選ばれし者編side story「蘇生の鬼哭啾啾組」
「おはよぉーございます。気分は、どうだぁ?」
「ん~、そうねぇ。まずまずと言ったところよん。あなたの方こそ、ずいぶんと衣服が汚れているみたいだけど、気分は悪くないのかしら?」
永久機関……とまではいかないが、十分に褐色肌の女性が、永久機関の質問に答え、なおかつ逆に質問をする。
「あぁ? 見て分からないのかぁ?」
その女性の服装は、男性ならば目のやり場に困るほどに、大きな胸を強調し露出した服だった。同時に、長い足も大きく露出している。全体的に、大人な雰囲気を放つ女性だ。
そしてその彼女の背後には、複数の人物が立っている。
永久機関は、それが誰なのかを確認する為に、彼女の背後を一通り眺めた。すると、気になった人物が居たのか、永久機関は一人の少女に不思議そうに話しかける。
「ん? お前……殺されてなかったのかよ?」
「えぇ」
それは、この地で非禁禁忌に敗れた少女だった。体の傷は完全に癒えており、今蘇ったばかりの魔人の誰かに治癒してもらった事がうかがえる。
そして、どうやら少女は、非禁禁忌との戦闘の話をされるのは、気分が良くないらしく、永久機関から目を背けていた。
「くっくっくっ、こりゃ傑作だぜ。魔神とあろう者がなぁ?」
少女は何も言い返せない。ただ、必死に視線をそらすのが、限界だった。
永久機関は、ある程度まで挑発した後、区切るように話を元に戻す。
「……それにしても計5人か。すくねぇなぁ。まぁ、偶然にも全員、魔神か。普通の人間相手なら、これで楽勝な訳だが」
永久機関は、蘇った魔人の少なさに落胆としながら、元に戻した話を進める。しかし、メンバーの顔揃いが良いのか、永久機関の顔に絶望は無く、むしろ希望までを感じさせるほどだ。永久機関は、今、自分が置かれている状況が、楽しくて仕方がないのだろう。それに、彼が確認した仲間の中に、自分より地位が高い者が居ないのも理由の一つになっているのだろう。
しかし、そんな浮かれ気味の永久機関を、正気に戻す質問がこの場に響き渡る。
「けど、普通の人間じゃない奴らも、居るのよねぇ? 例えば、私たち魔人を滅びへと誘った奴らとか」
「そいつらは、今、どこに居る?」
褐色肌の女性の質問に、背後の少女が過剰に反応した。皆が、一斉にそちらに顔を向ける。
するとそこには、髑髏が印刷された黒のTシャツに、白いパーカーを腰に少し正面からずらして巻いて、さらに足を保護する目的で付けられた金属の装飾品が特徴的な布生地のズボンを履いた少女が立っていた。髪は金色で短髪。もみ上げがやや長く、襟足が首元にも及ばない感じの女性になりかけの少女だ。
永久機関は、そのパーカーを腰に巻いた少女の問いに答える。
「そいつらは今、大魔法使いとか名乗って、お偉いさんになってるらしいぜ? 何、嫌でも俺らの前に現れるさ。特に、一人になった時は気を付けろよ? 背後からそいつらが襲ってくるぜぇ?」
「だったら、我らが単独行動すれば、話が早いって事だな?」
腰にパーカーを巻いた少女は、永久機関に確認を取る。それに対して永久機関は、にやりと笑みを浮かべ、頭を縦に振った。少女は、確認を済んだところで、颯爽とその場を去っていく。
そして、それに釣られるように、他の魔人達も各々に行動を開始していった。
『俺は、例のモルモットに借りを返しにでも行くかな』
『じゃあ、私は、社会見学にでも行こうかしら』
『どこだ? どこに居る!?』
『Kalanchoe Iris ensata。彼女を守るのが、私の務めだな』
『あいつ……あいつが蘇るなんて……。これで復讐が果たせるわ』
各々の目的の為に……
登場人物が多いなー。
これはまずいな……と思いつつも増えていくー。
重要な役割を担っていないキャラはあまり作らないようにしているのですが、現段階で役割を与えられてないから、薄いキャラになっちゃうんですよねー。とほほ。