序
mixi公開小説の修正版です。
二百年前、突如世界は『崩壊』した。諍いや争いは絶えることなく、小規模な戦闘は世界の何処かで日常的に行われていた。人々を殺戮・虐殺し、世界を『崩壊』に導いたのは、何者かによって作られ放たれた、あるコンピューター・ウィルス。そのウィルスはとある大国の主要機関を統轄していたスーパー・コンピューター『ジュピター』を狂わせ、他の多くのコンピューターを次々と汚染し、暴走させた。暴走、というのは不正確かもしれない。それらは明らかに一つの目的を持って、制御されていた。すなわち、世界の『崩壊』だ。
警備システムは人々を無差別に襲い、汚染されたシステムが統括する全てのミサイルは発射され、人々のライフラインは停止され、交通網や連絡手段は寸断された。『崩壊』は一年半の間続き、生き残った人々は、核で汚染された大地に、分断されて取り残された。
未だにそのウィルスの開発者・首謀者は見つかっていないし、かの人物が一体何を目論んでそうしたのかも不明のままだ。そして、何故、突然そのウィルスの起こす現象が休止し、沈黙したのかも全く不明のままである。判っているのは、その後、崩壊し、汚染された大地で、人々が必死になって懸命に努力した結果に、現在があるという事だ。
現在、判明している世界の人口は、七千万人超に過ぎない。それでも、かつての文明のおこぼれを手がかりに、人々は二百年を経て、世界の三分の二までを復旧させた。
そのウィルスの名は『アポトーシス』。この『崩壊』によって、人々は多くのものを失った。だが、一番大きな、判りやすい『損失』は『月』だった。
しかし、人々はまだ、絶望に満たされてはいなかった……。
限りなく私の趣味に走った小説です。
こんなSFが読みたい!という欲望・欲求・煩悩が垂れ流しです。
メインとなる登場人物が多く、長文(な語り)が多いのが弱点です。
ちょっと趣味や遊びに走り過ぎて、展開が冗長気味かも。
元々は自作「夢幻の剣」に登場するキャラの過去話で、未公開小説の続編ですが、物語・設定は完全に独立しているため、どちらも読まなくても問題ありません。
『崩壊』前の物語は、要望があれば公開したいかもです。
書きかけ多いので、いくつか終らせてからになると思いますが(特にらぶもとか)。