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異世界旅行譚 六人が行く!  作者: 朝宮ひとみ
旅の始まりから
19/171

宣託による選択によって洗濯 3

 決闘の見届け人となったのは店のオーナーだ。一枚の大きめの紙を切り分け、クリスティン、若者、シュピーツェに渡した。それぞれテーブルに分かれて、決闘の内容を考えることとなった。




 まず、長耳族四人のことを考えると、魔法関係は勝てないだろうということが容易に想像がつく。クリスティンも過去に魔法の学科を修めていて面倒なことになったのをみなしっかり覚えている。フリューシャが魔法を使えなくても、ダージュはそれなり魔法がつかえるし、上級者ハユハユがいるだろうと考えられなくもないが、波動生物であるハユハユにこの決闘を理由に魔法を使わせることは波動生物に関する国際法違反の可能性がある。


 ちなみに、決闘の際に仲間が援護することは可能だが制限があるし、シュピーツェは魔法に関する知識は多少思い出せるようだが、魔法自体を使うような覚えはないらしい。


 単純に拳闘でいいのでは?とも思えたが、相手の実力がまったくわからないし、援護が難しいだろうというのと、本当に貴族であるクリスティンをぼこぼこにしてあとから別の問題が発生したら困る。

 それに、四人は森の長耳族らしく使い込まれた弓を持っているようだし、クリスティンはあの儀礼用じゃないちゃんとした長剣を持っている。細身の剣一本とナイフ三本のシュピーツェは捌き切れる技能がなければ不利だ。


「ありがちだけど料理はどうかなっ?シュピー料理得意じゃん。」


 テトグがぽんと手を叩いたが、ハユハユが即突っ込みを入れる。


「ダメだろうな。食べるほうなら確実に詰むし、作るほうも材料費を全員一定にしてなおかつうまく設定しないと材料入手で差がついてしまうぞ」


 向こうは資金だけは潤沢だ。材料費を高く設定すると若者や自分たちは一文無しになってしまうし、クリスティンは糸目をつけずに高くて質のいいものやおいしいものをばんばん仕入れることができて有利だ。

 安くしすぎるとおいしくないものや質の悪い材料から作ることになり、逆に相当な技術や知識がなければまともに料理を仕上げること自体が困難になってしまう。それでは自分たちで協議内容を決められる意味がない。到底自分たちが有利なんて言えないからだ。


「ちょっとせこいけどこういうのはどうかな?」


 夏樹が手を挙げた。示したのは、アーシェから持ち込まれたと思われる本だ。歴史小説で、巻末に用語の説明がある。


「見届け人がお題を出して、それに見合ったものを用意するっていうゲームだよ。


 あのオーナーさん、アメリカがどうとかイタリアがどうとか話してたから、たぶんアーシェ人だと思うんだ。だから、適当なアーシェのものの名前を出して、それがどういうものか、実物とか、説明とかを用意する競技の審判になってもらうってわけ。これなら、僕がいるから有利だと思うんだけど、どうかな。」


 弱点は、オーナーがアーシェ人でなければ、判定する人を決闘開催までに探して連れてこなければいけないことだが、そのあたりをクリアすれば、勝てそうな気がしてくる。ところが、その作戦にも弱点があった。オーナーに質問したところ、イタリアの話はしたが、あくまで料理のことしか知らず、アメリカはアメリアという地名の聞き間違いだったとわかってしまった。




 その日の夕方、未届け人であるあのオーナーが宿まで訪ねてきて、三人それぞれに開催地と日時を伝えに来た。場所は町のはずれにある空き地。時間は三日後の正午過ぎで、明日の夜までに見届け人に競技内容と準備してほしいことを伝えなくてはならない。そして、明後日は六人と一体は正午から決闘開始まで、互い以外の者、とくに相手陣営の者と口をきいてはならない。


「どうしたらいいんだろうねえ。」


 タリファは頬杖をついて、今にも首が舟をこぎそうだ。テトグと夏樹は腕を組んでいて、すでに眠っている。


「ねえ、なんか得意なこととか、ない? 思い出せないのかい?」


 ダージュとフリューシャがせかすので、シュピーツェは動きが固まってしまった。


 深夜、寝落ち直前まで固まっていたシュピーツェがようやく言えたのは、二人には想定内の一言だった。


「明日まで……待ってくれ……」


次回は明日9日に投下する予定です。


この「宣託~」エピソードの執筆途中からウィンドウズ10にしました。

CD・DVDドライブ読んでくれないことだけが困っています。ドライバ探そうにも商品名とかちっともわかんないんです。

win7の保証2020年までだし、必要なかったかなーという気もします。

しかし今のPC、元がXPなので、そこから8や10にすることを思えばすごくお得なんですよね。

(・ω・)ぱそこん、むずかしい。


なお、書き心地などには影響ないです。

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