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休息は退屈か 3

 男の子は懐から紙を取り出した。折りたたまれたそれを開くと、筆算が書いてあった。アクヴァはそれを見て、答えのところに一見でたらめに見える数字を書き込んだ。男の子は書き込まれた数字を数秒見つめ、元のようにたたんで懐にしまった。


 男の子は『里』の伝言係だった。リンドから魔物討伐の前までに別れたアクヴァの伝手の一人がその里を訪ね、シュピーツェのことを伝えたようだった。里はふたりを迎える用意ができたということで男の子を遣ったのだった。彼はピェイネイと名乗った。


「早速本題ですが、僕たちは今は行商人として三人で移動しています。三人とも本物の行商人でもあるので必要な許可や道具はありますし、お二人が退院するための保証人にもなれますし二人を偽装する手はずも整えてあります。

 ついでにお話しすると、アクヴァさんの親類ということになってます。それだけだと弱いかなと思って、そちらのパーティと縁のある人に保証の協力を。ええと、魔導師アルカディア氏と、諸王国領のスティアーナ家のかたです。」


 二人分の署名が入った手紙を見せながら、出発は二人の回復次第でいつでも大丈夫、とピェイネイは言った。



 あとから残りの『仲間』が来て、できればあと二、三日のうちに出発したいと言い出した。シュピーツェは善処すると苦笑いを浮かべながら返事をした。

 アクヴァは一見ずっと回復していそうに見えるが内臓をやられていて体力が落ちたままの状態が続いている。結局二人とも充分とは言えない。長く歩けるどころか、通常の生活でぐったりしそうだ。




 結局、三日めの夕方ぎりぎりに退院許可を取り、日没と同じくらいに病院を出た。それでも十分とは言えず、二人は馬車に隠れて横たわって運ばれるのであった。

次回は8・9月中のどこかで投稿する予定です。

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