第4話 はぐれではない転生者達は
※今回は勇樹視点ですぞよ。
なぜ勇樹視点なのかは...後々わかります
話しはじゅんきが転生した時と同じ日...いわゆる少し過去って奴です
目を覚ますと、俺たちの目の前に広がっていたのは、色鮮やかなガラスによって綺麗な色が差しており、真ん中には手入れされているのであろう綺麗で大きな像があった。辺りにはクラスメイト、そして、ホームルームのために教室に入って来ていたクラスの担任で数学科の藤沢智樹先生、そして、副担任で、去年から新卒で先生となった国語科の先生、木本静香先生も居た。皆んな、目を覚ましはじめており、各々、俺も含め、この場所について不思議に感じて居た。そこに…
「皆様、こんにちは。突然、このような場所にお招きしてしまい、すみません」
と、礼儀正しく、話しかけて来た人がいた。いかにも神父って格好のおじいさんであり、後ろの人達も同じような服を着ていることから、ここは教会なのだろうと察しがつく。続けて、おじいさんは話した。
「いきなりでいろいろとわからないこともあると思います。それは後々食事の時にでも話しますので、今は私たちのお願いをきいてほしいのです。お願いします。勇者の皆様。どうか私たち人類をお救いください」
クラスの連中はどよめく。急に知らん人から人類を救ってくれだの勇者だの言われて、俺らは困惑して居た。しかし、こういうのに精通しているであろう奴が口を開いた。
「みんな。困惑するだろうけど、ここはあの神父さんの話しに乗ろうよ」
そう言ったのは鍵山光太郎であった。彼は漫画研究部に所属しているだけあってこういうのには詳しいのだろう。しかし、そんな鍵山を皆んなは非難した。それもそうだろう。なんせ、急に知らない場所に来させられ、勇者だの人類を救ってくれだの言われるのだから。
「と、取り敢えず、みんな落ちついてください!皆んなも私も困惑はしているとは思います。私は少なくとも、困惑しています!だけど、鍵山君の意見を最後まで聞いてから議論しましょうよ!」
と、木本先生が言った。2年目の先生なのに、すごくしっかりしている。隣で藤沢先生はうんうんと頷くだけである。なんか、熱量が違うなとか感じた。木本先生の言葉によって、クラスのみんなは押し黙った。鍵山は先生にぺこりとお辞儀をし、神父に向き直った。
「神父さん。確認ですが、現段階で元の世界へ帰ることはできますか?」
「…すまない。それに関しては今はできない。こちらもやっとのことで呼び出しに成功したのだ。厚かましいとは重々承知ですが、そう、安易と返すわけにはいかないのです」
その答えを聞いた鍵山はこちらに向かい直した
「…話を聞いて居た通りです。なんにせよ、今は帰ることができないのです。ここは手助けして行った方がいち早く戻れると思います」
その言葉に俺は納得はいかないものの、神父の言葉を聞いたがゆえ、受け入れるしかなかった。それは皆も思っているだろう。皆は顔を見合わせて頷いた。
「皆さんの考えはまとまったようですね。…これからよろしくお願いします。勇者様達」
こうして、俺たちはこの世界の人類を救うこととなった。その後、俺たちは神父についていくのだった。
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この世界を救うこととなり、神父に連れられ、修学旅行とかで、ホテルでクラス皆んなでご飯を食べる時に来る場所のような所に俺たちは来ていた。先生が一番前の席で、その後ろから俺たちが好きな席に座っている。俺たちの目の前には豪華な食事が並んでいた。今日は勇者達を歓迎するパーティーだという。美人なメイドにイケメンな執事が居て、男子も女子も彼らを見つめる。正直、俺はメイドは美人だが、それよりも隣に座っている瑞姫たちの方がかわいいと思う。そんなことを俺は思いつつ、目の前の食事を食べる。みんなも、各々用意された食事を食べる。…食べた見た感想。めっちゃうまい。うまい料理についての意見を共有をしようとふと隣を見た。隣では顔を下げて、料理に手をつけてない瑞姫がいた。
「……じゅんき君。何処に行ってしまったの…」
あー。成程流石は慈愛に満ち溢れている瑞姫だ。あんな奴のことまでこの異世界に来ても心配に思っているなんて。…だが、確かに、この世界に来てから、あいつの姿を一回も見てない。光に包まれた時は自分のことや瑞姫と沙羅のことしか見れていなかった為、あいつのことなどまで手が回らなかったから、今になって気づいた。まぁ。そんなことは今は気にしていでおこう。そして、瑞姫のことも、いまはそっとしておこう。今は話しかけてはいけない。そんな予感がしたからだ。俺はそう思い、沙羅と感想を言い合った。
「皆さん。改めてまして、私たちの願いを聞き入れてくださり、ありがとうございます。まだ自己紹介がまだでしたね。私はプロディトル。この王国、ミッシュル王国のミッシュル教会の神父を務めております。以後、お見知りおきを」
という自己紹介が、俺たちが感想を言い合っている途中、会場に響いた。俺たち全員は話をやめ、神父、プロディトルさんの話を聞く。それは、俺たちがなぜこの世界へ呼ばれたらのかについてだ。聞いている限り、結構大変な状況になっていることがわかった。
「…とこんな感じです。そして明日からは…」
「ま、待ってください!」
と、プロディトルさんが話しを遮ったのは、木本先生だった、
「この世界についてはわかりました。目的も。ですが、私はやはり、認めたくはありません。私は先生です。生徒をそんな危険な目に遭わせたくはありません!」
それは皆んなも思っていること。誰も、進んで戦いなんてしたくない。そう、思う奴らは頭を下げた。
「…木本先生。鍵山君が勇気を出して聞いてくれたことを覚えていますか?私たちは簡単には帰れないのですよ。なら、この世界の人類の為に戦ったりすることで、いち早く彼らを元の世界へ戻せるかもしれないなら、それに向かって進んだ方がいいです」
「でも…生徒の…」
「わかります。実際、このクラスは早速1人欠けています。何処に行ったのかなんてわかりません。生きてるかもわかりません。皆んなも不安になるのも無理はありません。そして、これからの戦いで私たちがもっと居なくなってしまうかもしれません。だけど、このまま何もしないでいたら、きっといつかは後悔し、全滅するだけだと思いますよ」
珍しく、あまり喋らず、何考えているかもわからない藤沢先生が頼りになった。クラスの皆、そして、木本先生達が改めて、顔を見合わせて、頷いた。再び、クラスの意見が固まり、一致団結したような気がした。…俺もクラスの委員長だ。頑張らないとな。
「ふふ。やはり皆さんで良かったかもしれませんね。…さて、明日からは適正を調べたりしますよ。その後からは、魔法を、武術なら武術を、そして、この世界についても知っていきましょう」
皆は「はい!」と返事し、飯の続きを食べるのだった。