呼ばれる。決闘が終わるまで、立会人は番号で呼ばれる。内容が拳闘やスポーツ競技などで、参加者が望んで見世物や催し物にしてしまったりして、百人以上の立会人が必要になることもあるが、それでも、番号で呼ばれる。互いがどんな関係であっても、準備や決闘の間は立会人同士でも必ず番号で呼ばなければならない。
見届け人はくじのように立会人や参加者の前で紙を選び、競技の内容を宣言する。そして順次あるいは一斉に競技に移る。順次行う場合は競技を書いたものが一番初めに行う。以降は見届け人の独断でよい。主に年齢順、くじびき、身分の上下などがある。競技ごとに一定でなくてもよい。変わった例では、昔の王妃が自らの容姿について何度か決闘を行い、髪の毛の長さや足首の細さなどで順序を決めた記録がある。
競技ごとに、勝負がついたら、見届け人は勝者を宣言し、最後の競技の勝者を宣言したら、そのまま決闘の勝敗を宣言することが多い。勝敗がついたら、見届け人と参加者は勝敗に基づいて行動結果を話し合う。
最後に、競技内容の紙を火にくべて、問題は解決したとして、それ以上の要求を互いにしないことを創造神に誓って約束する。誰かが約束を破った場合は、決闘そのものが破棄され、他の者も話し合った内容を破棄してよい。
今回の例でいうと、決闘の結果に従い、シューウィアに代金を請求せず、クリスティン自身で払うことと、巻き込まれた(自分で突っ込んだ?)シュピーツェは代金を払わなくていい代わりに、店員がミスで服を痛めたりしないよう洗濯行程を監視することが約束された。仮にクリスティンが支払いを渋った場合、シュピーツェが逃亡してもそれについて責任を問うたり、その件で改めて決闘を申し込むことはできない。
次回22~24日のあいだに投下する予定です。