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第36話 獣王攻略 特訓編 中編 〜強い力は易々とは使わせてくれない〜

「…にゃ……にゃあ…」


「…トリエス、流石にやりすぎだ」


「ふん。知らない。私のじゅんきに許可なく触れるからこうなるのよ」


シストリエスの怒りを買い、度重なる魔法攻撃によって黒焦げになり綺麗な白の尻尾とか耳など体諸々がぐちゃぐちゃに広がり、黒くなり、完璧な黒猫(全身真っ黒)になって倒れているガタルをみて、じゅんき、そして獣人達はシストリエスを怒らせてはいけないと心から思ったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


夜も更け、皆が寝静まる頃。獣人の国デミズを少し離れた大きな岩の多い場所に1人、男がいた。


「…トリエスも亜人達も疲れからか、今日は早く寝てくれたおかげで、今日やっとできるなぁ。この時をずっと待ってたぜ!」


嬉しさ全開の声をあげている男こと王混じゅんきは、このところ移動や戦闘などでできていなかったことを、シストリエスや亜人達の寝たタイミングの今、行おうとしている。


「さて、じゃあ早速やるとしましょうか!」


そうして、わくわくとしながら、自身に能力理解の技能を当てた。


「…天精門(エンジェルズゲート)…能力は…仲間にしたエンジェル族の者を2体同時に出せる!?す、すげぇ!既視感あるけどすげぇ!」


今日のやりたいことの一つ、天命王から何をもらったかの確認。その結果、初めての2体同時展開ができる魔法をゲットしたじゅんき。


天精門、すごくデ○エマに出て来たヘブ○ズ・ゲートに似ているし、なんか似た様な効果をしていると思いつつも、天命王、わかってるなぁ!とじゅんきは心の中で天命王に賞賛をあげた。


「それじゃ早速やるか!開け!天精門(エンジェルズ・ゲート)!!!」


じゅんきは少し声を大きくして、宣言した。










が、しかし!何も起こらなかった!!!


「…ありゃ?失敗か?」


なぜ発動しなかったのか、自身の能力理解にて再び探りを入れた。


「…なになに?エンジェル族の者が2体以上使役していることが、この門を開くことが許される…か」


エンジェルズ・ゲートを開く条件を能力理解で詳しく調べたことで出た発動に必要な条件。


当たり前だが、天精門と言っているのに、エンジェル族の魔物をまだ従えていないじゅんきは、凄く意味はないしすごく無駄なことをしたなと思った。


じゅんきは顔を赤くし、とても恥ずかしくなった。この場に誰もいなくてよかったそう思うじゅんきなのである。


「…ないなら、作っちゃえばいいや」


少し恥ずかしそうにしながらも、ないなら生成すればいいやとかいう意味不明な考えを実行すべく、天命王攻略の時に倒した天命王の下部(しもべ)の魔法石を取り敢えず全部出したじゅんき。


夜も更けているためか、黒く染まった茶色の足場にしている岩は一瞬にして魔法石の放つ光によって色々な色を彩り始めた。とても幻想的な光景である。


「…厳選だな」


どっかのじゅんきの元いた世界で有名だった人が言ってそうなことを言いながら、わくわくとした気持ちで、じゅんきは魔法石を調べ始めたのだった。
















「…アマミリアス、ラグナサイフォス…この2つがよさそうだな!」


空を飛び、遠距離からの攻撃を得意としていたなんか、浮遊戦艦に人型…?かなんか生き物をぶち込んだようなよくわからない見た目のアマミリアス。


シストリエスが厄介そうにしていた地上で剣士のように剣を巧みに扱い戦って来た騎士の様な見た目のラグナサイフォス。


エンジェル族の最初のリスフォースとなる奴の素材はこの2つで決定した。


「さてと、片方が決まったら次はもう片方だな。…残っていて良さそうなのは…」


前回、厳選した4つの魔法石の内2つを使ったので、残りは2つなのだが…


「オーガはいいな。丁度ラグナサイフォスの耐久面とかを技能で見ていて心配だったから、これで少しはケアできるからな。…だけど、問題はもう片方のこれだな」


もう一つ、じゅんきの右手に握られておるのはファストバードの魔法石。カースに付けてある物より性能は劣っているものの、総合的に見ればかなり高く、質の良い魔法石だろう。しかし、カースに付けてあると言った通り、このままアマミリアスに付けてしまうと、カースと同じものをつけることになり、被ってしまうので面白みがなくなる。あと単純にアマミリアスと相性が悪かった。


どうしたものかなとじゅんきが考えていると、じゅんきはふと、思い出した。


「…あっ!…ムゲンチュラ。そうだムゲンチュラだ!…あいつらとダンジョンに潜った時に手に入れたあれ!!!」



そう、ムゲンチュラとは、じゅんきのクラスメイトだったあいつら(勇者一向)との再会を果たした際に共にダンジョンに潜った時に手に入れたボスの魔法石。


相手の動きの鈍足化をさせつつ、動きにくくなった所で毒で攻撃。そして、ムゲンチュラの毒はすごいらしくどんな物だろうと、簡単に溶かしたりするらしい。当たり方によれば即死、良くてどこかの部位がなくなるって感じだろう。


そんなムゲンチュラの魔法石。ボスであり、チート的技能や役所を得たあいつらも多少は苦労していたので、これは強いと思っており、厳選対象から外していたものの、ステータスを改めてしっかりと見てみると、やはり、凄くいいステータスである。そして、アマミリアスと相性も良さそうだ。


「よぉし。もう片方の魔法石も決定したし、作るぜぇ!リスフォース!!!」


じゅんきはわくわくと目をキラキラと光らせながら、ゴーレム岩を取り出し、作成に取り掛かったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


あれから2時間ほど経過した。辺りはまだまだ暗く、皆が完全に夢の中の中、じゅんきは別の意味で夢の中だった。


「…出来た!出来た出来た!!エンジェル族を持つリスフォースが!!!」


わーいわーいと子供のようにはしゃぐじゅんきの目の前には右斜めに分断され、上部分と右手がラグナサイフォス、下部分、そして左手がオーガで、オーガの他の方にラグナサイフォスの剣、右手にオーガの持つ棍棒を持ち、白く輝く翼を生やした〈ラグナオーガス〉。


そして、浮遊戦艦のようなものがあった部分がムゲンチュラになっており、宇宙戦争とかに出て来そうな見た目から一変し、乗馬している様な感じで無限のようなマークのあるムゲンチュラの腹?みたいな上部分にアマミリアスの体?みたいな部分がくっついている。


上部分はエンジェル族だけあって美しい見た目だと一瞬は思ったが、下部分が超でかい蜘蛛なのでかなり歪で、不気味な感じになっている。あと、何気に常時飛べなくもなっている〈アマミチュラアス〉。


この2体がじゅんきの持つ禁断王の力を受け、完成した。


名前 ラグナオーガス


レベル 350

種族 リスフォース/エンジェル族/オーガ族

基礎攻撃力 650

防御力 14500

魔力  250

機動力 5000

特殊能力

ツイン・ライフ(コアを2回破壊しないと倒すことはできない)

あらゆる剣技を模倣し、忠実に再現できる。

超鬼化(オーガモード)により、受けるダメージを超アップさせる代わりに自身の攻撃力、機動力を超アップさせる。


名前 アマミチュラアス


レベル 320

種族 リスフォース/エンジェル族/昆虫種・蜘蛛族

基礎攻撃力 100

防御力 5000

魔力  300000

機動力 12000

特殊能力

ツイン・ライフ(コアを2回破壊しないと倒すことはできない)

天命魔法を扱うことができる

攻撃に致死性の猛毒を付与し、当てたものを溶かす










中々に悪くないステータスの2体である。じゅんきは大変満足した。


「お次はいよいよ実験!夢の2体、いや3体同時展開!!」


物が完成したら次はお待ちかねの技発動タイム。そう思い、嬉しさを全開にしつつ、ラグナオーガス(これからはオーガスと呼ぶ)と、アマミチュラアス(これからはチュラアスと呼ぶ)をカース達の待機するゾーンへと行かせた後、改めて天精門という技について詳しく知ることにした。


「…技発動におけるクールタイムは15秒…かぁ。短くていいな…だけど…」


クールタイムは短く、エンジェル族を仲間にすればするほど得のある技に見えるのだが、一つ、この技には致命的な弱点を抱えていたことをじゅんきは発見した。


「…なんだこの詠唱する言葉の長さ。こんなの戦闘中に唱えられるかぁ!!!」


能力理解によって出て来た詠唱文。気が遠くなるくらいに長い。とにかく長い。じゅんきの元いた世界にいた校長先生と言われる学校のトップの人の話並みに長い。


やってくれたな天命王。じゅんきは楽しみと期待が大きかったからか、こんな技にした天命王に憤りを感じたのと、どうやってこんな技を打っていたのかが気になった。


今度機会があれば問いただすかと思いつつも、じゅんきはせっかく一度に呼べる味方が増えて、戦闘が楽々になりそうだという思いから、この技をなんとか改良しようと試みることにした。


「…消そうこの詠唱文。だがどうやって消そうかなぁ」


詠唱文を消す。かなりやばいことをしているじゅんき。この世界において魔法における詠唱文とはとても大切なものであり、技の威力などに関わってくるものである。


長ければ長いほど魔力の消費は激しいものの、高威力な技を発動できる。逆に、詠唱を簡略化したり、そもそも言わないってことは、技の威力を超弱体化させたり、そもそも不発に終わり、魔力だけを消費するといったものになってしまう。それくらい大切なものなのである。


しかし、呼出(ヨビニング)というオリジナル技は無詠唱なのに関わらず、あんなに凄い魔物を呼び出すことのできるじゅんきにとっては、詠唱文とは単に邪魔なものでしかなかった。


何かいい方法はないものか…じゅんきがそう頭を悩ませていると、ふと、ある言葉が浮かんでた。


「…デリート、スペルデリート…」


魔法や呪文をじゅんきの元いた世界で表していたスペル、と言う言葉と消すなどの意味を持つデリート。


思いついたこれらの言葉と、禁断の力を加えれば詠唱文を消せるかもしれない。禁断の力に期待をし、試してみることにした。


「…スペルデリート!対象は天精門の詠唱文!」


先程も言った通り、スペルは魔法や呪文を表す為、詠唱文まで付け加えておかないと、この魔法魔法自体が消し飛びそうな気がしたので、保険も兼ねて詠唱文を消すと言っておいた。


おそらく、これで詠唱文は消えただろう。というわけで、じゅんきは本当に消えたのかを確認することにした。


「…開け!天精門(エンジェルズ・ゲート)!!!」


じゅんきがそう言うと、じゅんきの後方上部が黄金光り輝いたと同時に白銀の2枚の大きな羽がバサリと門が開く様な感じで美しく開き、外見、そして、門の中共に黄金に輝く、じゅんきの元いた世界では西洋風と言われていた様な感じの門が美しく現れた。


そして、その門の中心から黄金に輝く魔法陣が綺麗な鐘の音と共に姿を現すと、その中からじゅんきの先程作り出したラグナオーガス、アマミチュラアスが勢い良く出て来た。


「せ、成功した…成功したぞ!!!流石俺!流石禁断王!!!よ、よし!次だ…次……呼出(ヨビニング)!ファストファフカース!!」


じゅんきの横からひょっこりとカースが現れた。


「フォォォォォォオオオ!!!来たぜー!!!」


気分はもう最高潮。このまま気絶でもするのかと言う勢いで興奮するじゅんき。この時、じゅんきは1体でもかなり強かったリスフォースをエンジェル族の者限定だが、同時に2体、本当に少し後に1体の合計3体のリスフォース達を呼び出せる様になった。


しばらくの戦いはこれで楽勝楽勝と思いながらカース達をニッコニコの笑顔で見ているじゅんき。カース達は主のそんな顔に大分困惑しているようで、3体で困り顔で顔を見合わせていた。


魔物(仲間3体)に興奮する人間の主。その興奮する主に困惑する魔物たち。魔物達がどうすればこの主を止めれるのだろうと考えていると、だんだんと辺りが明るくなってきた。


「…あれ?なんで明るくなってんだ?…………あ」


じゅんきの興奮は一瞬にして冷めた。夢から辛い現実へと戻されたような気持ちになった。


そう、じゅんきは気づいてしまったのである。辺りが明るくなっていくことを。


ということはつまり、もう日が昇り始めているので、今から全力で帰っても寝る時間が全然残っていないこと、つまりは。


「お、オール確定じゃねぇか……やっちまった…」


取り敢えず全力で帰宅して5分、10分でも寝なければ!!と思い、カース達に帰るよう命令し、カース達は困惑を隠しきれないまま帰っていき、散らかした魔法石を一個も残らずに急ぎ急ぎ回収し、車を出して、じゅんきはアクセル全開で帰宅していくのだった。

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