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第25話 いざ神山へ

神山を目指す為、俺の最初の拠点的立ち位置だった名前は知らない街を出て、3、4日くらい経過しただろう。山を駆け抜け、砂漠を駆け抜け、時には魔物達から追われたのでアクセル前回で逃走し、疲れたら休憩しを繰り返していた。


「にしても、本気マジで遠い」


「…いや、このペースは超早い方。馬車とか使ったらもっともっと時間掛かるくらいの距離を、こんな短期間で。本当に凄い。じゅんきは」


「俺じゃなくて、こいつが凄いんだけどな…まぁ、でもそう言ってもらえると嬉しいな。…このペースなら、あとどれくらいで着きそうだ?」


「…多分このペースだと後1日くらいかな」


「…遠いなぁ」


時速100キロくらいで現在は草原地帯をぶっ飛ばしているのにも関わらず、先はまだまだ長いとさ。どれだけ遠いんだ神山。これもし馬車とか徒歩移動ならマジで色々と終わってたんだなと思い、自動車という物の偉大さをもう何回確認したのかもわからないくらいだが、改めて認識したのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「これが、神山か」 


「えぇ。私の記憶通りね。この場所にあった」


街を出て4、5日が経過しただろう。いくつもの山を超え、砂漠を超え、草原を駆け抜けた先には神々しく、神のいる場所に最も近いというだけはあるような美しさを放つ神山の目の前に来ていた。そんな神山は、やはり王のいる場所なのだろう。そう再認識させるような大きい扉が待ち構えている。移動の次は攻略。強力な魔物に俺は胸を躍らせつつも、俺たちはその中へと入ってゆくのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「やはり神山。神に近いと謳うだけはあるな」


「えぇ。実際に来るのは初めてだけど、ここの魔物。かなり強いわ」


「まぁ、無理せずゆっくりと行こうぜ」


「そうね」


そんな会話をしつつ、俺たちは魔物を倒してゆく。出てくる魔物はエンジェル族という魔物達が多く、禍々しい見た目でもなければ、the敵!って感じでもなく、どれもどれもが綺麗で見惚れてしまうような見た目。そして、使う技一つ一つが神聖系なのだろう。すごく綺麗である。しかし、攻撃は攻撃なので、当たると普通に痛そうである。


そんな敵を俺はカースと新キャラのダイナオーツインク(これからはツインクと呼ぶ)奴らで地上を歩く魔物を、遠距離型の魔物はトリエスが討伐してくれている。


トリエスは魔法への適正が極めて高いらしく、詠唱なしで魔法を打つのは当たり前、そして、カースも一目置くくらいの様々な魔法連打攻撃により、どんどんと魔法石に変換されてゆく。俺、仲間呼んだだけで特段攻撃に参加したりしてないから、すげぇ仲間はずれ感がすごい。…今度、なんか魔法を研究するかと俺は思うのだった。


「…なんか、ここの魔物かなり強いわね」


「そんな魔物を楽勝みたいな感じで魔法石に変換してるのに、よく言うよ」


「それはじゅんきの出す魔物達が地上の方にいる厄介な奴らを倒してくれているからよ。ほんと、その継ぎ接ぎ姿の魔物はなんなのか。不思議で仕方ないわ」


「ふふん。これは俺が作った魔物、合体獣リスフォース達だ!」


「合体獣リスフォース…てか、魔物って作れるんだ」


「まぁ、作り方とか諸々の詳細は秘密なんだがな。…って、そんなことを話していると、いかにもなボス部屋の登場だな


「ま、秘密ならこれ以上は聞かないでおく、それよりも、今はこの部屋の魔物討伐を優先ね。覚悟はできてるわ」


「助かる。…開けるぞ」


そうして、いかにもボス部屋ですよ!って感じの大きな扉を俺達は開けた。


開けた先で待ち構えていたのは4枚の白く綺麗な翼を持ち、体はこれまた綺麗な白を輝かせている龍、聖龍ギャラクシーヘブンが堂々と待ち構えていた。(名前がわかったのはじゅんきの技能のおかげです)


ギャラクシーヘブン(これからはギャラクシーと呼ぶ)はじゅんきたちを見るなり、咆哮をあげ、じゅんきたちに向かって白い輝きを放つブレスを放ってきた。じゅんきとシストリエスは左右に分かれ、シストリエスは炎系魔法で対抗、じゅんきは召喚ヨビニングでファストファフカースを呼び出し、同じく炎系の魔法を出させた。


なぜ炎系なのかについては単純にカースにお任せしたからである。


そんな炎攻撃をギャラクシーは翼をはためかせ、軽々と消し飛ばした。


「…まぁ、ボスって感じの魔物だし、そう簡単にはやられないわな」


そう呟きながら、じゅんきはギャラクシーと距離を取りつつ、新たな指示をカースに出した。


「…そうだ!カース!闇属性の魔法を使え!」


闇属性魔法。呪いを含む魔法であり、受け続けると呪いの効果で力尽きてしまう魔法。張本人を倒せば、その呪いは解くことができる、種族にデーモン族を持つ者だけが使用できる、専用魔法といった感じである。


魔法を使うシストリエスからこの神山図る途中に魔法についてを教えてもらっていたじゅんきは咄嗟に思いついた。


聖なる敵には闇の力で対抗する。ゲームなどではあるあるの設定だろう。元から持ってたゲーム知識と先程の知識を組み合わせ考えついた。そして、じゅんきには奇跡的に闇属性魔法を放つことができるカースがいる(なんと、奇跡的にカースは種族にデーモン族を持っているからである)。


そんなカースに闇属性魔法の攻撃を放つように指示を出し、カースは指示通りに闇属性を持つ魔弾を高速でギャラクシーに向けて投げ飛ばす。


その攻撃をギャラクシーはその魔弾を見るなり、血相を変え、その攻撃を避けようとしたようだが、焦りからか、すぐによけることができず、なんとかギリギリ直撃は避けれたものの、魔弾は容赦なく右の羽2本を貫通した。貫通した部分に当たり前だが、穴が空く。そして、その穴から広がるように黒く、闇が侵食していく。


跳ね返すこともせず、血相を変えるくらいにまで避けようとする。やはり、エンジェル族にとって闇属性の攻撃を持つデーモン族は天敵なのだろう。


そして、白く綺麗だった右羽2本はだんだんと黒く濁り始めた。それに伴い、自由に右翼を動かせなくなったギャラクシーは左翼のみで滞空することはできなかったのだろう。必死に左翼をバタバタさせるものの、その努力も虚しく、だんだんと落ちていき、地面に叩きつけられた。


ドゴーン!という音と共に地面に叩きつけられた後、「痛い」と言わんばかりの感じでゆっくりとギャラクシーは立ち上がった。同時に「よくも俺の体に傷をつけてくれたなこのやろう!」と怒りを露わにするかのように雄叫びをあげた。そして次の瞬間…


「わお。驚き」


「ち、ちょっとじゅんき。あいつ、めっちゃキレてそうだけど…」


雄叫びと共に、何処からか、ダンジョン内でよく見たエンジェル族の魔物がどんどんと出てきた。


その光景を見て、じゅんき、シストリエス、カースは集まった。


「…ねぇじゅんき。これは…ちょっとまずいんじゃないかしら?」


「…ふふふ。案ずるな。こんなこともあろうかと新キャラを用意しておいたのだ!」


「新…キャラ?」


「あぁ。というわけで召喚ヨビニング!ダイナオーツインク!」


こんな絶望的状況でもケラケラと明るく話せるじゅんきに「大丈夫かな。この人」とシストリエスは思った。


そんなじゅんきは召喚ヨビニングのクールタイムはとっくに終わって居た為、じゅんきは新たな仲間を早速、この戦場に投下した。


オークの体と腕を持ち、恐竜のような見た目であったダイナツインの体と足、そして尻尾を持つじゅんきの新たな仲間。そんな継ぎ接ぎの姿のものを仲間というじゅんきに対してシストリエスが困惑したのは言うまでもない。


「俺とツインクで地上の魔物達をやる。トリエスは空中にいる魔物。カースであの白龍を倒してくれ」


「え、えぇ。わかったわ」


その作戦に、カースとツインクも「任せてくれ」と言わんばかりに首を縦に振り、肯定した。


そうして、俺たちの連携プレイが始まった。指示通り、地上の魔物は主にツインクが。


目の前にいる者がたとえ、味方だとしても、敵であろうと、なんであろうと食い散らかす爆食どころでは済まされない魔物オークと恐竜のような見た目のダイナツインを混ぜたからだろう。


リスフォースになったからか、味方までもを捕食対処って感じの目で見ることはなくなったものの、目の前の魔物(敵)のことは相変わらず自分の餌としか見ておらず、ダイナの自慢の鋭い歯で固そうなエンジェル族の魔物達を次々と乱雑に食い散らかしている。


あまりにも残虐な光景のため、モザイクとかかかりそうなことになっているがな。そんな光景をみて、エンジェル族の魔物達がゆっくりと後退りしているくらいだ。


…作戦的にはすごく助かるが、良い子も悪い子にも見せれないようなシーンを連発して作り出す為、今度、こいつには食事マナー的なものを教えようとじゅんきは思った。


そんなじゅんきはそのツインクが処理できていない魔物の討伐。攻撃力無限を生かして素早さは遅いものの、確実に地上の魔物を1人もカースに近寄らせず、そして、奴らに止めの一撃をお見舞いしていく。


シストリエスは空中にいる白龍以外の魔物の討伐。魔法を巧みに使用し、空中に滞空するエンジェル族を次々と魔法によって打ち倒していっていた。


その光景はまさに、シューティングゲームそのものだった。


そして、カースはというと、完全にどす黒く染まり、左翼のような綺麗さなんて微塵もなく、使い物にもならなくなった右翼を持つギャラクシーヘブンと一騎打ちをしていた。


ギャラクシーは羽が死んでいる為、飛ぶことができないから、地上からカースに向けて攻撃を放っている。


逆にカースは空中にという、立場が完全に逆転したような感じになっていた。


ギャラクシーの放つ神聖とも言える攻撃をファストバードの脚力を持つカースは軽々しく避けつつ、自身も闇属性の魔法で反撃をする。


ギャラクシーも羽が使い物にならなくなったことから、舐めてかかっていい相手ではないと察したのだろう。先程とは変わった表情、敵を見る目でカースのことを見ており、同時にカースの攻撃をその巨体からは信じられないくらいの素早さを見せつつ、攻撃を避ける。


両者とも一歩も引かない戦いである。


そんな空間に素早さが絶望的なじゅんきがいったって、カースと並ぶほど魔法の才はあれど、闇属性魔法は使えない為、トドメの一撃などをいれるのは困難なシストリエス、そして、「俺はあいつに興味ない」とでも言っているかのように、地上のエンジェル族の魔物を食い散らかすツインク。


そんなじゅんき達が向かっても、足手纏いになるというのは誰もがわかることだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


戦闘開始から30分くらいの時間が経過しただろう。ギャラクシーによって呼び出したエンジェル族の魔物は全てじゅんきたちによって倒され、残りは呼び出した張本人であるギャラクシー自身のみとなった。


そんなギャラクシーをカースが迎え撃つ。しかし、両者共に疲れが見えてきており、最初はギャラクシーの攻撃を軽々しく避けていたカースも、今はいくつかの攻撃を受けてしまっている。それはギャラクシーも同じであり、白く綺麗な体が、闇属性魔法の攻撃により、少しずつ、黒く染まっていた。


ギャラクシーは思った。このまま戦いを続けていれば、自分の方が先に力尽きてしまうのは容易に想像できることを。そんなギャラクシーは一つの賭けに出ることにした。


ギャオォ!


雄叫びを上げながら、ギャラクシーは己持てる全速力でカースに突撃する。余裕そうな感じで飛び、空へ逃げる様にして、カースはその突進攻撃を避けた。


「その行動を待っていたぞ」と言わんばかりに、ギャラクシーはカースに向けてブレスを吐いた。


フェイントを掛けられたのである。


カースは突進を避ける為に空中へと飛んだ為、そこから避ける方法はあれはずもなく、「やってしまったな」という表情に浮かべつつ、その攻撃をモロに喰い、カースはギャラクシーの放つ白いブレスの中へ消えてしまった。


…ブレスにカースが消えて数十秒が経過した後、カースが力尽き、体の力全てが抜けきった状態で落ちてくる。そして、「ドサッ」という音と共に地面に落ち、その場から完全に動かなくなったカースを見て、ギャラクシーはブレスを止め、勝ちを確信したかのような雄叫びをあげた。


それと同時に、己も大分限界がきていたのだろう。ギャラクシーは、己の力が抜ける様な感覚に陥り、その場に轟音を轟かせながら倒れた。


倒れてすぐ、ギャラクシーは自分の体の異変に気づく。


自分があの継ぎ接ぎの魔術師と戦闘して居た時から感じて居た苦しさというものが消えておらず、もう立ち上がる元気すらないということを。そんなギャラクシーは、力を振り絞り、自分の体に目線をやった。


…そこには、自分の持つ輝く白色の体…ではく、呪いの進行により、闇に染まってしまったかの様にどす黒くなっている自分の体があった。


ギャラクシーには理解ができなかった。この世界に住んでいる知能ある者は皆知っている。呪いは呪いをかけた張本人が倒されれば、かけられた呪いは全て解かれると。


しかし、どうしてだろう。ギャラクシーは確かに、呪いをかけてきた鳥の体の一部を持った継ぎ接ぎの魔術師を倒したはずだ。


この目で力尽きる瞬間を見た。手応えもあった。そんなことを思いながら、目線を自分の体から、カースの倒れていた所へと目線を移し替えた。普通なら、そこには体が消え去り、魔法石しかないということが当たり前である。だってカースは魔物であり、その魔物をギャラクシーは倒したのだから。


そう思いつつ、カースの方へ目をやると、…なんと、カースの体がしっかりと残っているではないか。魔法石…ではなく、先程倒れた時と変わらない姿で。


そんなあり得ない現象に驚きを隠せないギャラクシーはさらに驚きの光景を目の当たりにすることとなる。


…カースが動き出したのだ。死んだはずのカースが。ヒョッとまるで何事もなかったかのように立ち上がり、そして平然とした佇まいで、ギャラクシーのことを見ていた。


理解ができなかった。自分がとどめを刺したはずの敵がなぜ生きている?なぜ自分のブレスを直撃していて傷一つついていない?ギャラクシーの頭の中にはそのことで頭がいっぱいであった。


これが、じゅんきの仲間として造り出された魔物。合体獣リスフォースである。そこら辺のキメラ獣とは違い、技能「ツインライフ」により2回倒さないといけないのである。しかも、1回倒された後に復活する時は、魔力もなにもかもが全回復する為、長期になればなるほど、キツくなるという地獄のような仕組みつきである。


負けた。そんな化け物を相手して、倒せなかったギャラクシーはそう察した。自分の全力をぶつけ、一度はある倒せたと思っていたのに、受けた傷はなくなっており、魔力なども、最初対面した時と変わらない魔力量である。


自分はもう呪いによりかなり衰弱し、先程のような不意をつくことも、全力の技を放つことも、そして、ここから逃げ出すことも。受けた呪いにより、何もかもが出来なくなってしまったギャラクシーは、「もう、打つ手がない。潔く、我は負けを認めよう」といっているかの様な表情で、「グルゥ」と弱々しく吠えた。


そんな表情を読み取ったのか、カースは「一度は私を倒すことができたんだ。賞賛に値するぞ」というかの様に頷き、カースは闇属性を含んだ最初、羽を使い物にしたものよりも大きな魔弾を、ギャラクシーにぶつけた。


ギャラクシーはその攻撃をモロにくらったことで、完全に力尽きたのだろう。黒く濁った体はポロポロと崩れ去り、巨体のあった場所には、ギャラクシーヘブンの自慢だった白く輝く体のように輝く魔法石がそこには転がっていた。


戦闘後、その場でカースが立っていると、じゅんき達が集まってきた。


「カース。すごいなお前は。あんなドラゴンを倒しちまうなんてな」


「私はそんな化け物を作り出した貴方の方がすごいと思うけどね…」


そんなじゅんきとシストリエスの会話を横目に、カースはなにかを思いつかな様な感じで歩き出し、ギャラクシーヘブンの魔法石を回収し、じゅんきの元へと持っていった。


「…これは?…ギャラクシーヘブンの魔法石か。白い輝きが美しいな」


そう自分の持っている魔法石に見惚れるじゅんきに、カースはその魔法石を受け渡した。「そいつで、私たちに新たな仲間を作って欲しい」と言わんばかりの表情を浮かべながら。


じゅんきはその気持ちを察したのだろう。「まかせとけ」と言いつつ、その魔法石を受け取った。自分の造った最強の仲間であるカースと死闘を繰り広げたギャラクシーは味方になったらきっと強く、心強いだろう。速く、こいつと合いそうな奴を見つけたい。そう強く願うじゃんきであった。


そんなこんなで、ボスであるギャラクシーヘブン討伐を成し遂げたじゅんき達。それでひと段落…なんてことはなく、討伐を成し遂げたことにより、ここからが、本当の試練であるということを、じゅんき達は知らさせることになる。


「…お見事であった。巧みに考えられた作戦で、我の眷属達を倒すその姿。気に入った」


という透き通ったような綺麗な声色がじゅんき達のいるこのボス部屋に響いた。じゅんき達は先程のような和やかな雰囲気から一変し、緊張感の漂う雰囲気となった。


そんな雰囲気になった後、ボス部屋上部が光り輝き出し、透き通った声の持ち主が姿を表したのだった。

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