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2. 白黒世界の放浪者

 あの日から3日が経った。公園のベンチに座って、ぼんやりと子どもたちが遊んでいるのを眺める。いや、ただ視界に入っているだけと言った方が正しい。

 白黒に染まった世界。どこを見ても、それ以外の色はない。それはきっと、俺だけなんだろう。世界は今日も平常運転で回っている。俺だけを残して。まるで、カラー写真の中、俺だけが白黒で写っているような。

 悪夢は覚めず、俺はまだ過去にいる。いつまでこの夢は続くんだろう。

「夢、だよな…」

 聞いたって答えは返ってこない。夢じゃなかったらなんだっていうんだ。

 ふいに、足元にボールが転がってきた。拾おうとした手は、ボールをすり抜けて、なにも掴めない。俺の存在を気にもとめず、走ってきた子どもがボールを拾って戻っていく。その後ろ姿を見送って、自分の手を見つめた。

 目が覚めた(夢の中なのに目が覚めるなんておかしいが、これしか言いようがない)ら、こうなっていた。世界はとことん俺を無視する。なにかに触れることも、誰かと話すこともできない。食事をしなくても腹は減らないし、眠らなくても意識ははっきりしている。

 行くべき場所なんてどこにもない。この世界に俺の居場所なんてない。だったらもうここにいる必要なんてないじゃないか。なのになんで悪夢は覚めない? このままずっと、ここにいなきゃならないのか?

 立ち上がって、とにかく歩く。目的地なんてない。少しでも気を紛らわさないと、不安に押しつぶされそうだった。

 何も考えずに歩いたら、実家(といっていいのかはわからない)の前を通りかかった。黄色いテープを張り巡らせた門の前に、二人の警官が物々しい雰囲気で立っている。

 部分的にしか入らない情報を繋ぎ合わせると、警察の捜査は難航しているらしい。犯人のくせに他人事のような感じなのは、これが夢だからだ。

 その様子を立ち止まって眺めていても、怪しまれない。目が合うこともない。少しだけがっかりして、その場を離れる。

 世界は今日も、俺を無視する。俺の居場所なんてどこにもないんだというように。

まさかの3日連続投稿に自分が驚いてる。

勢いがあるうちに書き終えたいです…といっても残りは一話だけなんですが。

明日は…ムリ、かなぁ。明日はムリでも今週中には終わる予定です。


それでは読んでくれてありがとうございました!

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