魔女魔人編「挨拶程度の本気」
「THOD『断末魔』ァァ!」
謎の人物のあまりの速度に、少し焦り気味で魔法を唱える断末魔。背後に現れる巨大な黒き門。
このままでは魔法が発動する前に、攻撃を受けてしまうと判断した断末魔は、後ろへ全力で退きながら、武器を構えていた。
そしてその甲斐あってか、攻撃を受ける直前で門が開き、黒き髑髏が飛び出す。
「あぁ??!」
謎の人物は、その魔法を強力なものだと判断したのか、歩みと攻撃を中断し、魔法を受ける事に専念する。
「こいよぉ?」
差し出された右手に衝突する髑髏。丁度、額を押さえつけられているらしく、顎の方が前へ前へ出ていた。謎の人物は、それを絶好のチャンスだと言わんばかりに顎に拳をぶち込む。
その瞬間、髑髏は無数の黒い火の玉へと、とてもあっさりに姿を変え、謎の人物の周りに散乱し消滅してしまう。
断末魔の顔が青ざめていく。当たり前だと言えば当たり前だ。自分の通り名ほどにもなる最高の魔法を、いとも簡単に素手で粉砕されてしまったのだ。この状況で焦らないほうがおかしい。また、アンノウンもアンノウンで自分を打ち負かした魔法を、何の苦労も無く消滅させた謎の人物に、絶望していた。
「おいおい、なんでそんな顔してるんだぁ? 今のは挨拶程度なんだろぉ? まさかとは思うが、今のが本気でした、なーんて言わねぇだろうなぁ?」
断末魔とアンノウンは、何も答える事が出来なかった。
しかし、謎の人物は勝手に話を進めていく。
「まぁいいや。ところで俺は、お前達の言う魔人の最終セキュリティーって所に行きてぇんだが、どこだか知ってるか?」
「……」
「はぁ~、はずれか。だったら良い……。じゃあなああ!! お前の魔法って、こんな感じだろう?!」
謎の人物の背後に大量の黒い門が現れる。その中心に、一際大きな門があり、その中で一番激しく揺れていた。
二人に、ぴりぴりと痛む程に、空気の振動が頬に伝わってくる。断末魔は目の当たりにする『断末魔』に瓜二つの魔法に、呆然としていた。
「PEAE『永久機関』」
全ての門が解き放たれ、大きな黒い門から大きな髑髏が現れる。そして周りの門からは、断末魔達目掛けて、無数の腕が飛び出した。
小さな門から放たれた無数の腕は、門から長い腕を伸ばし、断末魔たちを掴もうとする。
謎の人物は既にその場には居なかった。もちろん、目の前の状況に精一杯の断末魔達に、その事を知る余裕などはあるはずもなかった。
タイトルを考えるのって、めんどくさいでござる。
最近は落ちこぼれを書き始めたでござる。
昔に書いたことを忘れて、矛盾が発生しないかガタブルでござる。
にんにん。