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第29話 仲間だったけど今からは…

天命王の試練後。私達は現在、試練の場所だった神山の近くの街を目指している。じゅんきの持っていた車という見たことも聞いたこともないもので。


馬を必要ともせずに動いており、馬車よりも頑丈で、速くて、そして快適な乗り物の中で私、シストリエスは先程の戦いの疲れからか、眠りにつこうとしていた


私は疲れからか、眠りにつこうとしていた。その前にふと、私が彼に聞いたこと「私のことが好きなのか?」という質問をしたことに改めて自分に自問自答をした。


なぜあんな質問をしたのか。もうわかっている。私は、(じゅんき)のことを()()()()()。異性として好きになってしまったからだろう。


私が(じゅんき)のことを好きだと認識し始めたのはいつからだろう。戦いの時にピンチのところを彼に助けてもらったから?


…違う最初からだ。私がじゅんきと出会った時からだ。あの日まで、私の世界は真っ黒に染まっていた。身動きも一切取れない。見える景色は真っ暗暗闇だけ。服は埃をかぶってかつての綺麗な服とは言い難いようなボロボロ具合で、もはや、着ていないと同じのような服。当たり前だが、誰も来ない、物音もしない。そんな世界の中、私は(じゅんき)と出会った。


暗闇が光に照らされ明るくなると同時に、目の前に久しぶりの生きている者を見た。…おそらく、人間だろう。一眼見て人間だろうなとなんとなく思った。その人間がどうやってここへ来たのかはわからなかった。私に何をしにきたのか。それとも私ではなく、別の目的で来たのか、わからなかったが、私は嬉しかった。なんとなくだが、目の前の人間がついに私に渦巻くこの地獄から解き放ってくれる。そう思っていた。


そんな私の希望の彼は私を助ける事なくして帰ろうとした。ここで帰られたら、私はいよいよ生きる希望を失ってしまう。私はこのチャンスを逃すまいと必死に彼に訴えかけた。…それが実ったのか、彼は私を自由にしてくれた。その時、私の世界に色が灯った。


彼の綺麗な青い瞳。彼の綺麗な白い髪。少しボロく、清潔ではあるのだろうが、綺麗とは言い難いくらいの冒険者ような服を纏った彼は私を外へと連れて行ってくれた。眩しかった。オレンジに染まった綺麗な空に緑の森、土の色でさえ、私を感動させた。


そんな私は、彼と共に乗っている車という物の中で、彼の目的を聞いた。その目的を聞いて、私は着いて行くことにした。私にはもう居場所はない。だから連れて行ってほしいというのもあったが、純粋に着いていきたいとも思ったからだ。そんな私を彼は旅にお供させてくれることになった。嬉しかった。


そんな私達は最初、彼が滞在している街に行き、私の体を綺麗にさせてくれた後、綺麗な服を買ってくれたりもした。私はきっと、私を自由にしてくれて、私に優しくしてくれて、その後、神山での時にも、私のピンチを助けてくれた彼のことをいつのまにか、私は好きになってしまったんだろう。そう、確信した。


そして、本心で語り合いたいと言ってくれた。どんな私でも受け入れるとも言ってくれた。だからこそ、街に着いて少ししたら、この気持ちを彼に伝えよう。もう遠慮はしない。ついに見つけたこの場所を私は手放したくないのだから。


そう思いつつ、私は眠りについていたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「なぁトリエス。この街か…って、おーい。トリエスー。起きてくれ」


「んん?なぁにぃ?」


「なぁにぃじゃないよ。…トリエスが言っていたのはあの街か?」


「うーん?…あー。そーそー」


「おい、寝ぼけてんなお前。起きろ」


そう言ってじゅんきはシストリエスの頭にチョップをかました。


「痛ったあ!!なにすんのよ急に!」


「起きろいい加減!…トリエスが言っていた街ってこれか?」


「痛たた。…そうよ。この街よ」


「全く。よほど疲れたんだなお前」


「逆に貴方がずっと起きてられたのか不思議だわ」


「当たり前。今運転中。起きてないと危険だからな。それに、俺自身そんな戦ってないし。それよりも、あれが目当ての街ってんなら車降りて歩いて向かうぞ」


「…えぇ。わかったわ」


そうして、2人は車を降りて、街へと向かったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ほう。なかなかに大きな街だな」 


「そうねぇ。私もびっくり。前はこんなに大きくない街だったのに」


「そりゃ長い年月がだったんだろう?街の景観も変わるさ」


「確かに。そうね」


街の見た目は前居た街とはあまり変わらない中世のヨーロッパを思わせるような見た目の街だった。人の服もなんら変わってない。ただ、前の街よりも大きいってくらいである。


そんな感じで街を見ながら会話しつつ、じゅんきと、シストリエスは腹を満たす為に、食事処を探すのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「な、なんだ…と」


「本当に申し訳ありません」


食事を終えて、満腹感で幸せになっているじゅんき達は、今日泊まる場所を探していた。


食事は最高だった。パンにシチュー、ごろごろの大きい肉の塊(じゅんきは苦手なのですべてシストリエスにあげました)を食べた。和気藹々とし、幸せなひとときだった。


が、しかし!その後の宿探しでは、どこへ行っても満室!満室!このままでは野宿確定演出が「ピカピカ」と光ってる(車中泊をするということである)!!という体の癒しが全くできない方法を取らざるを得ない状況に置かれたじゅんき達に奇跡が舞い降りるかのように小さな宿の一室が空いているという奇跡に出会う。


しかし、その一室。かなり狭い。オンボロ…ってわけではなく、普通に綺麗なのだが、なんせ狭い。ベットは一個しかないし、ソファとかは当然だがない。


じゅんきは「寝るのどうしよう」と考えており、少々焦っている。その横で、シストリエスはぶつぶつとなにかを呟いていた。


「旅の疲れを癒す為には…だがベットとか…うーん…」


「…じゅんき」


なにかを決心したかのようにシストリエスうんと1人でに俯きながら頷き、シストリエスはじゅんきを呼んだ。


「…なんだ?」


「ここ泊まろう」 


「本気か?」


「だってもうここしかないじゃない。風呂付きで食事ありでこの値段。安いわ。前の居た宿よりも格安よ」


「だが、寝床とか…」


「そんなのは後々考えましょう!私は疲れているのよ。アー、ツカレタナァー」


「…はぁ、わかったよ。じゃここにします」


「はい。了解しました!ごゆっくりどうぞー」


そうして、シストリエスに押し負けたじゅんきは小さな宿の一室を借りたのだった。…だが、じゅんきはまさか、この後にまさかあんなことが起きるとは予想していなかったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「いい湯だなぁー。気持ちいいー。癒されるぅ」


じゅんきは部屋に来て早々、風呂に入った。部屋に付いていた風呂は3、4人は入れそうなくらい大きな浴槽があった。まじで小さなこの部屋にある風呂とは想像がつかないくらいの。


そんな風呂に浸かりつつ、ほわほわと暖かい湯で旅の疲れをじゅんきは癒していた。


その時、「ガチャ」とドアの開く音が聞こえた。


ペタペタと歩く音。そして、「ポチャン」と、じゅんきの隣で水の音が聞こえた。


じゅんきは音の鳴る方を見た。その先にはなんと…


「!?!?と、トリエス!?なんで!?」


「なに?私も一緒に入ったらいけないかしら?」


「い、いやぁ。そんなことはないけど…」


足湯をするかのように足だけを湯に浸からせるタオルを巻いたシストリエスがじゅんきの隣に居た。


スタイルが良いからか、タオルを巻いててもわかる凹凸。なんかこうエッな雰囲気を醸し出すシストリエスを見ないでおこうとそっとじゅんきは視線を逸らした。


視線を逸らしたそのすぐ後、「シュルシュル」という音と共に、じゅんきは体の左が湯の温かさではない温かさを感じた。それがなんなのかは、じゅんきは理解した。


「あ、あのぉ。トリエスさんや。なぜ、タオルを取って、俺にくっついてるんですか?」


「んー?だってタオル巻いたまま風呂はいるの違和感しかないしね」


「だったら、なぜくっついているのですか?…そのぉ、あ、当たってるんですが」


「なにがぁ?」


「そ、その…大きい…奴が」


「あー。これ?…当ててんの」


「な、なぜに!?」


「だってじゅんき。言ってくれたよね?本心で語り合いたいって」


「はい、確かに言いました。けど、それとこれとでどう言った繋がりが?」


「…私が貴方のことを異性として好きになったから、こうしてるって言ったら?」


「ゑ?」


じゅんきの背景は宇宙になった。今、自分に何を言われたのかを理解できなかった。てか、脳が理解を拒んだ。シストリエスがじゅんきのことを好き?異性として?こんな美人でスタイル最高の奴が俺を好き?そんな一言でなにもかもがわからなくなったじゅんきの頭は考えることを放棄した。


「私ね。貴方と出会った時から、貴方の事が好きだったの。最初は助けてくれた感謝のような感情で好きになったのだと思っていたわ。…だけど、そんな気持ちで告白なんて受けたくもないだろうし、嬉しくもないだろうし、もし断られたりして追い出されたら、私はどうしたらいいかわからない。だって私の故郷は滅んだのだから。そんな感情が出てきたから、黙っていたんだ」


「い、いやぁ、トリエスのような美人から告白されるのは…嬉しいと思う。俺も、実際、嬉しい」


「ふふふ。そう言ってくれて嬉しいわ」


「な、なぁ。じゃあなぜ、お前は告白しようと決断したんだ?」


「それはね。貴方が本心で語り合いたいっていたことが告白の決定打なんだよ」


「な、なるほど…」


「天命王の試練の時、貴方に助けられて気づいたの。私は感謝から恋愛感情を抱いたのは確かだけど、旅を少し続けたうちにいざって時に頼りになる貴方に惹かれているのだってね。貴方は私にとってヒーローなのだから」


「…俺、ヒーローって感じじゃないけどなぁ」


じゅんきは照れてる感じで、顔を赤くし、ポリポリと顔を手を掻いた


「…私の気持ちは伝えたわ。…それで?返事は?」


「!?…そ、そのぉ…」


じゅんきを掴んでいた手を放し、シストリエスはじゅんきの前で腕を広げた。まるで私を見てと言わんばかりに。タオルは床はポイした為、色々なものが見えてしまっている。そんなシストリエスを見ないぞとじゅんきは相変わらず右を向いている。


「…むぅ。もっと私を見て!」


そうしてじゅんきの顔をくいっと自分の方へ向けさせたシストリエス。じゅんきはシストリエスの裸を見ながら(見ざるを得ない)内心、「こ、こんなにストレートな子なのか…」と自分の中でシストリエスのイメージがだんだんと崩れていった音がした。


「…どうかしら?」


そういう彼女の顔も少し赤かった。恥ずかしかったのだろう。


「い、いやぁ。そのぉ」


じゅんきは目の前に広がる光景に恥ずかしさからか、らしくないくらいにまでに、そして、シストリエス以上に顔を真っ赤に染めている。顔はシストリエスの手で他所を向けさせないようにされている為、なんとか目だけでも他所を向いている状態である。


「…ねぇ、さっきから私の方見てくれない。もしかして、私のこと好きって言ったのに、本心は嫌いなの?それとも、私の体は好みじゃない?」


悲しそうな声、涙が出そうといった声でじゅんきに訴える。


「い、いや。そうじゃないんだ。こ、好みだ、大好き。とても、うん。」


大きく膨らんだ()()と、くっきりとした体。じゅんきは見た時から思っていた。超絶最高。ご馳走様でぇす!と。


そして、顔もいい美人が、自分のことを好いてくれている。ふと、じゅんきはシストリエスのさっき言ったことをなんとか思い出した。


そして、気づいてしまった。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


じゅんきはあの時。大切な言葉を入れ忘れていた。そう、好きは好きでも()()()()()()()だということに。だけどその結果、彼女は自分に本心を伝えてくれた。


真っ直ぐで誠実で、自分にはもったいないくらいの最高の言葉。仲間として好きだと言い忘れたという若干の後悔と、そのおかげでこんなにも美味しい思いができているという気持ちと、目の前に広がる光景にじゅんきの頭はオーバーヒートしかけていた。


このままではのぼせる。だからこそじゅんきは…


「か、考える時間が欲しい。ちょっとだけでいい。だから、その…俺は風呂を上がる!」


そう言ってシストリエスの返事を聞かずして手をゆっくりと降ろさせ、ゆっくりと立ち上がり、じゅんきは赤面しながらせっせと風呂を出たのだった。


「絶対に逃がさない。私の将来の()()()


じゅんきの去った風呂で、シストリエスはそう呟いたのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


風呂から出たじゅんきは、服を着つつ、部屋を見ていた。そして、部屋を見てあることを思い出した。


「寝床、一個しかない」


そう、この部屋、風呂だけはでかいのだが、その代わりとして部屋がめっちゃ小さい。シングルサイズのベット一つに椅子2つと机一つ(テーブルも小さい)と、別室にトイレ、明らかに場違いなサイズの風呂のみの歪な部屋構成である。


じゅんきは焦った。特に寝床が一つしかないということに。ベッドで2人で寝るのはまずい。男と女、告白されてない時ですらまずいのに、今は(シストリエス)はじゅんきに恋心を抱いている。そんな状態ではなにされるかわかったものではない。


かと言って床も寝そべれるだけのスペースはない。じゅんきは脳みそをフル回転させて、考えた。


なにか良い案がないかとじゅんきが考えていると、ガチャという音と共にドアが開いた。シストリエスが風呂から出てきたのだろう。ペタペタと素足で歩く音と共に、じゅんきは自分の方に向かっきており、そのまま後ろから抱きつかれた。


「なぁ、トリエスさんや。服着てるか?」


「いや?着てないよ」


「…抱きつくのは…もう、この際百歩譲ってやろう。だが服を着ろ服を」


「なんで?」


「なんでって…これで風邪ひいても、看病しないぞ、俺は」


「むぅ。釣れないなぁ」


「当たり前だ」


そうじゅんきが言うと、シストリエスはゆっくりと抱きつくのを辞め、服を着た。


じゅんきはどっと疲れた感じがして、近くの椅子に座った。


「…月がきれいだな」


「本当だ。綺麗ねぇ」


服を着たシストリエスがそう言いながら反対の椅子に座った。


「…話したいこともあるし、長くなると思うから、取り敢えず飲み物淹れてくる」


そう言ってじゅんきは立ち上がり、水を2人分淹れた。淹れた水を持って行きつつ、じゅんきは自分がシストリエスのことをどう思っているのかについて改めて考えた。


風呂の時、彼女からの猛烈なアピールを受けたこと。冴えない俺の為に美人な彼女はストレートに愛をぶつけてくれたこと。それはじゅんきにとってはこの上なく最高の出来事であった。小説、アニメなどでしか見たこともない展開。美人な女に愛をぶつけられる度、これは夢なのではないかと錯覚させられるくらいである。


そして、彼女が自分から見せてくれたポロリシーン。正直、美人とも言える顔立ち、豊満で美しく、自身の好みな体型に、あの時、見惚れてしまったというのは事実である。


そして、彼女はダンピール族の長の娘だった人。出自もかなりいい。


だからこそ、()()()()()()()()()()()()と思ったのだ。だから、この気持ちを素直に伝えるのは辞めよう。そう考え、前を向いた。


「っっ……!」


そう思い、返事を返そうとした時ふと、じゅんきはシストリエスのことを見て、思わず立ち止まった。月の光に照らされながら月を見る彼女の姿がとても美しかったから。シストリエスはじゅんきに気づいたのか、自分に笑いかける。


その光景を見ると共に、じゅんきは自分の胸の高鳴りを感じた。


…そうか、俺も彼女のことが…自分の本心に改めて気づいたじゅんきは冷静さを装いつつ、席に着いた。そして、じゅんきは抑えきれなくなったこの気持ちを伝えることにした


「…告白の返事を出す。今決めたから」


「…え!?う、うん」


驚きとどこか不安そうな顔を浮かべつつ、シストリエスはそう返事した。じゅんきはその顔を見つつ、言った


()()()()()()()()()()()()()()()()()


言った。言ってしまった。じゅんきは思い出したのだ。自分がシストリエスに言ったことを。


「本音で語り合いたい」そう言ったことを。自分はそう言って彼女に本音を言わせその気持ちにさせたのに、自分はこの気持ちに蓋をして本音を伝えないっていうのは不公平である。あの時、月明かりに照らされる彼女、そして、風呂での出来事を思い出し、自分が彼女のことを、異性として好きになったのだと確信した。だからこそ、自分の気持ちをぶち撒けることにしたのである。


「最初は仲間として好きだったんだがな…トリエスの本音を聞いて思ったよ。好きだって」


じゅんきは不思議に思いながらも、そう言う。最初助け出したのは使えそうだから、自分の過去と似た境遇に同情したから。帰る場所がなくてかわいそうという理由。天命王討伐の時までは少しの間だけだったが、その少しで懸命に生きる姿に仲間として好きになった。…だけど、風呂場で本音を伝えられた時から、彼女のことを意識し始めていた。


考えても見て欲しい。可愛い美人が自分にストレートに好きと言う光景を。嘘偽りなんてない、そんな気持ちを!


だけど、嬉しいとは思いつつも、一度は封印しようと思ったこの気持ち。しかし、月明かりに照らされた彼女を見て、じゅんきは伝えようと思った。それくらい、彼女に惚れてしまったんだろう。


「…う、嬉しい!嬉しい!じゅんき!」


そう言って笑みを浮かべながら席を立ち、じゅんきに向かって抱きついた。じゅんきも立ち上がり、お互いに抱き合う。


満月ともいえるくらい丸い月に照らされる部屋の中、はぐれ者の異世界転移して来た男と、かつて封印されており帰る場所がない人間と吸血鬼の血の混じった魔法の才能のあるダンピール族の女は恋人となった。


「…これからは2人でまったりできる所探しと、王探しだな」


「…ええ!そうね。…これからよろしくね!()()()()()♡」


「…な、なんか、いざ言われると、恥ずかしいなぁ」


抱きしめる手を緩め、面と向かってあなたといわれたじゅんきは、右の手を自分にやり、照れ隠しからか、顔をポリポリと掻いた。


「…そういえば、寝床どうしよ。…そうだ。トリエスがベッドで寝て、俺は椅子で突っ伏して寝るよ」


ファー!甘い甘い!と某首領竜が出てきそうな甘々展開を潰し、忘れかけていた最初の難題をじゅんきは思い出した。


だが、先程のお風呂タイムの時とは違い今は冷静さを保っている。じゅんきは頭はフル回転した。そして、2人が気持ちよく寝れる名案をじゅんきは思いついた。シストリエスは戦い諸々で疲れが溜まっているだろう。それなら。


シストリエスはゆっくりとベッドで寝た方がいい。対象的にじゅんきも疲れてはいるもののシストリエス程ではない。だから。この世界に来る前に行っていた学校というもので編み出していた伝家の宝刀、「()()()()()()()()()」を実行することにした。


じゅんきの考えついた寝方は深夜遅くまでゲーム、アニメ鑑賞三昧。そして昼の学校は寝る!それを続けているうちに当たり前のようにできるようになっていた素晴らしいものである。


「えぇ。それじゃ体が痛くなるよ」


「大丈夫だ。慣れてるんだぜ!」


「…ふふふ。ほんとすごいわね。だ・け・どー」


そう、シストリエスがニヤリと不敵に笑うと、じゅんきはグッと引かれた。


「???」


「これなら、いいわね」


シストリエス以外の物が横になって見える!…ということはつまり、あれだ。じゅんきは現在、シストリエスと添い寝しているということになる。そのことを知ったじゅんきは顔が真っ赤になる。まるでタコだ。


「あ、あの、トリエスさん?」


「なぁに?」


「これは、いったい?」


「何って、添い寝よ添い寝。恋人になったんだもん。そんな状況でベッドが一つしかないなら、こうするしかないでしょ?」


「い、いやぁ。そのですねぇ。俺は大丈夫というか…」


そう言いつつ、ベッドから離れようとするじゅんき。しかし、シストリエスはそれをさせないと言わんばかりにじゅんきに抱きつく。じゅんきは離れようとする力を強くした。離れようと努力するじゅんき。しかし、シストリエスの力の強さに驚き、離れられないじゅんきである。


「なんで。私とそんなに寝たくないの?恋人なのにぃ」


涙目で訴えかけてくるシストリエス。


「…わ、わわわかった。寝よう、このベッドで一緒に!恋人だしな!」


「本当!じゃあ寝よう!…安心するよぉ」


じゅんきは悟った。こいつ、わざと泣き真似しやがったな。まぁ。でもかわいいかったので許すことにした。


…そして、同時に悟った。今日、俺は眠りにつけないなとも。


実際に、シストリエスは早々と幸せそうな顔でじゅんきを抱き枕のようにして眠っているのにも関わらず、じゅんきは恋人とはいえど自分に美人が抱きついて寝ている状況から眠りにつくことはできませんでした。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「へっくち!…寒いにゃあ。早く来ないかにゃあ…誰か」


夜もふけ、外は寒くなっている中、岩肌で1本の尻尾をふりふりとしつつ、全く着込んでいなかったのか、体をぶるぶるとさせている奴がいたのだった。

某首領竜…ファー!甘い甘いをネット調べてみたら出てくると思います。気になる人は調べてみてください。おもしろいので

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