表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/96

40.乳牛獣のウーちゃん


 100/7/14(木)13:00 ゴブリン獣の森


 俺とサマヨちゃん。そしてウーちゃんの3人で森へと入る。

 ゴブリン軍団に備えて、少しでもレベルを上げるためだ。


 乳牛獣のウーちゃん。

 好物の薬草を餌にようやく森まで連れこんだが、どうも戦いには興味がなさそうである。


 ノラ犬獣やヘビ獣といったモンスターが襲って来ているにも関わらず、その脇でもくもくと草を食べ続けていた。

 まったく……サマヨちゃんが一生懸命戦っているというのに。

 物怖じしないのは凄いが、マイペースというか、食べることにしか興味がないようだ。


 何よ? 私は牛乳さえ出せば良いんでしょ?

 モンスターはそっちで勝手に倒してよね。といった態度である。


 確かにウーちゃんの言い分はもっともだ。

 乳牛獣の価値は、いかにおいしい牛乳を出すかで決まる。

 いくらモンスターを倒そうが、乳牛獣としては評価されない項目。


 そう考えれば、ウーちゃんの食欲は乳牛獣として立派に評価できる。

 たくさん栄養を取れば、良質の牛乳がたくさん出るというものだ。


 乳牛獣に戦わせようというのが間違いなのかもしれない。

 だが、本当にそうだろうか?


 モンスターを倒すということは、すなわちレベルアップするということ。

 レベルアップによる成長。牛乳にも影響が出るのではないか?


 勇者は常に時代の先端を行くもの。

 乳牛学校で評価されない項目。だからこそ試す価値がある。


「よーし。ウーちゃん。薬草が食べたいか?」


「モー!」


「よーしよし。そら、そこに薬草があるぞ! サマヨちゃん?」


 サマヨちゃんは、半殺しにしたノラ犬獣を俺に放って寄こした。

 受け取ったノラ犬獣を、ウーちゃんの足元へと置く。


「ウモー!」


 ドスンドスン


 薬草目指して走るウーちゃんに踏まれ、ノラ犬獣はその生涯を終えた。


「モ?」


 薬草を食べながら、なんか踏んだ? とばかりに後ろを振り向くウーちゃん。


「やったな、ウーちゃん。ノラ犬獣を倒したぞ。ご褒美の薬草+1だ!」


「モー!」


 俺の魔法で強化した薬草+1を、ウーちゃんにプレゼントする。


 ウーちゃんが敵を倒す毎に、ご褒美を食べさせる。

 これを繰り返せば、いずれ進んで敵を倒すようになるはずだ。


 ウーちゃんを鍛えながら目指すのは、上薬草の採れる場所。

 ウーちゃんの餌になると同時に、怪我の治療に役立つ。


 スマホで地図を確認しながら移動した先には、先客が居た。

 いうまでもない。ゴブリン獣だ。


 強ゴブ1匹、魔法ゴブ1匹、雑魚ゴブ6匹の合計8匹。


 前回のように不意打ちはできない。

 俺が気づくと同時に、ゴブリン獣もこちらに気づいていた。

 それなら正面から蹴散らすのみ。


 ゴブリンたちも薬草を集めていたのだろう。

 ちょうど良いことに、雑魚ゴブは、その手に上薬草を持っていた。


「あいつらウーちゃんの上薬草を! 薬草泥棒だぞ!」


「ウモーー-!!!」


 鼻息を荒げて怒りを露わにするウーちゃん。

 後ろ足で地面を蹴り、ゴブリン獣目がけて飛び出していた。

 俺はその背中へと飛び乗る。


 今こそ人牛一体の時。


 前回は振り落とされてしまったが、今回は違う。

 ウーちゃんの目は憎むべき薬草泥棒、ゴブリン獣に釘付けだ。

 ゴブリン獣を倒す。

 今、俺とウーちゃんの気持ちは一つになった。


「行くぞ! ウーちゃん。ブレイブ・チャージ(勇者と乳牛獣の突撃)だ!」


 俺を背に走り出すウーちゃん。


 その背中で、スマホから新たな武器を取り出す。

 全長2メートル。

 先端に斧、槍、鉤爪を備えた長柄武器。ハルバードだ。


 馬上で振り回すなら、こいつの見栄えが一番。

 幸いにも俺には斧スキルがある。

 微妙に斧とは違うが、似たようなものだろう。多分。


「うおおお!」「ウモオオオ!」


 気合十分のウーちゃんだが、牛だけあって馬ほどの速さはない。

 雄たけびを上げて突き進むその先で、魔法ゴブが詠唱を始めていた。

 炎魔法か?

 突進するしか頭にないウーちゃんでは、回避できない。


 だが、そのための俺だ。

 揺れる牛上で意識を集中、ハルバードに魔力を込める。


 魔法ゴブの杖から放たれる火球。

 真っ直ぐ進み寄る火球が、俺にはハッキリ見える。


「ふん!」


 気合一閃。ハルバードで火球を打ち返した。


「ゴギャ? ゴギャー!」


 魔法を打ち返す。その光景が信じられないのだろう。

 呆けたように立ち尽くす魔法ゴブの身体を、打ち返した火球が直撃していた。


 過去にバッティングセンターで、剛速球マシンからホームランを放ったこともある俺だ。

 魔法ゴブの火球。

 球種がストレートだけなら、ピッチャー返しするなど造作もない。


 立ちふさがる雑魚ゴブを角で弾き飛ばして突き進むウーちゃん。

 その背中で俺はハルバードを振り回す。

 リーチの長いハルバード。

 雑魚ゴブは、ウーちゃんに触れることもできず両断されていった。


「ゴブギャー!」


 群れを駆け抜ける俺たちの背後に残るのは、雑魚ゴブの死体だけ。

 あとは強ゴブだけだ。


 ズガーン!


 ウーちゃんの角により吹き飛ぶ強ゴブ。

 宙を舞うその身体に、止めとばかりにハルバードを叩きつけた。


 ドカーン!


 吹き飛び、地面に叩きつけられ強ゴブは死んだ。


「よーし! ウーちゃん。良くやった!」


 牛上から首筋を撫でてウーちゃんを祝福する。

 が、邪魔するなとばかりに身体を揺するウーちゃん。

 俺は背中から放り出されていた。


 ふぬぬ。

 ここは勝利を祝って、お互いの健闘を称える場面だろう。

 ウーちゃんの突進。やるではないか。

 なんの。ユウシャ殿の武器さばきも、なかなかでござる。


 これが正しい姿だというのに……

 俺を振り落として、ゴブリン獣が集めた上薬草を嬉々として食べるウーちゃん。

 こんな食べ物しか目にない暴れ牛が、よく売り物になったな。

 全くしつけがなっていない。店主を呼べと言いたいところだ。


 だが、食欲に忠実。それは自分の欲望に忠実ということ。

 ということは、他の欲望。

 食欲と同時に大切な欲望。

 性欲にも忠実になりえる素質を持っているということだ。


 なら、ウーちゃんが忘れている欲望。性欲。

 性欲の楽しみを教えてやれば、あっさり俺になびくだろう。

 快楽落ちだ。


 俺は上薬草を1本、手に取り魔力を込める。

 上薬草+1の完成だ。


「ウーちゃん? これを食べたくはないか?」


 ウーちゃんに上薬草+1を見せつける。


「モー!」


 俺が手にする上薬草+1へと、食いつかんばかりに寄ってきた。

 俺の魔力で強化された逸品。

 自然に生えている上薬草とは1味も2味も違う。

 ウーちゃんが目を輝かせるのも当然だ。


「どーどー。ウーちゃん。これを食べたいなら、俺に乳をしぼらせてくれ」


「モー?」


 何? そんなんで良いの? なら勝手にしぼれば? とばかりにおっぱいボロンとするウーちゃん。

 そして、早くも上薬草+1に食らいついていた。


 まったく。コイツはとんだビッチだ。

 これまで何人の男にその乳をしぼらせたのか。

 メスなら少しは慎みを持って欲しいものだ。


 とにかく、それなら勝手にしぼらせてもらうとしよう。

 もっとも、俺の目的は牛乳ではない。

 乳をしぼることを口実に、ウーちゃんの乳を揉むことだ。


 ウーちゃんの乳。4つある乳頭の1つを握って、乳をしぼる。

 その先から、ポタポタと垂れ落ちる牛乳。

 おう。もったいない。

 牛乳が目的ではないが、無駄にしてもいけない。

 スマホからバケツを購入。あふれる牛乳を受け止める。


 乳をしぼりながらも、俺のテクを駆使して乳を刺激する。

 が、全く反応しない。

 ウーちゃんは、のんきに上薬草を食べ続けるだけだ。

 乳牛だけあって、しぼられ慣れている、さわられ慣れているというわけか。


 それならと、俺はウーちゃんのお尻にタッチする。

 普段さわられることがない、お尻ならどうだ?


 しかし、全く反応しない。

 ふぬぬ……牛の皮膚は分厚いというが、これほど反応が無いとは……

 ウーちゃんが性欲に無縁なのも納得がいく。

 さわられて感じるという経験がないのだ。


「モー?」


 それ以上しぼるなら別料金よ? とでも言いたいのか?

 薬草を食べ終えたウーちゃんが、催促するように口を開く。


 くそっ。続行だ。

 上薬草+1をもう1枚、ウーちゃんの口につっこんだ。


 しかし、このままいくら挑戦しようが、ビッチ相手に俺のテクは通じない。

 仕方がない。やはり頼れるのは勇者の力だけというわけだ。


「勇者パワー全開!」


 勇者パワーで、ウーちゃんの感度を強化する。


「モッ?」


 俺のソフトなタッチに反応するウーちゃん。

 いかに皮膚の分厚い乳牛獣だろうと、勇者パワーで全身を性感帯にされたのではひとたまりもない。

 乳をしぼる。普段やり慣れた行為でさえ快感を与えるのだ。


 まだまだ、ここからだ。

 ことさらゆっくりと乳を揉みしぼり、溢れる牛乳をバケツに集めていく。

 4つの乳頭をしぼり終える頃には、バケツ一杯に牛乳が溜まっていた。


「フモーフモー」


 上薬草+1を口にしたまま、荒い息を上げるウーちゃん。


「なんだ? ウーちゃん。まだしぼりたりないのか?」


「フモーフモー」


 覚えたては、誰しも猿のように虜になるもの。

 ウーちゃんは、俺の身体にお尻をなすりつけるようにしていた。

 勇者パワー。恐ろしい力だ。


「まったく。いやしい奴だ。そら」


 ウーちゃんのお尻をひっぱたく。


「ウモーオ!」


 尻を叩かれただけで喜ぶとは。このビッチめ。

 どうやら準備万端のようだ。

 乳牛獣は妊娠せずとも牛乳を出すことが出来る。

 それなら、妊娠すればどうなる? さらに味が良くなるのか?


 美味しい牛乳を生み出すことが、乳牛獣として最も評価される項目。

 それなら、ウーちゃんのためにもヤルしかない。


「ウモォォォ!!!」


「ふー。俺のミルクもなかなかだろう?」


 俺だけ貰いっぱなしは悪いしな。

 ウーちゃんにもミルクを上げる。これで貸し借りは無しだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ