『最後』の場所 3
二つのパーティは、アル=カディアの魔導士と共に、必要な場所へ、『試練』の終わりを伝えた。魔法による伝言で翌日までには点在する『試練』関係の集落には伝わった。
南下する途中で、他の『試練』中のパーティに出会ったときには、伝えるだけでなく、それを長耳族に出会ったら年齢に限らず伝えてほしいと頼んだ。いくつかの遺跡には、アル=カディアで古い封印の方法を教わり、それを施して、さらに出入り口に入る必要はないことを刻んだ。
夏樹のスマートフォンの位置情報や細かい地図のおかげで、北西地域には集落以外に出来る限り人のいる場所へ伝えることができた。どちらのパーティにも立ち寄っていない集落がいくつもあって、立ち寄りながらなのでひと月はかかった。
その間にいくつか引き返す途中のパーティに出会った。境界の町へ戻ったときには、既にある程度『試練』の終わりが認知されているようだった。
境界の町の門を再びくぐったとき、フリューシャたちはアル=カディアを出発してからひと月以上経過していた。その間に、残った三人と一体は町で短い仕事を得て働いていて、すぐには町を離れられなかった。六人と一体は、再び一つのパーティに戻り、契約が過ぎるまであと十日ほどこの町で過ごすことになった。
フリューシャたち三人は、ともにアル=カディアから旅した者たちに別れを告げた。エルージャたち三人は、同じようにパーティメンバーを失って一人になった者をくわえた四人で港を目指して去った。そのまま船で南方へ渡り、故郷へ帰るのだ。
六人と一体も、仕事が終わって町を出たらまずはフリューシャたち三人の故郷へ戻ると決めたのだった。
次回は13日に投降します。その次は8月中までに投稿したいと思います。