魔女魔人編「介入する者」
「おいごらぁ! 誰が、開けて良いっつたぁ?!」
永久機関は、たったの一歩で非禁禁忌との距離を寸前まで縮める。
しかし、その僅かな隙間に、介入するかのように一人の少女が突如現れた。
「ほんと残念ね。無慈悲な運命が、ただ流れるだけだなんて」
まるで、ガラスを破壊するかのように、空間を捻じ曲げ、その歪みから登場する黒いドレスの少女。空間は、比喩通り、ガラスの断片の如く散り、少女の周りは先鋭な暗闇に覆われていた。
「どいつもこいつも……」
永久機関は、片手で額を押さえ、そのまま頭を何度か横に振る。
少女は、笑みを浮かべながら永久機関に語り掛けた。
「この扉を開放する事は、あなたにとっても悪い事ではないと思うわよ? 少なくても、不利益はないわよね?」
しかし永久機関は、怒りを隠しきれないと言った形相で少女を睨み付け、
「おい? せいぜい死ぬなよ?」
拳を強く握り、殴る前の予備動作として、手を頭の後ろまで移動させる。
しかし、今度はそこに、非禁禁忌が介入する。
「……もう終わりにしよう。Magus『ルクスデウム』」
非禁禁忌の両手に握られる魔方陣により表れし二本の槍。天使の羽が刃に浮かび上がる美しい純白の槍だ。
永久機関も、非禁禁忌が相手だと分が悪いのか、今までの無防備な体制から、整然とした構えをとる。
「ここで退くわけにはいかねぇんだよなぁ?」
かっこいい登場です。
伝わってたら嬉しいなぁ。