魔女魔人編「己との戦い」
非禁禁忌は走りながら、すぐ傍で浮いている半透明の剣を手に取る。その瞬間、剣は色を得、その実態を明らかにする。それに合わせるかのように、ステンドグラスだけで存在する青年も、武器を握っていないもう片方の手に武器を取る。
そして衝突。
半透明の武器達は、次々に色を得、その実態を明らかにしては、意思を持ったかのように相手に襲い掛かる。互いを狙う武器を互いの武器が防ぎ、魔力を散らす。
その武器達の激戦の中で、さらに激しい戦いを展開させる青年が二人居た。
時には殴り、時には武器を取り戦う。横になぎ払いが来れば、しゃがんで回避し、縦に剣を振られれば、身をそらし回避する。時には剣を剣で受け止め、投げては遠距離攻撃に利用したりもする。
しかし、さすがは非禁禁忌と称されるだけはあるのか、互角の戦いの中にわずかに差が生まれ始める。
それを良く思わないステンドグラスの青年は、大きく飛び跳ね教会の上へと回避する。押され始めたと言えど、差はわずか、距離を置く位の余裕はあるのだろう。さらに、その余裕を見せ付けるかのように、非禁禁忌に語りかける。
「面白い展開だ。俺は戦いを拒む事はしないし、特に推薦もしない。だが、自分の行動には責任を取ってもらう。非禁禁忌……ここに足を踏み入れた罪、しっかりと償って貰おう。そして、罪から逃れようと足掻くのならば、無条件で終わりにさせて貰おう」
「……プログラム通りにしか行動できないお前に、裁きを下す権利など無い。応用力を手に入れてから嘯け」
次に瞬間、非禁禁忌は青年の背後に立っていた。青年が、慌てて背後を確認した時には、非禁禁忌の強烈な蹴りが青年を吹き飛ばしていた。
あまりの勢いに身動きが取れない青年、そのままステンドグラスの教会を貫通し、周囲に大量のガラスが割れるけたたましい音を鳴り響かせながら、次々に破壊していく。
そこに追い討ちかけるべく、力強く飛翔する非禁禁忌。目標である青年に向かって一直線に高速移動する。
ふむ、ここはわりと綺麗にかれたのではないだろうか。
ここも、アクシデント中の話だから、どこで矛盾が発生する事か……
それにしても非禁禁忌かっこいいね。
はい親ばかです。