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第17話 無限ダンジョン攻略 後編

光が収まり、あたりの景色を見渡す。そこは先程までとは打って変わり、薄暗く、どこか不気味な雰囲気を醸し出している。


「おい!皆んな大丈夫か?」


「はい。なんとか」


「なんですか。ここ」


「どうなってんだよ!佐藤!剛力!なにしてんだよ!」


「お、俺は…」


「糞!佐藤、剛力!あれは更に下の階へと誘う罠なんだぞ!…お前らは後で話し合いをするとして、取り敢えず皆んな一旦落ち着こう!今は佐藤と剛力を責めてる場合ではない!ここが何階なのかを把握することが優先だ…」


そう、団長が皆を落ち着かせるために発している最中に、騎士団の1人の悲鳴とともに、「バキバキ」と聞きたくもない音が鳴り響いた。そのせいで、皆は余計にパニック状態となってしまった。そんなパニックとなった奴らを嘲笑うかのように、()()は姿を現した。


「なっ!?マンティコア!?こんなレベルの高い魔物がどうして…くそ!下がりすぎたのか、みんな!下がれ!」


ライオンのような胴体、どこか人間っぽさを感じる顔。しかし、魔物だよと言わんばかりにそいつの目は赤く光り、捕まえたであろう騎士団の人間を咥えて、出てきた。本で見たことのある姿まんまである。…てか、どうして、敵って赤く瞳が光るのか。意味不明である。


「こ、攻撃!う、うぉー!」


「わ、私たちは勇者なの!やれる!やってやるぅ!!!」


クラスの何人かが自分を鼓舞するようにし、魔物に立ち向かう。しかし、心に先程のトラウマなどが残る攻撃に立ち向かうクラスメイトの攻撃は優しくなり、近づいたりしたことで返って自分たちがダメージを受けてしまう要因となってしまい。そして…


「や、やめろぉ!俺を食っても美味しくない!」


クラスの中でも一番体が大きく、重戦士の職業の大山が、攻撃を避けれず、マンティコアに抑えられ、今にも食べられそうになる。みんな、仲間が目の前で喰われかけているという恐怖。先程の騎士団の人を思い出し、皆動けずにいた。そんな彼らを騎士団の人たちが助けようとした時…


ザシュ!


と、鳴り響いた。大量に血を撒き散らし、大山の隣に倒れ動かなくなったマンティコア。大山それを見て、恐怖のあまり、その場に硬直してしまった。


「ふふふ。私たちが倒す相手を貴方が傷つけようとするのは許さないんだからー♡」


「誰だ!」


「うふふ♡あら?私たちにそんな言葉を入れるなんて度胸あるわね♡」


そうして、またまた現れたのは…赤い髪の女性?しかし、オーラからして明らかに人間ではないのはわかる。女性は沢山の犬?を連れていた。可愛くはない。むしろ悪い顔してていかにも敵って感じ。…なんなんだ次々に


「私は誇り高き魔族の1人エーリエ。我らが主人の命でね。最近、こちらの世界にやってきた人類の希望?とかいう勇者を潰せとさ。しかし、呆れたね。こんなにも弱い勇者ごっこの集団だとは。ふふ。そこの騎士の貴方達も大変ねぇ。宝だと思って罠に釣られてまんまとかかるバカとお荷物達を抱えて、仲間が死んだ。そして自分たちも危険な目にあって。これじゃ。私たちの計画を潰されるとかって焦ってた私が阿呆みたいじゃない」


「て、てめぇ!さっきから何を言って!ふざけんな…ぇ」


「勇者ごっこもできない愚者は黙ってな」


そうして、エーリエと名乗る赤い髪の美しい美貌を持つ魔族によって、彼女に攻撃しに行ったはずの佐藤は軽々しく、反対方向へと吹き飛ばされた。みんな唖然としている。そして、先程まで色気丸出しでくねくねとしてた女が急に引き締まったことにも驚いた。


「っっくっ!なんで魔族なんて!」


「ふふふ。冥土の土産におねーさんが教えてあ♡げ♡る♡。なんで私たちがいるかって?そりゃ、貴方達勇者と呼ばれる奴らがここにくると聞いてね。貴方達がくる前に一足先にここの魔物を潰し、私の配下を置いておいたの。まぁ、あいつらのことは倒すとは思ったけど、まさかあんな雑魚を倒してイキッてるお子様達だったとはねぇ。ほんと、つくづく、勇者ごっこの集団としか思えないわ♡」


「…その話はわかった。だが、なぜそんなことをしてまで勇者様を殺そうとする」


「貴方は知ってるでしょ?今、私達魔族と人類は敵対関係。互いに伝説の12の王の力を求め合い、殺し合いをし、いずれはどちらか、いえ、我ら魔族が12の王の力を全て集め、我ら魔族のほうがお前らよりも上の存在なのだということを我らは証明するの。だから私は、いえ、私たちはの計画の邪魔となる奴らは全員抹殺するの。そのためにここへ来たのよ♡」 


12の王。成程、魔族と呼ばれる種族の奴らもやはり、狙っていたのか。


「くそ!…今、我らは勇者様達を失うわけにはいかない!お前らは逃げろ!お前らが戦って勝てる相手ではない」


「で、ですが団長…」


「行けと言っているんだ!さっさと…ぐうっ!」


「行かせないわよ」


「団長!っく!よくも団長をー!」


「あはは!バカがもう1人!やっちゃえ!ハウンド!」


「はぁー!喰らえ!波動斬はどうざん!」


「わぁお!すごーい!私のハウンドちゃんを一撃で倒すなんて!君は凄いね!…わかるよー。私には分かる。君はあそこの奴らよりも強いということが。強いオーラが出てる!…君なら…そうだ!君は私たち魔族のところへおいでよ!そうしたら、もっともっと君は強くなれるよ!」


「誰が行くか!俺は勇樹!勇者だ!そして!人類の希望だぁー!」


そうして、ハウンドと呼ばれる犬をよけ、エーリエの元まで向かった勇樹、流石勇者の称号を持ち、剣士が適正職業なだけはあり、その職をしっかりとこなすようになるために鍛錬を真面目にしたのだろう。ちゃんと強い。


「ふふ。ざーんねん。共に強くなれると思ったのにぃ。…共に来ないなら、死んでねぇ」


が、感情のままにやりすぎた。剣の斬撃はあっさりと避けられ、カウンター攻撃を喰らった。カウンターでもらった攻撃によって飛ばされた速度が速すぎる。流石は魔族。軽い攻撃でも、チート能力を背負った人でも簡単に吹き飛ばすくらいの威力の攻撃を平然とかましてくる。…しかし、このままでは天野は壁と激突し、落下し、良くて瀕死。ほとんどの場合は死に追いやられるだろう。…俺はそう思うと、「はぁ〜」ため息を吐き、少し憂鬱な気分になりながら。


召喚ヨビニング!ファストファフカース!天野を救え」


そう言うと、俺の横からフッと出てきたカースはファストバードの脚力を生かし、あっという間に天野を死から救った。地面へと着き、カースが立ち止まったタイミングで「降ろせ」と命じ、降ろさせた後は、俺の元へ帰って来させた。


「…あれは…堕チシ呪イノ魔術師…なのか?いや、あんなに速く移動はしないし…なにより、なんで、ファストバードの足と手と羽が…なんなんだ、あいつ。そして。何者なんだ!あの冒険者様…いや、王混 じゅんきは…」


「ほう。貴方。面白そうなものを従えているのね♡おねーさんの使えているこの子達よりも強そうね!私、気になっちゃったぁ♡」


「あ?さっきから喋り方キモいんだよお前。黙れや。…やれ。カース」


「あらー♡そんなことゆったらい♡け♡な…」


言い終わる前に、カースの片手の拳が炸裂し、今度はエーリエが遠くまで吹き飛んだ。ハウンドがそれを見て襲いかかるが、SSSランクの魔物だった奴にはこんな魔物、せいぜいBランクくらいであろう奴らはほぼ雑魚同然である。詠唱もなしに発動される様々な魔法によって、ハウンドのほとんどが消え去った。


「な、なんだ、あれ…王混…あんな化け物…どこで…」


クラスメイトが驚く声を無視し、俺はゆっくりと、エーリエの元へと近づいた。


「い、いたぁーい♡…もうやめてぇー!」


「キモいんだよ。さっきから。猫被りめ。最期くらい、本性出せよ」


「…ばれてたのか。これが仮初の姿なんて…優しく殺してやろうとしたってのに…あんたは何者なんだよ…」


俺はその問いに対し、エーリエの耳元で…


「敵に教えることは何もない。大人しく死ね」


「っ!?」


冷徹に俺はそう言い、俺は拳を彼女に目掛け、放った。俺の攻撃力は無限。好きな威力にすることができるらしい。(ここへの移動中に知った)俺は目の前のこいつを殺せるくらいの威力の拳を放った。


が、そこ攻撃は彼女に当たることは無かった。


ギャン!


と言う鳴き声。俺の攻撃は彼女に当たることはなく、彼女の使役するハウンド1体に攻撃が当たっていた。ハウンドは体が消滅し、魔法石となった。それを見て、俺はもう一度攻撃をしようとする。…しかし、主人の危機を感じ取ったのか、残ってる奴らが一斉にをこちらへと突撃して来た。俺は俊敏力が殆ど無いため、ハウンドの突撃を喰らい、後ろへと吹き飛ばされた。


「くそ!こいつら!邪魔だな」


倒れたじゅんきはすぐに立ち上がり、そして、ハウンドとの睨み合いが始まった。じゅんきはふと、目をエーリエにやる。エーリエは死を感じたのだろう。恐怖を感じたような顔をしながらも彼女も立ち上がった。すると、ハウンドの一匹が彼女を見た。彼女はそいつに合図を出すように目配せをした。その後、彼女は逃げ出した。


「…逃すかよ!カース!」


待機していたカースが彼女に遠距離から攻撃しようとする。しかし、カースが技を使う前に、ハウンドが攻撃をして、魔法を使うことを許さなかった。俺たちがそんなふうにもたもたとしているうちに、逃げゆく彼女は暗闇へと消えていった。それを確認したハウンドも同じく逃げ出した。俺は、それをカースと共に見届けることしかできなかったのだった。

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