魔女魔人編「無機質な悲鳴」
青年は結局、体勢を立て直せずに空中で足掻いていた。そんな最中、高速で接近してくる非禁禁忌が居る。それをどう対処するべきか、青年は必死に思考を張り巡らせた。
そして、そこに一つの作戦が思い浮かばれる。
「Magus『ルクスデウム』」
辺りに静かに響く魔法名。非禁禁忌はそれを聞き逃さなかった。
「……その魔法を使うのか。それは光を武器とする魔法、お前に操作できるのか? Universitas『エテルナヴァリタス』」
青年の両手に、天使の羽がデザインされた純白の槍が握られる。
その槍は、逆に青年を操作しているかのように軽やかに演舞すると、青年の体制が理想の形へ整っていく。そして準備が整った青年は、右手に持っている槍を非禁禁忌に向かって、投げ放つ。
さすがは非禁禁忌の魔法と言ったところか、辺りの光を壮絶に捻じ曲げながら直進する槍。
非禁禁忌は、己の前でただ手を広げるのみだった。
そして、衝突する。それにより発生した光と闇の閃光が、辺りを激しく照らし、槍は今まさに非禁禁忌を貫通しようと直進し続けるが、見えない何かに遮られているのか、その場で静止している。
「この時を待っていた。要は、お前の動きを止めれれば良いのだ。さぁ、終わりにしてやる」
青年は、非禁禁忌の背後へ光の速度で瞬間移動し、そして、もう片方の槍を非禁禁忌に向かって放とうとする。
だが青年の前には、既に槍が迫っていた。
ガラスが砕ける音と共に、青年の額を高速で貫通していく槍。右手を額に当て、落下しながら、もがき苦しみ断末魔をあげる青年。そしてそれを空中で眺める非禁禁忌。
青年は、青年自らが放った槍に、自らを崩壊させたのだ。
「……残念だが、俺の魔法は、俺以外には扱えない」
青年が地面と衝突し、その姿はガラスの断片へと変貌する。
やがて青年の断末魔は、静かに消えていく。
本当は、「無機質な断末魔」にしたかったのですが、しませんでした。
あと、槍のあたり理解できたでしょうか?
私は、何回か読み直して理解できました。
作者なのに……^^; 作者なのに……;;
それにしても、最近良くしゃべりますね。非禁禁忌さん。
キャラが崩れますよ~?