0. 白黒世界からの疑問提起
ふと空を見上げる。色のない空が見えた。きっと俺が異常なんだ。他の人たちは気にした様子もなく、当たり前のように過ごしている。
当たり前の日常。平凡な日々。俺だってその中で生きていたのに、どうして狂ってしまったのか。
あれからいったい、何年が経っただろう。世界は目まぐるしく姿を変えた。もう俺にはわからない。こうして無意味に生き続ける日々は、いつまで続く? いつになったら終わる? わからない。
この世界にとって、俺は異物であり、異分子だ。それは疑いようもない事実。まるでカラー写真に、俺だけが白黒で写っているような。
「バカみたいだ」
ため息混じりに呟く。ちょうど隣を女子高生が通り過ぎていく。聞こえなかったはずがないのに、なにも反応しなかった。世界は相変わらず、俺をとことん無視したいらしい。
自分がやらかしたことを後悔したって、もう遅すぎる。いつだって、過ちに気づいた時にはもう手遅れだ。そんなのわかりきっていたのに、わかっていると思っていたのに、ほんとはわかっていなかった。ほんとにわかっていたなら、今こんなとこにいるわけない。
色のない世界を見回して、ため息をつく。そしてもう一度、空を見上げた。やっぱり、色はない。もう、空の青さも忘れかけている。もう見ることもないだろう。そのまま、完全に忘れていくのだろうか。
なあエヴェレット、ドイッチェ、あんたらの言い分は正しかったんだろうか?
今の俺には、知る方法がない。
最初タイトルは「エヴェレットの書」だったんですが、ドイッチェも入れた方がいいかなと思い直して入れました。エヴェレットだけでもよかったかなぁ。二人については連載が終わった後で説明しようかな、と思ってます。ストーリーそのものには関係ないので。
短編にまとめる予定だったのですが、場面転換が多いので連載にしました。短い話が3つか4つくらいの長さで終わる予定です。短いので間をあけずに続きを上げられたらいいなぁ、と思ってます。
そろそろジャンルのはっきりしたものを書きたいなぁ…。
それでは読んでくれてありがとうございました!