プロローグ
初めての投稿です。
個人的に練習で書いてる小説です。
なんとなくfa◯eに似てしまうと思うかもしれないです。そのところを承知で読んで頂けたら幸いです。
プロローグ
いつから、こんな戦いに参加していたのだろうか?
僕の代か、父の代か、はたまた祖父の代か?
実際に言うなれば、僕も三ヶ月前まではこんな力があったことさえ知らなかった。
この全身の痛みや違和感、どうしても耐え難いものがある。
だが、この戦いさえ終われば僕は帰れるんだ。
あの平和な世界に。
チャプター1
「おーい、悟、起きなさーい!」
そんな母の声で目が覚める。
いつものことだが実に不快だ。
「早く起きて、山神様にお参りに行きなさい」
これもいつものことだ。本当に不快だ。山神など、どうせいないようなものにわざわざ日曜日の快適な朝をついやせねばならないのだ。
とても面倒くさい。
「ほら早く起きろ!」
そうやって俺の布団をはいだのは母ではなかった。
「なんでお前がここにいるんだよ、雛」
「なんでって…一昨日学校で約束したじゃない!一緒に礼拝に行くって!」
「?」
「なに?なに言ってんの!言ってたじゃない、日曜一緒に祠へ行こうって!」
言った覚えが毛頭無い。
そうだ、雛の説明をまだしていなかったな。
俺の幼馴染の白燐 雛、俺ん家の隣に住んでいる面倒くさい奴だ。
歳は16歳で性格は良い意味で優しい悪い意味でウザい。
スリーサイズは……言わないでおこう特に知りたい読者はいないであろう。
「とにかく!あんたも暇なんだから一緒に行こうよ!」
「やだ、面倒くさい」
「そんなこと言ってるから女子からモテないんだよっ!」
それをいわれたら実際言い返せないな。しょうがない、ついて行ってやるしかないか…
「しょうがねーな、行ってやるよ」
「なら早くいこ!」
「待てよ、俺まだ着替えてもいねーよ」
「なら早く着替えてよ!」
「お前がいるから着替えらんねーんだよ!はやく出てけ!」
10分経過
「ん、もういいぞ」
「その服微妙、なんで女子と一緒に出かけるのにTシャツなのよ」
「どうでもいいだろ服なんて!そもそも産まれて一度もお前を女子として認識したことねーよ!」
「えー(´Д` )何それ?非道い!私だってちゃんと女子だよ!」
そんな茶番を繰り返しながら祠へ目指していたらいつの間にかついていた。
祠と言っても少しデカイ洞窟にしめ縄がしてあるだけで、ちゃんとした社の形をしていない。
けれど山神信仰はこの村では盛んでおり、よく洞窟の前にお供えものが置いてあったりする。
この祠にはよく来ていたのだが今だ中には入ったことはなかったな。
こういうものを一度気付くと確かめたくなる心理ってなんなんだろうか?
とにかく祠に来たのだ。
「やっとついた〜!」
「やっとって……五分ぐらいしか歩いてねーじゃねーかよ…」
「まあまあそういうのは置いといて、早くお参りしよ!」
「お、おう。つーかお前ってこん中入ったことある?」
「何、急に?入ったことなんかあるわけないじゃん!」
「だよな、今考えてたんだけどこの祠、なんかおかしくね?」
「おかしいって、何が?」
「例えばさ、この村で祠の中に入ったっていう噂は聞かなくね?俺みたいな無信仰者みたいな奴もいるのに、他にもここによく置いてある、お供えものとかは何処に消えていくんだ?」
「うーん、よくわからないけど、お供えものの方は誰かが盗って行ってるんじゃない?それか本当に山神様が食べてるとか!」
「そう、そこだ。つまり誰かが山神になりすましてお供えものを盗って行ってるんじゃないか?さらに俺の考えなら、そいつが山神の祠を利用し、そこに寝泊まりしている可能性がある。そうすれば人にバレずにほとんど毎日くるお供えものを食べて生活できる。」
そうだ。それしか考えられないな。
「とにかく確かめないと気が済まない。雛、懐中電灯みたいの持ってねーか?」
「もってるわけないじゃない!しかも何よ!そんなの山神様に対する冒涜じゃない!」
その時だった。
「懐中電灯なんかいらないぞ。」
そう俺らに声をかけたのは、ボサボサの髪で、長い髭の、背の高い男だった。
「中にランプがある。それを使えばいい。」
俺は一瞬硬直した。
俺の仮説が正しかったので動揺していると言うのもあるが、それよりも、この男のえもいわれぬ威圧感が、俺のことを押しつぶしいたからだ。
「どうした?そんな堅苦しくしなくていいぞ。実際そんな年取って無いしな。さすがにもおじさん呼ばわりされたらショックだぞ」 そんなことを言いながら近づいてくる。
「く、来るな!」
俺は思わず叫んだ。
雛は相当驚いたのか、隣で気を失いかけている。
「なんだよ、そんなビビんなよ。別にお前らを取って食おうなんてしねーよ。」 「初対面の怪しいその言葉信用できねーよ」
「弱ったなぁ、そんな警戒されてちゃ話したいことも話せない」
「話したいこと?初対面の俺らに話したいことなんてあるのか?」
「ああ、正確にいえばお前だけだけどな」
「ん?雛には用は無いって訳か?都合が悪いなら帰らせるが…」
その男は少し考え言った
「できればそうして貰うと助かる。というかそうすれば君たちが後々助かることになるだろう。」
「?」
言っていることがよく分からないな、まあ、こんな状況で断って良いことなんて無いと思うから、今は仕方なく従っておこう
「分かった、しかし俺も得体の知らない人の話を簡単に信じるほど馬鹿ではないからな、せめてお前も名前と素性ぐらい明かしたらどうなんだ?」
「それもそうだな、俺が先に気づいた方が良かったな、すまない」
む、こいつ意外と礼儀正しいな、何か調子が狂う。
「わしの名前は才崎竜之進だよ」
「ちょっとまて、お前さっき自分のことおっさん呼ばわりするなっつてたのに一人称はわしなのか?」
「ああ……すまない、昔からの訛りが直らなくてな、ちょくちょく混じるけど気にせんでくれ、」
「そうか、なら気にしないが…」
そう言って俺は雛を起こそうと近づいた。
「おい、雛。そんなとこで寝んなよ、風邪引くぞ」
「ん……………悟?どうしたの?何かあった?」
寝ぼけてるな、完全に寝ぼけてるよ。あいつにかぎって急な気絶による記憶の錯乱とかあり得ないもん…
「何で悟が寝起きの私の目の前にいるの?えーと………ちょっと待って、記憶の整理がつかない、」
「大丈夫、俺も状況がいまだに掴めて無いから。」
「てことは………夜這い?悟、私を襲いに来たの?」「んな訳あるかアホ!何で俺がお前を襲わなきゃいけねーんだよ!( ̄□ ̄;)!!(怒)」
「いや、長年の思いがつのってとうとう我慢出来なくなったのかなと思い…」
「お前は長年の頭の悪さが詰まったその脳内お花畑をどうにかしろ、つーかお前はもう帰れよ、さすがに二人きりでお参りに行って何時間も帰って来なかったら俺らの両親もお前みたいな馬鹿な妄想を持つに違いないからな」
「それもそうだし、そこまで言うなら私は先に帰ることにするけど、悟はこのあとどうするの?」
「そうだな…俺はあの人の話を少し聞いてから帰るわ、なかなか興味深いからな」
「気を付けてね、」
「おう、お前こそな」
そして俺たちは別れた。
雛が見えなくなったあたりで才谷竜ノ進が出てくる。
「これで良いのか?」
「ああ、これでお前さんに気兼ねなく話せる。」
「で、お前は何を俺に話すんだ?」
「んー、単刀直入に言うと……
お前さんの未来についてだな、」
「は⁉︎」
何言ってんだこのおっさん、大切な話とか言っといて急に俺の未来とか意味不明なこといって、ボケてんじゃねーの?
「ああ、すまないすまない、こんなこと急に言われても理解出来ないだろう」
「全く意味不明だ!」
「ほんとすまないな、ていうかこれから言うことの方がもっと意味不明だからなんとか耐えてくれ。」
「まあ、口は出さないようにするが、何でお前が俺の未来について知ってるんだ?」
「はっきり言うと【お前にこれから起こるだろう出来事】についてだな」
「まあ、何でもいいから早くしてくれ」
「分かった。まず最初に、お前さん
超常現象って信じるか?」
「信じないわけでも無いが、それが俺の未来に関係があるのか?」
「なら、その超常現象が【人の手】
によって起こされているとしたら?」
「‼︎」
「なかなか信じがたいだろう、それでも、わしの言うことは全部真実だよ。」
「待て待て、それって人にとっては理解し難い現象だから超常現象じゃ無いのか?それこそ無理があるだろ」
「ああ、だから信じがたいといっただろう」
「いや、そう言うことではなくて、そもそも人の手で人の出来ないことをするって時点で矛盾しているじゃないか」
「矛盾しているか、していないかはこの場合重要では無いんだよ、お前さん。とにかく、今は黙って俺の話を聞いてくれ」
「あ、ああ…そうだな、すまない」
「さっき言ったように、この世の大半の超常現象が人の手で起こされている、しかし、ただの一般人がそんなこと出来るはずが無い。超常現象を起こせる者はほんの一部の人間だけだ。そんな者達のことを、世界は
《能力者》(ホルダー)と呼んでいる。
能力者はその名のとうりにそれぞれ特有の能力を持っているその能力を使って、超常現象を起こすことが出来るんだよ。まあ、超常現象と言ってもピンからキリまであるがな。そして、そのホルダーのひとりがお前さんなんだよ」
「…………はい?(OvO)」
えっと…今こいつなんて言った?
なんかこの世を操ってる的な感じの
人達のことを会って1時間もない少年にてっとり早く説明してから、その上俺自身がそのホルダーとかなんとか言うの自身とか言われて
「信じられる訳ねーだろ!ボケぇ!」
「いやいや、信じる信じないではなくてこれは紛いも無い真実なんだよ、それともお前さんは、ホルダーである事がいやだと言うのかい?この世の支配者であれる力なんだぞ」
「だから!そういうこと以前にそんな話を信じることが出来ないって言っているんだ」
「まあ、お前さんにこれ以上何かを言っても無駄だと思うが一応言っておくぞ、ホルダーはこの世に何人もいる、しかしその中で本当にこの世を操ることの出来るのはほんの一部だ。何故かと言うとな、
100年に一度ホルダー同士で戦わなければいけないのだよ。
自分の命と願いを賭けてな……」
「……それって、俺も参加しなきゃいけないのかよ……?」
「ん?わしの話は信じないのではなかったのか?」
「確率的に0とは言い難いからな、聞いといて損は無いだろう」
「それもそうだな、お前さんの問いに対する答えは《YES》だ。この戦いにはホルダーであれば絶対的な参加権がある。もし参加を拒否すれば…いや、参加は拒否することが出来ないな。これは只の殺し合いとは違う《聖戦》なのだからな、拒否という選択肢はそもそも無い。」
「そうか、なら一つ聞きたいことがある、仮に俺がホルダーだとすると
、まだ俺は能力というものは使ったことも無いし、あるという感じも、しない。それでも俺はホルダーなのか?」
「ああ。ホルダーは先天的な者と後天的な者がいる。お前さんはその後者なんだよ。まだ能力が発現していなくてもおかしい事などない。」
「そうか、それでホルダーの話を聞かれたくなくて雛を帰らせたのか」
「いや、それとこれとは話が違う」
「?」
「そうだな、ここで一つ例え話でもしようか。お前さん、死刑で死ぬのと事故で死ぬのはどちらが怖い?」
「?死刑じゃないのか?死ぬと事前に知っていて死んだのといきなり死んでしまうのなら恐怖としては死刑の方が大きいはずだと思うが?」
「そうだな、それと全く同じだよ」
そこで俺の思考は止まった。実際に言っている意味がよくわからなかった。しかし、俺の頭の中で一つの仮説が立った、いや、立ってしまった。最も…最悪の仮説が……
「てめぇ!」
一瞬で頭に血が上り、才谷の胸ぐらを掴んだ。それでも才谷は動じず、先ほどどうりの口調で、
「わしだって最も高い可能性の話をしているのだから確実とは言えないぞ、それより、そんなことしているのであれば雛という女を助けるほうが先決であろう?」
「ぐっ…」
確かに、悔しいがそれが一番優先しなければいけないことだ。
「お前の話は後でよく聞かせてもらう。ただし、」
両手の力を緩め、こう言って雛の安否を確かめに行った。
「ただし、雛に何かあったらてめぇをぶち殺すからな…」