魔女魔人編「物好きが為に生まれた悲劇」
「おォい! 不明瞭ォ! 頭ァ下げろォ!!」
断末魔の緊迫とした声が、雨の音を振り払って響き渡る。
「え……?!」
アンノウンは驚きのあまり、雨を防ぐ為に下げていた顔を上げる。すると、先ほどまで前方を飄々(ひょうひょう)と歩いていた断末魔が緊張した顔でこちらを見ていた。
とっさに転ぶように、前へ伏せるアンノウン。そしてそれと同時に感じる背後の殺気と、異常なまでの魔力の重み。
それは、上位のナンバー持ちである断末魔とアンノウンが、体中の筋肉が硬直するのを覚えるほどだった。
「なにもんだァ……?」
断末魔の呟くような問いに、謎の人物は気だるそうに答える。
「あぁ? 何言ってんだぁ? 声がちいせぇちいせぇ。聞こえねんだよ。それにしても良く気付きやがったなぁ。無能ではねぇってことか……?」
突如現れたその人物が放つ壮絶な魔力に、威勢を失ってしまう断末魔。またアンノウンは、その人物の異常な魔力に、嫌な汗を流しながらも密かに戦闘態勢を取っている。特にアンノウンは、魔力に敏感な体質な為、断末魔以上に不安を覚えるのだろう。
「どォ言う事だァ……? この力はァ……?」
「う~……とっても、不吉な感じがする……」
そして二人が異常に警戒をしているのには、訳がある。
と言うのも、その人物が放つ魔力があまりにも禍々しく、あまりにも凶悪なのだ。感じるだけで、体が痛くなると言っても過言ではない。
特に、攻撃を仕掛けてきた訳でもないのに、断末魔が回避命令を出したのはこの為だ。
それに断末魔と接触する寸前までは、魔力を抑えていたらしく、それが余計に懐疑を抱かせる。
「人間如きの相手はするつもりは無かったんだがぁ……思ったより成長してるみたいでなぁ。いっちょ遊んでやるかぁ?」
急展開きたー!
これが、機会天使ですね。うん。きっと。うん。
タイトルは思わせぶりな事を書いといて、実は適当です。
次回から戦闘ですね。たぶん。
戦闘って、ワンパターンになるから、好きだけど嫌い。
嫌いと言うよりは苦手かな……? 好きなんだけどね。
テンプレみたいになると言うか……。