Episode to the secret
「結局、機械天使とは何だったのかしら?」
金の髪が美しい女性は、学園の中心部とされる場所で、独り言をこぼす。
正方形の無機質な足場。その下を這うように存在する雲霧。そして辺りを見渡せば、女性が乗っている正方形の足場が、無数に点在していた。また、足場は大きい物から小さい物、他の足場より高い物から低い物と不規則だが、共通している事が2つある。それは、まずどんな足場も綺麗な正方形である事。次に足場の中心に小さな灯篭が立っていると言う事。灯篭は5cm程の大きさで、中にはロウソクが小さな灯を宿していた。
そして、ここが自体が高い場所なのか低い場所なのかも定かではない。雲霧より底に、何が存在しているかは、誰も知らなかった。
「拾われずにいる不可解なkeywordは、まだ眠っている」
女性は足場の中心にある灯篭を手に取った。中の灯が、小さく揺れている。女性はその様子をぼんやりと眺めては、また独り言をもらした。
「では、私が目を覚ましてあげましょうか」
Episode to the truth2
「ほぉ。非禁禁忌よ。久しぶりじゃのう」
「……改心したのか?」
「あぁ。今では、本当に責任を感じておるよ。皆には、都合の良い事を言っておるがな」
魔法の力によりステンドグラスだけで出来た神秘的なビル状の建物が存在する。しかしビル状と言っても、それは外見だけで中身は上か下まで筒抜けていて床と天井以外何も無い。
そこに、非禁禁忌と黒いローブに身を包む老人が居た。いや、非禁禁忌が居たところに、老人が訪れたと言った方が適切だろう。
「……お前は、これからどうするんだ?」
「まぁ、とりあえず、話し合いじゃな」
「……お前に一つ忠告しておく。……偽りは、ほどほどにしておくんだな」
「あぁ、分かっておるよ」
非禁禁忌は、表情を何一つ崩す事無く会話を進め、その調子でこの場を去ろうとする。
老人は笑みを浮かべると、非禁禁忌とは別の方向へと足を進めた。
次回への伏線を残して、最終回です。
何がこの章で終わらす(キリッだよ! って方、本当に申し訳ない。