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第41話 アイス・フォレストでの一波乱?

「おい、お前らそろそろ起きろ」


朝日が昇る中、緑だった景色から、白銀の世界へと変わり、見てるだけでも寒いと分かる中、じゅんきは車の運転をする傍らで、他に乗っている者たちに起きるように催促した。しかし、皆ぐっすりなのか、起きない。もうそろそろ起きてもらわないと、このままではあと数十分で目的の地点へと到着してしまうため、なんとか起きてもらわないと思ったじゅんきはとあることを考え、皆が起きない様に静かに静かに車を停めた。


静かに停めた後、じゅんきは音を立てない様にゆっくりと外へ出た。


「……さっむ!!!凍えてしまうー!」


外は、かなり寒かった。車の中は超暖かかったので、どれだけ自分の車が素晴らしいのかを実感しながら、皆の乗っているPRVから少し離れ、ウイングズを出し、運転席に座り、エンジンをかけた。かけたてなので、寒いが、これから暖かくなると思い、じゅんきは我慢した。


そして、暖房が付けられる様になると付け、そして車内を温めていった。だんだんと暖かかかなっていく車内で、じゅんきは車内部に付けているカーテンを閉め、車の内部の外部を完全に遮断した後に、今来ている服の中に自身のお手製である耐寒戦闘スーツを着るためにである。流石に寒い外で着替えるのもだし、普通に露出狂のようになりたくないからである。じゅんきはつくづく、自分の適性職業が変な戦闘系のものではなく、ものづくりに長けた生成師で良かったと思うのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぃー。やっぱりましになったとはいえ、寒い寒い」


中に耐寒戦闘スーツを着込んだ為、着込む前に外に出た時よりも遥かに寒くはなくなったものの、顔や手などの部分はやはり寒さを感じて寒いなと思いながら、朝食の準備をしているじゅんき。


今日の朝ごはんはである野菜と肉のスープを作っていると、「バタン」とドアの開く音と共に、紫髪の女の子シストリエスと、エメラルドグリーン色の髪の毛の猫又ガタルを初めてとした全員が出て来た。因みにもれなく全員寒さで体を震わせいる。


そんな彼(彼女)らはじゅんきの用意している朝ごはんの火を見るなり、ダッシュで駆け寄って来た。まるで飢えかけの猛獣のようで怖いし危なかったので呼出(ヨビニング)ファストファフカースでもれなく全員を杖で弾き返して貰った。シストリエス&ガタルは即座に反応できたのか攻撃を避けて暖かさを確保できたものの、他の奴らは全員攻撃を喰らったので積もっている雪に体をダイブさせていた。もれなく全員、悲鳴をあげた。


「…じゅんき…な、なななんで、あの車寒くなったの…」


「そ、そそそうにゃ。王混様」


「そりゃ、お前ら起きないし、俺だって昨日お前らに渡した耐寒戦闘スーツを着たかったからな。お前らの前で着替えるわけにもいかんしって事で、向こうにあるウイングズで着替えた。ウイングズに車の動力となる魔力を注ぎ込んだのだから、そりゃPRVのエンジンも切れるし、それに応じて暖房も切れて寒くなったのさ」


じゅんき特製魔力起動車はガソリンなどの燃料を必要とせず、コストカットができるものの、運転者の魔力量に依存し、そして、その運転者が別のことに魔力を使用すると、即座にエンジンが切れてしまうというものである。なので、PRVに注いでいた魔力をウイングズに注ぎ始めたので、ウイングズのエンジンが付き、逆にPRVのエンジンが切れたのである。なので、皆が寒い思いをしたということである。


「…むぅ。私なら平気なのに」


「私もにゃのに」


「お前には見せてたまるか!これは私だけの特権よ!」


「にゃんだとー!紫女のけちにゃ!」


「…お前ら、雪に埋めるぞ」


人の裸を見たい見せない論争をこんな外でかつ、本人がいる前でするのは辞めてくれと思うじゅんき。もう本当にこいつらはと怒りを表わにしていると、さっきカースによって吹き飛ばされ、雪に突っ込んだ4人が起きて来た。先程とは違い、今度はゆっくりと来たので、じゅんきは反撃することもなく、温まらせた。


「…寒い。酷いですよ。ボス」


「突っ込んでくるお前らが悪い」


「…寒かったですから」


「そうか、寒いなら、昨日渡した耐寒戦闘スーツに着替えてこい…あの2人が喧嘩してるから先に男軍団からな」


「本当、あの2人は…」


「またガタルでしょう?本当にあいつはいつもいつも…」


そう言いながら、ユウラ、ユイイトは着替えを持ってウイングズへと入って行った。よほど寒かったのか、超速で。まぁ、2人とも上着てないしな。と思いつつ、俺はいつものシストリエスVSガタルを止めに行くのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、もうそろそろ着くぞ」


皆の服の下には下に耐寒戦闘スーツが着用されており、じゅんきやシストリエスのように上下しっかりと着ているもの達はスーツがそこまで見えず普段通りのようなかんじなのだが、ガタルやユウラのように元から必要最低限の部分しか隠していないもの達はスーツから出てくる体のラインがくっきりとしているので、男ならまだしも、女のラインがくっきりと出ているのは、男3人からすれば、一気になんかこう。エッな雰囲気となったので、目のやり場に困っている。いつもは彼女とガヤガヤしているユイイトも、娘といつも仲良さそうに話しているユウラも、彼女娘の雰囲気に耐えられず前を向いたら魔女の格好をしたシストリエス、後ろを見れば給仕服のレッキス。何処をどう見ても目のやり場に困る環境に置かれ、男2人は寝たふりをした。なので車内はいつもよりも静かではあった。


そんなこんなで、この寒い土地でも快適に過ごせるようにした後、朝食も取ったので、皆のやる気が十分にある最高の状態となった頃、じゅんきたち一向はようやくこの旅の目的である〈獣王 ワイルドポーラーベア〉を攻略し、獣王の力を手に入れるスタート地点にたった。


一向の乗るPRVはちょっとした登り道を登り切ったのちに目的地である〈アイス・フォレスト〉の全体像を見せて来た。アイスフォレストというだけあり、氷で出来た木々や、スケートリンクのような滑る地形があるのかとワクワクさせていたじゅんきであったが、その想像は儚く散ることとなってしまう。


登り道を越え、見えた先の景色には確かに木々が生い茂ってはいた。だが、来る道中で見た木々と同じ背の高い木々。しかし、その木々にはコテージのようなものが付いており、ツリーハウスとなっていたり、かまくらのようなものが立っていたりと、なんか普通に集落みたいになっていた。


「…ユイイト。ここであってるのか?」


「…勿論す。ボス。…だけど、こんな集落のようになってるのは、俺も知りませんでした」


ユイイトも、確かに目的地はここだと言ったものの、やはり集落になっていることに関しては何も知らないようだった。…まぁでも確かにここに獣王が居るというなら、そいつを攻略するまでである。…場所違いならユイイトを叩きのめそう。そう思い、じゅんきは車のアクセルに足を置き、PRVは〈アイス・フォレスト〉に向けて発進したのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


じゅんきたち獣王攻略隊は目的地であるアイス・フォレストへと到着した。現在はじゅんきとシストリエスを先頭に、なんとなくの列となってユイイトの案内の元、歩きで獣王の元へと向かっている。PRVは歩きの今でも目立っているというのに、馬が引かずとも走る鉄の塊とか絶対に目立つし、ここに居る白熊族や獅子族の獣人達から王の場所などの情報を得られないのは流石に良くないと考えたからである。


ここに住んでいる獅子族や白熊族は男は全体的に大柄で、やはり獅子や白熊とある通り、毛もユウラたちと比べれば沢山あり、ネコミミとかイヌミミのコスプレしたやばい奴らよりも獣人って感じがするとじゅんきは感じた。


「王混様。今すごく失礼なこと考えたでしょ」


「…あぁ。まるで俺たちが耳や尻尾しかつけていない変態って感じで」


「…イヤ。オモッテナイゾ」


「…怪しい」


「…ハ、ハハハ」


思いっきりユウラとユイイトにバレていました。なにこいつらエスパー?こいつらの技能に〈思考盗聴〉とかいう技能あるんかくらいに。…今度されたらアルミホイル頭に巻こう。そんなものがこの世界にあるのか知らんけど。


「…なぁ姉ちゃんら。美人だねぇ。ここでは見ない顔だし、獣人だけどよ?今暇?寒くない?俺たちの家で暖まらね?」


獅子族1人と白熊族2人の計3人の大柄な男が俺たち…というよりシストリエスたちの目の前に現れた。


現在、じゅんきがユイイトとユウラと話す為、一番前ではなくユイイト、ユウラの居る後方へと下がり、それに応じて2人も後ろへ下がったので、現在はシストリエス達女の子が前、男が後ろということに構図になっていた。


「…お姉ちゃん達は俺たちと同じ獣人だな!いやー!他の種族の獣人なんて久しぶりに見たぞぉ。よければお兄さんが色々教えてやろう!」


「ベアフ。この子給仕服きてるぜ!ウサミミに給仕服…うん。いいな」


「何を言うベアサよ。この魔女のような格好の女もいいぜ。帽子でぱっと見わかんねぇけどよ。すっげぇ美人だぁ」


レッキス。本気で目の前に来た白熊族の男にドン引きしていた。レッキスの目がゴミを見る目になっていたのが、俺たち男3人衆でもわかった。


そしてシストリエス。愛する男以外からの愛を受け、殺意を段々と隠しきれなくなっている。


シストリエス達全員はナンパ3人衆の誘いを断っているものの、あまりのしつこさでシストリエスのみならず4人全員の怒りが爆発してしまいそうなので、じゅんきは前に出ることにした。


「…おいおい兄さんら。うちの仲間をナンパするのはやめてもらいたい」


「…あぁ?なんだお前」


「だから。こいつらの仲間だって」


そうじゅんきが言うと、ナンパ3人衆は大声で笑い始めた。周りの民衆は見なかったことにするかのように通り過ぎてゆく。…かなり冷酷で、自分の元いた世界を一瞬だが思い出したじゅんきである。


「おいおい兄さんら。うちの仲間をナンパするのはやめてもらいたい。だってさぁwww」


「…おいおいお兄さん。正義のヒーロー気取りかい?かっこいいねぇ〜」


「なぁお兄さん?悪いことは言わないからよ。こいつら置いてさっさと失せろや。じゃないとぉ?…オラッ!」


俺は白熊族の男1人から腹に一撃を与えられた。…かなり痛かった。この世界に来る前なら、そのまま悶えてされるがままに弄ばれた挙句、目の前の4人が反撃してという情けない構図になっていただろう。


シストリエス達、そしてユウラ&ユイイトがこちらに来ようとしていたのは静止させた。自分から吹っ掛けたものなので、自分だけで処理したいのである。


だって今は反撃する力があるのだから。俺が今いるのは自分にも力がなくて周りの人は当然。自分が非力だった世界とは違う世界。多少は力をつけ、仲間も得た。しかも、腹にくらった一撃は、禁断王の力を継承する時に比べればなんてない。なのでそろそろ反撃をすることにした。


「…まぁまぁ痛い。だがその程度。そして、一発かましたと言うことは宣戦布告ということだな」


「はぁ?お前が俺たちを相手にできるわけねぇだろぉ?殴られた衝撃で頭おかしくなったんか?」


「…了解。あとで後悔するなよ?…呼出(ヨビニング)!ファストファフカース!」


まぁまぁ久しぶりの戦闘目的での呼出(ヨビニング)である。


「…なんだこいつ。見たことねぇ魔物だ…」


「よしカース。死なない程度に痛めつけてやれ」


「…はっ!何が痛めつけてやるだよ!俺たち3人で返り討ちにしてやる!!行くぞお前らー!!」


そうして、カースVSナンパ3人衆の戦いが始まったのだった。












「…すみまぜんでじだ」


「命だけは勘弁を。なんでもしますがら」


「………」


数分もしないうちに、カースによってボコボコにされた3人衆。接近戦を仕掛けようにも素早さで負け、ボコされ、遠距離にしようものならカースお得意の魔法攻撃の連打によってさらにボコボコにされる。そうして喋れなくなる限界くらいまでカースに弄ばれた3人衆のメンタルはズタボロである。


「…トリエス達よどうする?」


そんな3人を見て、俺は取り敢えず被害をくらったトリエス達に彼らの命運を託すことにした。


「…うーん。もういいかな。それに、私たちは特に何かされたわけでもないし」


「にゃ。紫女と意見が被るのは不本意なのだがにゃ、同じ意見にゃ」


他2人も同じ意見なので、彼らの命は助かることになった。


「ほんじゃ、俺から一つお願い」


そう言われると、3人は少しだけ身構えた。


「…獣王の場所などを教えてくれ。罪滅ぼしっていう名目でな。それなら回復をしっかりとしてやろう」


3人は顔を見合わせ、再びじゅんきの方を見ると痛くない程度に首を縦に揺らし、了承した。


なのでカースに命じて彼らを完全回復させた。傷まみれで自身の毛さえも紅く染まっていたものがだんだんと元の色を取り戻している。そして、腫れてた部分なども全て元通りに戻った。…染まった毛の色まで元に戻せるのか…すげぇぜカースと思った。


「き、傷が…」


「い、痛くなくなった。…すげぇ」


「…はっ!?俺は何を…」


「これで元通りだ。さてそれでは道案内を頼もう」


「…兄貴」


「?」


「あんたのこと。兄貴と呼ばせてくだせぇ!」


「…はっ?」


突然のことでじゅんきは頭が真っ白になった。獅子族の大柄な男が当然自分のことを兄貴呼びすることにしたからだ。


「俺、感動しました!一見弱そうな外見で何もできなそうな人でも、こんなに素晴らしい魔物を連れ、しっかりと制御できているんす!それを見たら女に声をかけて、遊んでいるだけのような生き方よりも、兄貴について行った方が俺は人生が明るくなるかがしたんす!」


「いや、ついてくんな。ついてこられるとか迷惑以外の何者でもないわ。今回はこの街のことがわからないし、この街に居る獣王を倒すためにここへ来たんだ」


「兄貴、俺たちからもお願いっす」


白熊族の取り巻き2人にも懇願された。面倒くさいことになって来たな…いや。むしろありなのか?デミズに居た時にも言われたが、獅子族、白熊族は誇り高き種族。ゆえに獣王に選ばれていない種族の獣人を連れている俺たちに目もくれないのだろうが、そんな種族の奴らが俺のことを兄貴呼びしてついてこようとしている。


それはこの先きっといい未来をもたらしてくれるかもしれない。そう考えた俺は、完全否定するのではなく、こいつらを受け入れることにした。


「…いいだろう!入るなら、俺たちの仲間となってくれ」


「勿論!宜しくっす!」


「俺は白熊族のベアフっす!」


左目辺りに縦方向に伸びた切り傷あとのあるベアフ。


「俺もと同じく白熊族のベアサす」


右目にアイパッチのようなものをつけたベアサ


「俺が獅子族のライガだぜ!宜しく兄貴!」


白熊族と似たような綺麗な白色の毛色のライガの3人が新たに仲間に加わったのだった。

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