魔女魔人編「差」
校舎全体から崩壊を予想させる、嫌な音が鳴り響いた途端、予想通りにナンバー1が居た渡り廊下が崩れて行く。綺麗に渡り廊下のみが崩れて行き、ナンバー1が空中に放り捨てられる。
「おいおい、マジかよ。あいつは誰にも見つからない様に隠密行動して来たんじゃないのかよ? 何でこんな派手な攻撃を?」
ナンバー1は空中で、呆然とそんな事をぼやきながらも、綺麗に体制を整え中庭に着地する。
周りは校舎に囲まれていて、外からは辛うじて中の様子が見えない。しかしその校舎からは丸見えで、今にもその騒ぎを目の辺りにした生徒が、中庭に飛び出して来てもおかしくない状況だ。
しかし、誰も中庭に飛び出して来る気配など感じられない。それどころか、校舎からも人の気配が感じ取れない。
この状況にナンバー1が珍しくうろたえ始める。
「これもあいつの力か? 人を操るって尋常じゃねぇぞ」
「……何をそんなに動揺している?」
非禁禁忌が背後に居た。それだけでナンバー1は軽く恐怖を覚えるのだが、さっき自分がした事をそのままそっくりに、やり返される事で更なる恐怖がナンバー1を襲う。
その恐怖と言う感情に対してナンバー1は舌打ちをすると、空間を捻じ曲げ、歪んだ空間に身を隠す。非禁禁忌は特に追い打ちを掛けようとはせず、もはや脅しとも言える敵の戦闘分析を報告する。
「……ほんとに卒業確定者の様だな。魔力による、特殊能力の取得。お前は魔力を周りに散乱させる事により空間に歪みを発生させる。その結果、空間移動、平たく言うとワープが可能と言う訳か。この特殊能力のメリットは魔法名を唱える事無く、瞬間移動を可能にすると言った所か」
ナンバー1は姿を現さず、どこからともなく非禁禁忌の発言に返答する。
「やれやれ、こんな一瞬で俺の力を看破するとはな。とんでもない奴にケンカを売ってしまったぜ。これでは退屈しのぎにならないな、殺されてしまいそうで。……もう行って良いぞ、俺はお前に興味が無くなった。それと結果的にお前の邪魔になった事は謝罪する。その詫びとしてこの校舎は俺が修理しといてやるよ」
非禁禁忌は自分以外、誰も居ない中庭で笑みを浮かべると次の校舎へ向かう。
そうして誰も居なくなった中庭で渡り廊下がひとりでに、修復されていく。
あとがき
あっさりと負けてしまったナンバー1。
ナンバー1も弱くは無いんですが、相手が悪かったと言うべきですね……